「奥様」はキャンピングカーのどこを見ているか?

  
 キャンピングカーの購入に際して、「財布のヒモを握っているのは奥様だ」とよくいわれる。
 実際にキャンピングカー販売店のスタッフに聞くと、「とにかく奥さんが “うん” と言わないかぎり、契約のハンコがもらえない」と話す人が多い。

 それだけ、キャンピングカーが、女性の間にもしっかり浸透してきたということなのだろう。
 昨年版の『キャンピングカー白書』によると、今やキャンピングカーのメインユーザーは「夫婦2人(&ペット)」だとか。
 旦那さんの定年退職を機に、キャンピングカーを買って国内旅行を楽しむシニアカップルが急増しているという。
 それが事実ならば、キャンピングカーの車種選定においても、奥様の意向が強く反映されるのは当然だろう。

 では、奥様は、「キャンピングカー選び」にどのくらい関与しているものなのか?
 奥様が好むキャンピングカーとは、果たしてどのようなものなのか?

 実は、このあたりを深く掘り下げた調査がない。
 「キャンピングカー選びには奥様の好みが反映している」という販売店サイドの意見も、売り買いの現場から感じた “感触” でしかない。

 日本RV協会(JRVA)が現在ホームページを通じてアンケート調査(下記アドレス参照)している内容は、ずばりその点を衝いたものである。
 http://www.jrva.com/

 ここでは、「キャンピングカーの車種を決める際に奥様とご主人とでは意見が分かれたか?」、「女性がキャンピングカーに求めるときに最優先するものは何か?」など、販売店スタッフのみならず、広くキャンピングカーユーザーなら誰でも関心のある調査内容が採りあげられている。

 アンケートの締め切りは、4月17日だそうだが、すでにある程度の傾向が出ている。
 興味を持ったので、途中経過を自分なりに分析してみたい。
 
 
キャンピングカーの車種選択で、意見が分かれたときは?

 まず質問【1】。
 ここでは、「キャンピングカーの車種を決める際に、ご主人様と奥様とでは意見が分かれたか?」ということが尋ねられている。

 キャンピングカー選びは、かつては旦那の独断で進められることが多かった。普通の乗用車と違い、キャンピングカーにはかなり電装系を中心に込み入った機能を持つ搭載機器が多い。
 そういうものに関心を持つのは、だいたい男と相場が決まっていて、「電気やメカに弱い女は黙ってろ」的な風潮が、かつてはまかり通っていた。
 
 だが、キャンピングカーに同乗する奥様の比率が高くなるにしたがって、「車内にトイレがないと嫌だわ」(掃除するのはだいたい旦那だが … )とか、「車内で洗顔するスペースがないわ」とか、「室内の色が殺風景」などと、女性の視点からキャンピングカーにリクエストする要素が増えてきて、これが車種選定において、旦那と奥さんの意見が分かれる状況を作り出した。

 質問【1】は、そのへんを探ろうとした設問であるが、これがなんと、「最初から夫婦の意見が合って、買う車に迷いがなかった」という回答が39.0%を獲得して1位になっている。

 2番目は、「奥様がキャンピングカーのことはよく知らなかったので、ご主人すべて一人で決めた」(29.8%)というもの。
 3番目は「奥様の意見がほぼ採り入れられ、ご主人がそれに同意した」(11.7%)。
 4番目は「ご主人の意見がほぼ通り、奥様がそれに同意した」(10.7%)。

 注目したいのは、意見が分かれたときには、奥様の意見が優先されているというところ。
 奥様がキャンピングカーに対する知識や関心を持ってくると、旦那が一人で決めるのは難しい状況になってきたことがうかがえる。
 
 となると、「(判断が割れず)最初から夫婦の意見が合った」という回答が1位になっていることは、旦那さんが事前に奥さんの意向を十分汲み取った結果、仲良く「合意した」という意味だと採れるし、奥さんの方も、旦那に負けないくらいキャンピングカーに対する知識を持つ人が増えてきたことを物語っている。
 
 
車種選びで、意見が分かれたときの争点は何だったのか?

 では、車種選定で意見が分かれた場合、それは何が問題になったのか(質問【2】)。
 1位、購入金額について(27.0%)。
 2位、(内外装の)デザインの好き嫌い(20.0%)。
 3位、レイアウトや装備類の使い勝手(19.0%)。
 4位、ベース車や架装の内容から判断した走行性能(15.9%)。 
 
 購入金額について意見が分かれたというのは、よく分かる。
 「一生の買い物」と思い、キャンピングカーにあれこれと夢を詰め込もうとする旦那と、一家の経済状況を見つめて、冷静かつ合理的に判断する奥様の違いがそこに表れている。
 「デザイン」の好き嫌いが上位に上がってくるのも、女性ならでは。
 デザインセンスにおいては、日頃自分の化粧やファッション、小物類のデザインの見極めにおいて美意識を研ぎ澄ませている女性の方が敏感であることは間違いない。
 
 
旅行計画の主導権を握るのは、どっちか?

 さて、キャンピングカーを購入した夫婦は、どのようにして旅行計画を立てるのか。質問【3】では、旅行計画の主導権を夫婦のどっちが握っているのかを問うている。

 1位は、「ご主人が主体となって旅行計画を立て、奥様の同意を求める」という回答だった。
 これも、旦那の独善がまかり通っているというよりも、旦那が奥様のためにかいがいしく旅行先を調べ、サービス精神を発揮していると見るべきだろう。
 ないしは、「ちゃんと楽しめるところを探しなさいよ」とプレッシャーをかけられて必死になっているという状況を示しているともとれる。
 
 2位以下は、次のとおり。

 2位、「ご夫婦両方がお互いに案を出し合い、両者の合意で計画を進める」(35.7%)。
 3位、「子供の学校の休みなどを利用して、子供が喜びそうな旅行先を優先して選ぶ」(10.8%)。
 4位、「奥様が行きたい場所などを探し出して、ご主人に提案する」(8.9%)。

 このあたりは、夫婦あるいは子供を交えた家族が仲睦まじく、旅行計画を練っている様子が伝わってくる。
 
 
奥様がキャンピングカーは運転することがあるのか?

 奥さんがキャンピングカーを運転する比率はどのくらいなのだろう。
 質問【4】で、それを尋ねたところ、「(運転が苦手、免許がないなどの理由により、)いっさい運転しない」奥様が半数(54.4%)を超えて1位になっていることが分かった。

 ま、少し大きなキャブコンや輸入車のサイズになると、最初は男だってビビる。「運転が苦手」ということを理由に、旦那にハンドルを取らせる奥さんが多いことはそれなりに納得できる。
 奥様が運転するのは、「ご主人が疲れたりするときに限って自分が運転する」(2位 36.9%)というわけだ。

 ちなみに、4位と5位には、「両方とも運転するが、ご主人より自分の方が運転する機会が多い」(2.0%)、「ご主人が運転しないので、自分が運転する」(1.3%)という回答が上がった。 
 ともに比率は少ないが、運転にも意欲を燃やす積極的な奥様が現われてきていることがうかがえる。
 
 
女性がキャンピングカーを選ぶときに最優先するものは?
 
 いよいよ、キャンピングカーの開発スタッフがいちばん知りたがっている「奥様のキャンピングカー評価」。
 質問【5】では、「女性がキャンピングカーに求めるときに最優先するものは何か」を尋ねている。

 それによると、1位は「購入価格帯も安く、維持費にも負担のかからないキャンピングカー」というものだった。
 やっぱり奥様は、現実主義者だなぁ … と思う。
 生活の中でのキャンピングカーというものをしっかり考えている。
 
 2位は、ちょっと意外な解答が上がってきた。
 それは「トイレ機能が充実しているキャンピングカー」(15.8%)である。
 
 これが “意外だ” というのは、実は昨年版『キャンピングカー白書』によると、ユーザーが購入しているキャンピングカーではトイレの装着率が下がってきたことが判明しているからだ。
 日本では、車内にトイレがなくても不便を感じないようなインフラが整っている。
 「道の駅」しかり。高速道路の「SA・PA」しかり。

 子供をたくさん乗せて旅行するファミリーの場合は、トイレスペースに場所を取られるより、その分たくさんの人間が寝られるベッドや荷物の収納スペースを増やしたいと思うはずだ。
 女性が「充実したトイレ機能」を求める傾向が出てきたとしたら、それは乗車するのが「夫婦2人だけ」という、いわば子育てが終わって余裕が出てきたシニアカップルの増加を物語っていそうな気がする。

 それ以外の回答は、次のとおり。
 3位 「日常の足として気楽に使える運転時の取り回しの良いキャンピングカー」(14.2%)。
 4位 「収納スペースの多いキャンピングカー」(10.8%)。
 5位 「女性でも簡単にベッドメイクできるキャンピングカー」(10.0%)。
 6位 「洗顔や着替えなど女性の身だしなみを整える機能が充実したキャンピングカー」(9.2%)
 7位 「可愛らしさや美しさが漂うデザインセンスの良いキャンピングカー」(8.3%)。

 いずれも、女性の立場を反映した回答が続いており、男性の評価とはまた異なった意見が見られるのが興味深い。
  
  
旅行中、旦那と波長が合わないと感じるときは、どんなときか?

 旅行すると夫婦げんかが起こる、という話をよく聞く。
 仲の良い夫婦とはいえ、四六時中顔を突き合わせる時間が増えると、だんだん相手がうっとうしくなることもあるからだ。

 キャンピングカー旅行の場合はどうか。
 質問【6】では、「旅行中、ご主人と波長が合わないと感じるときは、どんなときか?」を尋ねている。

 1位は、「観光に時間をかけるか、温泉でゆっくりするかなど、時間の使い方で意見が分かれる」(23.9%)というものだった。

 よくある話である。
 旅行とは、仕事や家事に振り回される「日常」から解放されることである。
 いわば、自分の「やりたいこと」に素直になれる時間を手に入れるわけだ。
 となると、日頃あまり表に出なかった夫婦間の趣味、感受性、価値観の違いがあからさまに浮かび上がることになる。
 「時間の違い方で波長が合わない」というのは、それぞれの人間性がストレートにぶつかり合う状況を浮かび上がらせた結構奥深い問であったかもしれない。

 2位は、「長距離移動中、同乗者に休憩も取らせずに、長時間運転を続ける」(18.2%)。
 これも、ありがちな話。
 要は、旦那の気配りの問題だ。

 3位は、「長時間一緒にいると、話題につまる」(12.5%)。
 これは、なかなか深刻な回答だ。
 キャンピングカー旅行に限らず、結構こう告白する主婦の話を聞く。
 これも、旦那のコミュニケーションスキルが問われていると言わざるを得ない。

 4位は、「たまには街に出て、地元のお店などで外食したいと思っても、ご主人は車内でカップ麺のような食材ですまそうとする」(9.1%)。
 5位、「疲れて早く寝たいときがあっても、昔話などをくどくどと話しだし、休ませてくれない」(1.1%)。

 ま、このあたりの設問と回答は、奥様が見るより、旦那さんが見て勉強する方がいいのかもしれない。
   
   
奥様は買ったキャンピングカーのどんなところに満足しているか? 

 最後の設問【7】は、「現在乗っているキャンピングカーに満足しているとしたら、それはどのようなところか」を問うている。

 いちばん多かったのは、「ホテルや旅館などの予約が要らなくなったので、時間的な制約から解放され、気ままな旅が楽しめるようになった」(42.4%)というもの。
 これは、奥様の意見というよりも、男女を問わずキャンピングカーを買った人たちの共通した認識だろう。

 2番目は、「ペットと一緒に旅行することが楽になった」(26.5%)。
 これも近年のペットブームを反映している。
 子育てを終えたシニアカップルの場合、子供の代わりにペットを連れてキャンピングカー旅行をするというスタイルがかなり定着してきた。
 そんなことも、この回答からうかがえる。

 4位は、「釣り、スキー、サーフィン、野鳥観察などの趣味を楽しむ “前線基地” を確保できるようになった」(11.3%)。
 5位は、「ベッドメイクが楽になり、収納スペースも増えたので、乗用車よりも車中泊が快適になった」(10.6%)。

 4位と5位は、奥様が感じた利点というよりも、広くキャンピングカー全般が持っているメリットである。特に、一般乗用車よりも「車中泊が快適になった」というのは、キャンピングカーならではの特性であろう。
 
 
 以上、4月4日現在の日本RV協会のホームページに掲載されている「ユーザーアンケートコーナー」から拾ってみたが、締め切りが4月17日だから、最終的に集計したときには以上の結果とは異なっている場合も大いにありうる。

 皆様も試してみたらどうだろう。
 ちなみに、アンケート調査へのアクセスはこちら。
 (↓)
 http://www.jrva.com/(← 2015年4月17日以降はアンケート内容が変わっているのはずなので注意)
 
 

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