ランドホームの2電源システム

シリーズ キャンピングカーの電気革命 5

電源を2系統に分けるという画期的な電装システム

進化を極めたバスコンのロングセラーモデル 「ランドホーム

▼ ランドホーム

 バスコンというキャンピングカーのジャンルを日本に定着させた車として、RVランドの開発した「ランドホーム」の名を外すことはできない。

 同車においては鉄板とガラス窓という熱伝導率の高いバスシャシーが使われているにもかかわらず、窓部をFRP一体成形パネルで窓埋めすることで断熱効果を高め、さらにラジエーター温水を利用した暖房・湯沸し装置を配備するなど、LPガスに頼らないエネルギーシステムを10年以上も前から採用してきた。
 そういった意味で、ランドホームは、バスコンのみならず今日の国産キャンピングカーのパイオニア的存在といっていい。

 この車は、また独自の電源システムを開発したことにおいても画期的といえる。
 それが、電源供給がないところでもセパレートエアコンを駆動させることのできる2電源システム方式である。
 これは、205AhのAMG高性能ディープサイクルバッテリーを2個用意し、それぞれ走行充電によるチャージと外部電源入力から供給される電気を蓄電させ、その一つのバッテリーで照明、冷蔵庫、水ポンプ、ルームヒーター、ベンチレーターなどの12V電装品を駆動。もう片方のバッテリーではインバーターを介し、セパレートエアコン、電子レンジなどの100V家電を駆動させようというもの。
 
▼ 「ランドホーム」室内
 

 これらの蓄電能力をサポートするために、ソーラーパネルによる発電システムもオプション設定されている。
 そんな「2電源システム」を完成させたRVランドの阿部和英代表に話を聞くことができた。

Interview
RVランド 阿部和英さん

  
【町田】 ランドホームのいちばんの特徴ともいえる2電源システムというものが、いったいどういう経緯で生まれてきたのか。まずそのへんから簡単に解説していただけますか。
【阿部】 これは、電源供給のないところでも、インバーターを介して家庭用エアコンやその他の一般家電を使うことを目的として開発したものです。
 いま各社さんともそれぞれこういうシステムを製品化されていますけれど、うちは2008年ぐらいからバッテリーを三つ使ったりしながら試していたんですね。
 そういう試行錯誤を繰り返しながら、現在のシステムとして完成したのは、2010年ぐらいからです。
 
【町田】 どういうシステムなのでしょう?
【阿部】 簡単にいいますと、2台分のバッテリーシステムを1台の中に組み込んでいるというものなんですね。
 つまり、205AhのAMG高性能ディープサイクルバッテリーを2個用意し、それぞれに走行充電と、外部電源からAC-DC自動充電器を使った二つの方法で入力させ、充電能力を効率よく確保します。
 その2個のバッテリーのうちの一つで、照明、冷蔵庫、水ポンプ、ルームヒーター、ベンチレーターなど、主に12Vでまかなえる電装品を駆動させ、もう片方のバッテリーには1500Wのインバーターをかませてセパレートエアコン、電子レンジなどの100V家電を動かすというシステムです。
 
【町田】 なるほど。それで「2電源システム」という名が付いているわけですね。
【阿部】 ええ。だから、エアコンなどを使って蓄電された電気が減ってきても、最低限、照明や冷蔵庫は使えるわけですね。
 もちろんその前に、電圧が10.9V以下になると自動的に電気の供給がカットされるバッテリー保護装置が働きますから、バッテリーが上がりきるという心配はないですね。
 また、バッテリーの充電状況や残量を確認するための液晶モニターも装備されていますので、それをチェックしておけば、それぞれのバッテリーがあとどれくらい使えるかという情報もつかめます。

▼ 電子レンジ、冷蔵庫などの家電製品も安心して使える2電源システムを組み込んだランドホームのキッチン周り

【町田】 もしバッテリーが満充電状態だと仮定して、エアコンを回すと何時間くらい持ちますか?
【阿部】 ユーザーさんの報告例では10時間。しかし、私たちが一般的にお客様にお話しするときは、いちおう安全のためのマージンをたっぷり取って、5~6時間と伝えています。
 けっきょく、これも外気温と温度設定によって変わるわけですね。日中のかんかん照りの状態だと5~6時間というところですが、夜間、外気も冷えてきた状態だと、本当に一晩は持ちますね。
 エアコンですから、もちろん暖房機能もあるわけですけれど、暖房の方が電気を食うので、冬場の暖房にはFFヒーターをお薦めしています。

【町田】 発電装置として、ソーラーシステムもオプションで用意されているようですが、これはバッテリーへの入力としてどのくらい効果がありますか?
【阿部】 パネルのワット数にもよりますけれど、現在用意しているのは198Wのものが1枚。場合によっては2枚。1枚でも消費電力の3分の1はソーラーでまかなうことが可能です。
 ただ、これも日照条件によって変動しますけれどね。

【町田】 バッテリーの電気が減ってきたときは、基本的には走行充電によって回復することになるのでしょうけれど、エンジン回転や走行距離にして、どのくらい走る必要がありますか?
【阿部】 いや、バスの場合はオルタネーターも大きいので、アイドリングだけでも大丈夫です。外部電源が取れれば、充電器を利用してチャージできます。

【町田】 そのほかのランドホームの特徴は?
【阿部】 お客様に喜ばれているのは、エコサーモシステムですね。これは何台か乗り換えて来られた方々には非常に評判がいいんです。
 一種の温水システムですが、エンジンをかければ、ラジエーターの温水がリヤヒーターとボイラーに回るようになっているんです。
 お湯を沸かすのはすごく簡単。1~2時間走っていれば、もうそれだけでお湯が沸きますし、停車中はスイッチひとつで温水ルームヒーターが使えるようになります。さらにキャンプ場などでは、今度は100VのAC電源でも常時お湯が沸かせます。
 
【町田】 画期的なシステムですね。
【阿部】 これは開発に10年以上の歳月をかけましたからね。当初は試行錯誤の繰り返しでしたが、いまは安定感のあるシステムとして確立されています。
燃焼器は車外の床下に設置しているんですよ。室内はラジエーター液が循環しているだけなので、空気もクリーンで、しかも安全性も高くなっています。
【町田】 ベースシャシーはトヨタのコースターが中心ですか?
【阿部】 そうですね。しかし、現在は三菱ローザ―を加えています。ローザはいっとき標準ボディがありませんでしたけれど、昨年それが出て、乗ってみると走りも、乗り心地もとてもいいんですね。フィアットのエンジンですが、力もあって、静かで、燃費もいい。
 ランドホームに新しい魅力を加えるシャシーということで販売にも期待しています。

RVランド
茨城県常総市大塚戸町1600-1
TEL:0297-27-6767
http://www.rvland.co.jp/


参考記事 「RVランド展示場」

  
 

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