RVパーク犬山ローレライ麦酒館

※ 本データは2014年3月現在のものです
  
 
 東海地方初のRVパークが愛知県犬山市に誕生した。
 名前は、「RVパーク犬山ローレライ麦酒館」 。
 オーナーは、地元で地ビールなどを製造・販売している「犬山ビール株式会社(小弓鶴酒造)」である。
 施設としては全国で19番目となるが、これまで道の駅や温泉施設の敷地内でつくられることが多かったRVパークの中では異色。このような酒造元が管理する施設は全国でもはじめてのケースといえる。
 

 この 「犬山ローレライ麦酒館」 にキャンピングカーを停められるエリアの数は、なんと6箇所。付帯しているAC電源のアンペア数は20アンペア3ヵ所、15アンペア3ヵ所で、さらに4ヵ所の電源エリアが整備中であるという。
 そのうちの 1箇所は輸入車のルーフエアコンなどでも安心して使える30アンペアのものが検討されているとも。
 トイレは工場敷地内に24時間使えるものが用意され、クルマで15分見当(約5km)のところには、お湯自慢の温泉施設がある。

 

 駐車スペースの前には、道路を隔ててビール工場とレストランが並ぶ。
 RVパークに泊まって作りたてのおいしい地ビールと、これまた自慢の特選ソーセージなどのドイツ料理をたらふく味わった後は、自前の “キャンピングカーホテル” で熟睡。
 なんとも理想的なRVパークが誕生したものである。

▼ 「犬山ローレライ麦酒館」 の店舗

 周辺の観光施設も実に豊富。犬山城、明治村、リトルワールド、モンキーセンターの観光地もクルマで15~20分圏内。
 桜の季節になると、近くの五条川の土手沿いに 「日本の桜百選」 に選ばれた桜の花が見事な景観をつくり上げる。
  
 オープンを間近に控えた休日の午後、オーナーの吉野淳夫社長 (74歳 写真下) に、「RVパーク犬山ローレライ麦酒館」 の特徴および抱負などを取材することができた。 

 「地ビールブーム」。
 それが今から17~18年前に日本でも起こった、と吉野さんは言う。
 それまで大手4社の寡占体制が敷かれていたビール産業であったが、規制緩和が行われ、少量生産しかできない地方の中小メーカーでもビールが作れるようになったからだ。 
 このとき、江戸時代から続いている 「小弓鶴酒造」 の6代目を継いだ吉野淳夫さんは地ビールづくりを研究するために、地元商工会議所の人たちとともドイツに渡った。犬山市が地元観光の柱として「地ビールの街」を謳いたかったからだという。

▼ 工場内に設置されている「糖化釜」。片方の釜で麦芽を糖化し、片方で麦芽カスを濾過(ろか)する。それをもう一度元に戻して熱をかけて殺菌し、ホップを加える

 本場の地ビール工房を回ること半月。現地のビール文化の奥行きの深さに触れるつれ、吉野さんの信念が固まっていく。

 「ドイツでは、 “ビール工房は薬局だ” ということわざがあるんですね。つまり本来は健康飲料として薬と同じような効能がある。ドイツのビールは濾過せずに、そのまま出すから酵母酵素が生きている。これが体にもいいし、ビールの味を深いものにするんです」
 と吉野さんは語る。

 ところが、日本の大手ビールメーカーは、日持ちを優先させるために濾過 (ろか) して酵母を取り除いてしまう。そうすると清涼感は出るものの味わい深さも後退する。
 また、ドイツでは 「ビール純粋令」 というものが400年ほど前から浸透していて、ホップと麦芽以外のものを混ぜたものは、もうビールとは言わないというほど味へのこだわりを徹底させている。
 しかし、日本のビールは飲みやすさの方を優先して、米やコンスターチを混ぜる。すると清涼飲料水のように飲めるが、代わりにコクがもの足りなくなる。

 そのように本場ドイツの味を追求したのが、この 「犬山ローレライビール」 というわけだ。

 当然、流通を意識して保存性を高めた大手メーカーのビールのように日持ちはしない。もちろん賞味期限は30日程度保証しているが、味は作った日がベストだとすると、それから徐々に美味さが後退していく。魚や野菜のような生鮮食品と一緒である。
 「だから、RVパークに泊まられるキャンピングカーユーザーさんには、その作りたてのビールをこの場で味わっていただきたい」
 というのが、吉野さんの願いなのだ。
 
 RVパークを開設した動機もそこにあるという。
 「普通の乗用車で来られるお客様の場合、まずドライバーの方はビールが飲めないですよね。
 飲みたくても我慢するか、お土産にして持ち帰っても長く保存してしまうと味が落ちる。しかし、キャンピングカーで来られてRVパークに泊まられるのだったら、作りたてのビールを存分に楽しんでいただけます。
 だから、RVパークの存在を知ったときには、すぐ申請することにしました」

 きっかけは昨年の7月にNHKで放映された “サキどり ! “ という番組で観たキャンピングカー特集。
 そこで、キャンピングカーに乗った夫婦がRVパークに泊まり、地元の料理屋などでお酒を楽しんだりしているビデオを見たからだという。


▲NHKの『サキどり!』

 「こういう施設ならうちでも作れる。レストランはあるし、駐車場も広い。電源などはすぐに配備できる。24時間使えるトイレもあるし、温泉も近い」
 吉野さんは即座に日本RV協会に連絡をとって、RVパーク開設の相談に乗ってもらうことにした。
 RV協会としても、このようなRVパークの運営ケースは前例がなかっただけに、今後のRVパークの方向性を広げる格好のサンプルとして、大歓迎であったという。
 
 RVパークの営業開始は3月29日 (土) から。当日は地元のキャンピングカーユーザーほか、近辺の住民や企業関係者も集めた盛大なイベントが行われるという。
 
インフォメーション

住所・連絡先

犬山市大字羽黒字成海郷70
TEL:0568-67-0033
http://www.loreleybeer.co.jp

アクセス

・ 東名高速道路 「小牧I.C」 よりクルマで約15分
・ 中央自動車道 「小牧東I.C」 よりクルマで約15分
・ 名鉄小牧線 「羽黒駅」 より徒歩約15分

レストラン

 レストランは、工場から少し奥まったところにある。
 なにしろ建物自体が有名な建築家の黒川紀章によって設計されたものだけあって、クラシカルなたたずまいのなかにモダンタッチが生きている洒落たもの。黒川紀章がこのような小規模建築を手がけること自体が珍しいという。
 しかし、さすがに一級の建築家らしいデザインで、全面ガラス張りの窓越しに広がる竹林の美しさは一見の価値あり。
  
   

 料理や飲み物も逸品揃いで、犬山ローレライビールのほか、評判がいいのはディナーに出てくるソーセージ。本場ドイツソーセージの製法に則った手作りもので、ボイルされたものも評判だが、これを炭火焼きしたものがソーセージ通の間で大好評である。

 

 ランチメニューとして出る 「牛ひき肉と野菜のカレー」 (通称酒蔵カレー) もお勧め。水の替りに酒で伸ばし、砂糖の替りに麹で味を整える。酒くささはまったく感じられないのだが、見事にまろやかな酒のコクがにじみ出ている。
 ランチはバイキング形式で、大人1,500円/子供1,200円。
 営業時間は午前11:30から午後3:00まで。最終入場は2:00。料理のオーダーは2:30まで。

 ディナーのメニューにおける代表的な料理は以下のとおり。
 ソーセージの盛り合わせ 950円
 チーズの盛り合わせ 1,480円
 オマール海老のトマトクリームパスタ 2,480円
 特選サーロインステーキ (300グラム) 2,580円
 スペアリブ 2,480円 他
 ディナーの営業時間は午後5:00から。ラストオーダーは9:00。営業終了は10:00。
 なおディナーに関しては、土日を除く平日は予約制となるので、2日前に連絡が必要とのこと。

 またキャンピングカー泊のお客以外にも無料の送迎バスあり。ランチ15名、ディナーは10名からの予約があれば、半径10~15km範囲内の利用者に限り、マイクロバスによる送迎サービスがある。

日本酒

 「犬山ローレライ麦酒」 は、もともと日本酒の醸造元であるがゆえに、日本酒の逸品もそろっている。代表的なブランドは 「小弓鶴」 。2本いっしょになったギフトセットで、2,560円~。15年物の名酒 「琥珀酔」 (写真下) が2,800円。

 なにしろ、麹からしっかりと育てていく昔ながらの伝統を守った醸造法なので、今どき珍しいコクのある酒になっている。
 また、ここには、来年で30年という長期熟成を誇る幻の名酒がある。ワインなどでは、長期熟成酒はよく年代物として珍重され、ロマネコンティーなどは60万円ほどの価格がつくが、日本酒においても、かつて新宿・伊勢丹で35年熟成酒が1本 (720ミリリットル) が75万円で売り出されたことがあり、完売したという。25年物でも24万円とか。
 この小弓鶴酒造の30年熟成酒も評判が高く、「幻の名酒」 として伝説化されている。

ディナータイムの音楽ライブ

 この犬山ローレライ麦酒館では、月に1~2回ほど、土曜日のディナータイムなどではジャズなどのライブが行われることがある。飲食客は無料。

温泉 (さら・さくらの湯)

  「犬山ローレライ麦酒館」 からクルマで15分 (約5km) ぐらいのところには近隣でも評判の温泉がある。「犬山市民健康館 『健康の駅 さら・さくらの湯』 」 がそれ。
 なにしろここの湯は100kmも離れた 「めいほう温泉」 から毎日10トンのタンクローリー2台を使ってお湯を運んでくるという贅沢なもの。
 そのため泉質はこの近隣では得られない上質さを誇る。天然ラドンを含むアルカリ性単純温泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、うちみ、くじき、冷え性などに効くという。露天と内湯が各2槽あり、スチームサウナのほか、打たせ湯もある。

▼ さら・さくらの湯 露天風呂

 営業時間は午前10:00~午後8:30まで(金・土曜日は午後9:00まで)
 一般500円、65歳以上・障害者・小中学生は300円。小学生未満は無料。
 休館日は毎週月曜日 (その日が休日の場合はその翌日) 、年末・年始 (12月28日~1月4日) も休館。
 連絡先:愛知県犬山市大字前原字橋爪山15-2 TEL:0568-63-3810
 なお、この温泉には広い駐車場が確保されているが、夜は旋条されるため車中泊は不可。

周辺観光 】 

 観光といえば、まず国宝犬山城だ。織田信長の一族ともゆかりの深い城で、その優美な天守閣のたたずまいは、このエリア随一の絶景として多くの人に親しまれている。
 城の周辺には往時の面影を色濃く残した城下町が広がり、歴史トリップができる。
 一時は観光客の減少で 「シャッター通り」 化した城下町であったが、近年の城郭探訪ブームや歴女ブームの追い風に乗り、6~7年前には20万人程度であった観光客が、今ではその倍の40万人を超えるようになったそうだ。
 この犬山城下町には大きな駐車場がなく、道も狭いのでキャンピングカーで行くのは避けた方が賢明。

 ただし、「犬山ローレライ」 RVパークの利用者でレストランで食事をされたユーザーには、城下町へのバス送迎サービスがある。
 毎年4月第1週の土曜・日曜には 「犬山祭」 が行われ、城下町は賑わう。このような祭りの日は、RVパークにその日の “宿” を確保し、あとは送迎バスに揺られて城下町探訪に繰り出すのがいいかもしれない。

 各地に残っていた明治時代の建築をそのまま移築して、雄大なテーマパークに仕立てたのが明治村もクルマで15分圏内。明治期や戦前を舞台にした映画やドラマのロケ地として使われることも多く、NHKのドラマ 『坂の上の雲』 (原作・司馬遼太郎) などではさんざん登場したという。  
 
 他に、ヨーロッパからアジア・アフリカに至るまでのさまざまな世界の建物を集めた 「リトル・ワールド」 、京大の霊長類研究センターの指導のもとに、さまざまなサルの生態を見物できる 「モンキー・センター」 も近い。
 
 
参考記事 「NHKサキどり」
 
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町田のRVパーク探訪記事

「RVパークたまがわ」 (山口県)

「RVパークおおた」 (群馬県)
 
「RVパークやまが」(熊本県)
 
「RVパーク豊平どんぐり村」 (広島県) 
 
「RVパークひなの里かつうら」 (徳島県)
            
「RVパーク毛馬内 七滝温泉」(秋田県)

「RVパークさかた温泉」 (青森県)

「RVパークエビスヤ」 (山形県)

「RVパークアップルランド」 (青森県)
 
「RVパーク犬山ローレライ麦酒館」(愛知県)
 
「RVパークおだぎりガーデン」(栃木県)
 
「RVパーク南きよさと」(山梨県)

「RVパークこころ屋」(長野県)

「RVパークやまなみの湯」(山梨県)

「RVパークまほろぼ」(宮城県)

 
   
 

 

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RVパーク犬山ローレライ麦酒館 への6件のコメント

  1. 池内貞二 より:

    RVパーク犬山ローレライ麦酒館開設、大歓迎です。まだ各地のRVパークには行けていませんが、これから鋭意巡っていきたいですね。情報をありがとうございます。Dethleffsで走り回ってます。

    • 町田 より:

      >池内貞二さん、ようこそ
      Dethleffs ですかぁ !
      憧れのクルマのひとつです。
      あのクラスになると、どんなRVパークでも高級リゾートに感じられるでしょうね。
      犬山ローレライは、良いところでした。
      ソーセージ、おいしかったですよ。
      地ビールも、吉野社長よりお土産として2本いただき、家に帰ってすぐ飲みました。コクがあって、とてもいい味でした。
      犬山ローレライは、もう一度訪ねたいRVパークのひとつです。
       

  2. シーゲル より:

    ”独り言”、いつも楽しみにしています。
    腸詰とビールに目のない僕としてはキャラバンの足場というより、むしろこのRVパークを目的に犬山を訪れたくなりました。

    トラベルトレーラーで旅する僕にとって、トラクターで町めぐり(周辺観光)するために安心してトレーラーを停められる場所が目的地周辺で容易に見つからないことがキャラバンのネックになっています。
    「湯YOUパーク」の拡大で選択肢が広がってきたことに加えて、「RVパーク」が一昨年7月以来毎月1件のペースで増えていることは嬉しいことです。
    宿泊・温泉施設に併設されるものの他に、このようなユニークな着想の施設の誕生でクルマ旅のインフラが整いつつあることを実感しています。

    • 町田 より:

      >シーゲルさん、ようこそ
      RVパークには、自走式を中心にスペースが考えられているようなところもありますが、この犬山ローレライは駐車場そのものも広く、トレーラーとヘッドの切り離しも楽そうで、トレーラーユーザーにも安心して使えそうです。

      RV協会さんのHPを見ると、RVパークもすでに20号目が誕生していますね。
      担当者によると、年内に30ヶ所ぐらい、当初の目標はまず100ヶ所というお話でしたから、今後さらなる展開が期待できそうです。
      現在も交渉中のところがたくさんあるようですね。

      時間を作ることができたら、また新しいRVパークに寄りますので、今度はトレーラーユーザーさんの目線も加えたレポートを書いてみたいと思います。
       

  3. solocaravan より:

    この連休を利用してこちらのRVパークを訪れてきました。

    町田さんのお話しどおりのすばらしい環境とおいしい料理、そして飲みごたえのある地ビールをたっぷりと楽しめました。うっかりしてソーセージを賞味し損ねたのが惜しまれますが、機会があればまたうかがいたいです。

    ところで地元観光地としては、明治村やリトルワールドもさることながら、田懸神社という安産祈願の神社がありました。境内には立派な男性シンボルがあちこちにそびえ立っていて圧倒されましたが、こちらの男根神輿は日本三大奇祭のひとつだそうです。お祭りの時にRVパークを利用してまた訪れてみたいと思います。

    • 町田 より:

      >solocaravan さん、ようこそ
      犬山ローレライに行かれましたか。
      良かったでしょう ! あそこ。
      ソーセージはこの次のお楽しみになりましたね。
      あれは美味しい。お薦めです。
      昼のランチに出てくる酒蔵カレーも美味しいですよ。

      田懸神社というのは知りませんでした。
      面白そうなところですね。
      ガイドブックに載っているような有名観光地だけでなく、地元の珍しい観光スポットを回れるのもRVパークの面白さかもしれません。
      特に,トレーラーの場合、ヘッドだけで周辺を探索できるのが強みですね。
       

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