キャンピングカーに乗る人はどんな人たちか (キャンピングカー白書2014より)

 
 前回、このほど発行された 『キャンピングカー白書2014』 をもとに、現在もっとも売れているキャンピングカーをジャンル別、価格帯別に紹介したが、今回は、そのキャンピングカーを使っているユーザー像に迫ってみたい。

シニアユーザーの増加が顕著に表れる (最も多いユーザーは60歳代)
 
 まず、年齢構成だが、家族の中でキャンピングカー中心的に使っている人(主に世帯主)の年齢を調査したところ、60歳代の比率が非常に高くなっていることが判明した。
 60歳代ユーザーの占める率は、2.7ポイントアップの37.0%。また、それに続く50歳代も、0.8ポイントほど前回調査より上回って27.5%を記録し、70歳代も0.8ポイントアップの6.1%にまで伸びた。
 これで50代から70代のユーザー層は全体の7割に達したことになる。

 一方、40歳代や30歳代の比率は下がった。40歳代では2.1 ポイント、30歳代では2.3ポイントの落ち込みを見せた。
 しかし、これは40歳代や30歳代のユーザーが減少したというよりも、収入的にキャンピングカーを買える40歳代以降の人たちがそのまま50代、60代というようにスライドしていったとみるべきだろう、と白書は述べる。
 とはいえ、上記の報告は、現在キャンピングカーを使っている人たちの状況を示すものであり、「これからキャンピングカーを買おう」という人たちの実情とは異なる。キャンピングカーを企画・開発するビルダーにしてみれば、むしろ60歳代より下の50歳代、40歳代の顧客の気持ちを考慮した商品開発が必要となろう。

 とりあえず、今回の調査では、日本のキャンピングカー利用者の熟年化傾向がはっきりしており、40歳代から70歳代を束ねてみると、全体の94.5%になることが判明した。これにより、日本においても欧州並みの熟年マーケットが成立したとみなすことができるという。

 このデータを、テントキャンプを中心に楽しんでいる人たちと比べると、はっきりした違いが表れる。
 (社) 日本オートキャンプ協会がまとめた『オートキャンプ白書2013』によれば、キャンプ活動の中心になっているのは30歳代(42.2%)がもっとも多く、それに40歳代(41.0%)が続くという形になり、それより上の50歳代から70歳代になると、合わせても10.6%にしかならない。やはり高齢になると、テントの設営・撤収が面倒になるからだろう。
 このことから、50歳代以降の人たちが7割以上を占めるキャンピングカーユーザーと、30代~ 40代が中心となって全体の8割を超えるテントキャンパーとでは、年齢構成が大きく異なることが分かったという。

ユーザーの4割は会社員

 では、キャンピングカーユーザーとは、どのような職業の人が乗っているのか。
 キャンピングカーというと、やたら “高額車” というイメージがまだ残っており、一部の富裕層の乗り物という印象を持たれることも多いが、購入者の中心となっているのは、普通の「会社員」で、その割合は全体の38.7%に達した。

 次に多いのが「定年により退職」という答で、全体の25.1%を占めた。前回調査では定年退職者の比率が23.8%であったという。今回はそれがさらに1.3 ポイントのアップとなり、キャンピングカーユーザーにおいても高齢化社会の到来がそのまま反映されていることが判明した。

 3番目と4番目は、「自営業」(11.4%) と「会社役員」(10.6%)と続き、5番目は「公務員」の9.6%だった。
 「その他」という書き込み式の回答欄をもうけたところ、ここにおいても「無職」、「パート」という答が目立ち、キャンピングカーユーザーにおける定年退職者層の広がりを暗示させた。

購入層のトップは、世帯収入「400万円未満」のユーザー

 今回のユーザー調査で明らかになったことは、キャンピングカーを購入している人々の世帯収入において、「400万円未満」もしくは「400万円台」という人々の率が高まってきたことである。
 この傾向は前回調査から表れてきたものだが、今回の調査においては、さらにそれぞれ1.5ポイントずつ上昇した。

 このように、400万円未満、もしくは400万円台という世帯収入のキャンピングカーユーザーが増えてきたということは、逆にいえば、キャンピングカーが一部の富裕層のものではなく、さまざまな世帯収入の人たちにも浸透してきたことを物語っているといえよう。

 厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査」(平成24年)によると、1世帯当たりの平均所得金額は548.2万円(平成23年調査)であり、その中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は432万円であるという。
 中央値というのは、一部の富裕層が平均値を吊り上げたときのデータとは異なり、一般の人々の生活水準を示すことになるので、これをもって現在の日本の所得水準と見なすこともできる。
 つまりは、キャンピングカーがようやく日本の世帯収入の中軸を占める層にも普及してきたと解釈できる。

 また、この「400万円未満」という層が厚くなってきたことは、ユーザーの年齢構成比率で、「60歳代」が増えてきたこととも関係している。
 それまで勤め上げてきた企業をリタイヤし、年金が支給されるまでの間、別の企業に再雇用される人たちの場合は給与額が低下する。そういう状況でも、それ以前からキャンピングカーを所有している人は多いだろうから、その場合は「400万円未満」という申告になる。
 
 世帯収入というのは、額面として支給される家族全員の給与の総和であるから、子供たちが親元から出て独立した世帯を持ち、定年を迎えた夫婦2人暮らしの家庭が増えてくれば、当然インカムとしての数値としては減少する。ただ、その分支出も減少するから、キャンピングカーを維持するのは難しいことではない。
 このように、ユーザーの間に世帯収入「400万円未満」層が増えたということは、日本の人口構成が高齢化し、シニアの家族構成が夫婦単位に移行しているという日本全体を覆う社会現象の反映と見るべきだろう。

旅行の同行者では「夫婦 2人」が圧倒的な数を占める
 
 では、キャンピングカー旅行をしている人たちは、どういう家族構成で旅を楽しんでいるか。
 それを調べたところ、やはり圧倒的に多いのは「夫婦2人」という答で、全体の58.5%を占めたという。
 次に多いのは「子供を含めた家族」であり、32.5%だった。
 この順位は、前回および前々回の調査と変わらないものの、「ファミリー」から「夫婦2人」への移行は明らかに進んでいる。
 前回調査では「夫婦2人」は56.9%であったが、今回はそれが1.6ポイント上がり、さらにその前の調査段階と比較すると、この4年の間に5.6ポイントも上昇している。

 一方、前回35.4%を維持していた「子供を含めた家族」は前回より2.9 ポイント下がり、4年前の調査時から比べると、6.7ポイントほど減った。
 その理由は、子供たちが独立して別世帯を持つようになった60歳代のユーザー比率が増えていることにもよるだろうが、広い意味で少子高齢化社会の到来がキャンピングカー人口にも広がってきたともいえる。

 なお、この調査では、家族以外の答として「単独(1人)」と答えた人の率が0.7ポイント高まって5.9%にまで上昇した。
 この “1人旅派” は、微増とはいえ調査を重ねるごとに増えており、前々回の調査時から比べると、2.1ポイント上昇したことになる。その背景には、高齢化に伴う配偶者の死別や非婚率の高まりなどが関係していると考えてよいかもしれない。
 そのような事情を反映してか、このような “1人旅派” からは、RV協会に対して、「1人旅の愛好者が3~4人のグループを作って集まれるような働きかけをしてほしい」という声も寄せられていた。
 
 
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