キャンピングカーで楽しむ淡路島

 
 気に入った場所を見つけたら、そこが 「今夜のねぐら」 。
 
 先月、そんな喜楽なキャンピングカーの旅を重ねて、広島、徳島、淡路島と回ってきた。
 ふと気づくと、回った土地は、すべて “島” だった。
 そこで今回の旅行記は、“アイランドを回る旅” ということにした。

 実は淡路島は、最初は通過点の一つとしてしか考えていなかった。

 しかし、徳島の 「RVパークひなの里かつうら」 を見学して、神戸淡路鳴門自動車道を通り、そのまま本州へ渡るつもりだったが、淡路島の入り口 「淡路島南PA」 で休憩しているうちに気が変わった。

 夕方、駐車場のいちばん入り口に近い駐車スペースに陣取って、クルマの窓を全開にし、風を入れながら大鳴門橋や瀬戸内海を眺めているうちに、
 「この場所で、夜景でも見ながら、酒でも飲んだら最高だろうなぁ」
 と思ったのだ。

 日が暮れないうちに本州に戻ろうとした計画が、いともたやすく頓挫。
 もともと計画性がないうえに、誘惑に弱いという自分の 「地」 が出て、今宵は 「Stay In Car (車中泊) 淡路島」 を堪能することにした。

 陽が沈むまでに、まだ少し時間があった。
 さっそく、展望台に登って、周囲の景色を眺めた。


 
 瀬戸内海の風景をまじまじと眺めるのは、実ははじめてなのだ。
 陽が山の端に沈みかけているのに、なぜか明るい。
 「瀬戸内」 という言葉の響きのなかに、すでに 「明るさ」 が潜んでいる。
 先入観かもしれないが、波間に漂う陽光が、きらきらと真珠のごとく輝いているように感じられる。
 瀬戸内海は、古代から西日本の海洋交通の中心地として栄えた海。
 いわば、日本の 「地中海」 。

 地中海は、海上交易が栄えた国々によって独特の文化圏が形成された海である。
 ギリシャ、フェニキア、ローマ、ヴェネチア …
 そういう海は、みな明るい。
 「文明」 が、海を照らす灯台となるからだ。

 展望台から降りてくると、その途中に 「リフレッシュルーム」 という部屋があるのが見えた。

 「何があるのかな ? 」
 覗いてみると、マッサージチェアが3台用意されている。
 本棚にはコミックスが並べられていて、自由に読めるようになっている。
 最近のSA・PAのサービスの徹底ぶりには目を見張るものがある。

 「さぁて、飲むか」
 まだ辺りが明るいうちに、徳島で手に入れたのり佃煮を皿に盛ってベロベロ舐めながら、焼酎の緑茶割りをすすり始める。

 BGMは、夏の夕暮れにふさわしい、ちょっとけだるいAOR系 (脱力系 ? ) の歌謡曲。
 たとえば、ちあきなおみとか。
 これが、実にいい。
 この人、 “演歌・歌謡曲の大御所” というふうに認知されているけれど、ちょっとJAZZっぽいポップスを歌わせると、素晴らしい味が出る。
 
 で、ちなきなおみの 『時の流れに』 とか 『黄昏のビギン』 などを流しながら、売店で買ったツマミをサカナに、焼酎のお茶割りに酔いしれる。


 
 翌朝、道路補修工事のヘルメットを被った作業員たちの話し声で目が覚めた。隣に作業用の軽トラが止まっていて、荷台からカラーコーンを下ろしているところだった。

 「おはようございます」
 と、目の合った作業員に話しかける。

 「これ、キャンピングカーかね ? 」
 「ええ」
 「いいねぇ。こういうので泊まりながら旅しているわけ ? 」
 「まぁ … 」
 「今日はどこに行くの ? 」
 「まだ決めてないんですけど … 。淡路島観光のオススメは ? 」
 「そうだな。この先に 『うずしお』 という道の駅があるけど。そこなら景色がいいかな」

 というわけで、さっそく 「道の駅 うずしお」 とやらに行ってみることに。 
 地元の人に教えられるまま、臨機応変 (イージーに ?) に目的地を決められるのがキャンピングカー旅行の良いところ。
 車内で流す音楽も、ついでに 『Take It Easy』 。

 

 「道の駅 うずしお」
 普通、道の駅といえば、駐車場の隣に食堂や物産展が並んでいるものだが、この駅では、建物がすぐには見えない。駐車場から建物に行くには涼しい木陰に守られたプロムナードを歩くことになる。(別の道もあるが … ) 。
 

 
 プロムナードのゆるやかな坂道を登ると、まず見えてくるのが、「あわじ島バーガー」 を売る 「オニオンキッチン」 というショップ。
 ここで売られる 「オニオンビーフバーガー」 というのが、全国のご当地バーガーのグランプリを決めるフェスタに 「あわじ島バーガー」 として出品され、全国で2位になったのだとか。
 看板には、「全国2位の実力」 という言葉が誇らしげに踊っていた。

 ショップの横が物産コーナーで、その奥がレストラン。
 おおっ !! 眺め良し !!
 
 
▲ レストランの営業は9:00~16:00
 
 窓の外には、四国側に伸びていく巨大な大鳴戸橋。
 そして、橋の下には激しくのたうちまわる鳴門の潮流 ( … はレストランからは見えません) が、中華そばの丼に落とされたナルトの模様みたいに、ぐるぐると渦を巻いている。

 レストラン前の物産コーナーを見る。
 淡路島はまさに玉ねぎの産地だったのね !!
 「元祖玉ねぎドレッシング」 、「玉ねぎカレー」 など、玉ねぎの加工品が棚を埋め尽くしているではありませんか。
 
▼ 「淡路島金時カレー」、「淡路牛オニオンハヤシ」、「淡路島しらすカレー」 、「玉ねぎラーメン」 など、地元ならではのグルメが楽しめる物産コーナー

 淡路バーガーでお腹を整えて、さらなる周辺の探索に乗り出す。
 万が一ここでもう一泊するときのことを考えて、キャンプ場があるかどうか探してみた。キャンプ場なら電源も取れるし、自然環境に恵まれていることが多いので、気持ちもリラックスできる。

 ガイドブックを見ると、「淡路じゃのひれキャンプ場」 というのがある。
 ちょっくら覗いてみるベェ~か。


▲ 淡路じゃのひれオートキャンプ場 兵庫県南あわじ市阿万塩屋町2600 予約電話 0799-52-1487

 おお、立派な看板。
 こういうしっかりした看板を掲げているキャンプ場は、まず信頼できる。
 キャンプ場の入口に掲げられた看板は、そこの管理状態、経営状態などを示すバロメーター。
 この看板が 「いい雰囲気」 ならば、宿泊しても快適なことが多い。

 すごく広いフリーサイト !!
 宿泊用トレーラーハウスとして、エアストリームも設置されている。
 
 「 … 14日ですかぁ ? もうコテージの方はいっぱいで。キャンプサイトなら … 」
 と、管理棟の受付にいたオバさんは、次々とかかってくる予約電話の応対で忙しそう。
 その合間をぬって、
 「すみません。今後来るときの参考に、ちょっと場内を見学させてもらっていいですか ? 」
 と声かける。
 「どうぞ、どうぞ」

 区画サイトは12×12m。
 大型キャンピングカーでも楽々のサイズだ。
 全サイト電源付き。4月1日から11月30日までの料金は、1区画6,500円。
 
 管理棟に戻って、挨拶して出ようとしたとき、お風呂のパンフレットが目にとまった。

 「温泉 ゆーぷる」

 温泉 … いいねぇ !! 昨晩はシャワーも浴びずに寝たから、今日は旅の汗を流すか。
 と意気込んで、ナビの誘導を頼りに、坂道を登って丘の上に出ると、なんとも “今風温泉” というか、近代的な建物が … 。

 入浴料は、大人600円。
 明るいロビーには、軽食コーナーもあり、マッサージ室もある。
 ちらりと入浴時間を確かめると、平日は22:30まで。土日祝は、24:00までとある。
 繁華街のスーパー銭湯でもないのに、深夜に近い時間帯まで入浴できるというのは、なかなか貴重な温泉かもしれない。

 露天風呂には、なんと入浴しながら心身も鍛えられるスポーツジムのような設備が整っていて、ウォータースライダーまである。
 運動しながら、温泉も楽しめるという欲張ったお風呂だった。


▲ 「ゆーぷる」 兵庫県南あわじ市北阿万筒井1509-1 (文化体育館 『元気の森ホール』 ) の向かい。電話0799-50-5126。定休日 = 8月を除く毎月第3木曜日

 「ゆーぷる」 の坂道をくだってまっすぐ進むと、もうそこは福良港だ。
 観光パンフレットによると、
 「鳴門海峡から入り込んだ福良湾内になる天然の良港」
 とのこと。
 「漁港として栄えるほか、貨物港としても重要な役目を担っている」 とも書かれている。

 

 遊覧船乗り場の前に設けられたロータリーの駐車場にひとまずクルマを止める。
 カメラを首からぶら下げて、周辺の探索。
 お、足湯があるじゃございませんか。
 
▼ 足湯 「うずのゆ」

 足湯コーナーを通って桟橋の方に回ると、ちょうどでっかい遊覧船が近寄ってくるところであった。

 「日本丸」 と呼ばれる帆船の形を模した遊覧船。
 これに乗れば、あの有名な鳴門と渦をたっぷり見学できるというわけだ。
 通常は1日6便。観光客が多いときは、この 「日本丸」 と、その姉妹船である 「咸臨丸」 の2隻を動員して、1日12便。料金は大人2,000円/子供1,000円。

 桟橋の隣には、赤錆色をした不思議な建物が … 。
 「なんだろう ? 」
 と思って入ったが、今ひとつ建物が用途が分からず。
 屋上 (写真下 左) に出てしまったが、そこにも結局何もない。

 階段を降りてきたときに出会った職員さんに尋ねると、
 「津波防災ステーション = うずまる」
 という建物なのだそうだ。
 
 防災ステーション。
 つまり、津波の恐ろしさや、その対策などをアニメで教えたりする施設とのこと。
 さらには、この福良港が津波に襲われたときは、この施設自体が避難所になるとも。
 2011年 3・11の大震災がきっかけで造られたものかと思ったら、1995年の阪神淡路大震災の教訓を生かすために造られたものだという。
 開館時間は、10:00~16:00。入館料は無料。月曜休館。

 さて、ここらで昼飯でも。

 遊覧船ターミナルのロータリーの一画に数軒の土産物さんが並んでいるのが見える。

 そのいちばん端にあった店をふらりと覗くと、
 「海鮮丼 1,200円」 という看板が。

 そこがあの有名な ( …と後で知ったが ) 「山武水産」 とはつゆ知らず、日よけパラソルの下で、のんきに海鮮丼ができるのを待つ。
 で、やってきたのが、この海鮮丼 (↓) 。


▲ 「山武水産」 兵庫県南あわじ市福良港 ジョイポート南淡路駐車場内 電話:0799-52-2417 営業時間 9:00~17:00

 わぁおー、こりゃメッチャうまいでよぉ~ !!
 なんなの ? この具の新鮮さと味の良さ …
 聞けば、わざわざこのお店の丼物や焼き物を食べるために、遠く関西、山陽などからドライブしてくる人も多いとか。

 食べ終わってから、店頭で売っていたチリメンジャコも、ちょいと試食。
 これもうまかったので、1升だけ買ってクルマに戻る。
 今晩の車中泊のツマミは、このチリメンジャコだ。

 南淡路の観光をいろいろ楽しんでいるうちに、ジリジリと中天を焦がしていた夏の太陽も少しずつ西に傾き、風に涼しさが宿るようになる。

▼ 一般道はみな絶好のシーサイドドライブコース

 
 夕暮れ前に、淡路島の北端に位置する 「淡路SA」 に到着。

 おお !! 目の前に明石海峡大橋。
 橋というのは、やはり海峡の光景を際立たせる力がある。

 “異国への入口”

 そんな感じで、旅人の旅情をかきたてるのが、海峡を渡る橋だ。
 だから、カメラを持った旅人は、みな橋を背に記念写真を撮りたがる。

▼ 店内のフードコーナーの眺めもよし

▼ 淡路SA内になるレストラン 「ロイヤル」 で、冷やし白玉ぜんざいを食べる

▼ 淡路SA内を闊歩するおネコ様。食料事情が良いのか、いい毛並みである

 
 橋を超えると、旅も終わる。
 “異国への入口” は、私にとっては日常への回帰でもあったのだな。
 やれやれ、明日からまた仕事か。
 また来るぜ、淡路島 !!
 
 

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キャンピングカーで楽しむ淡路島 への8件のコメント

  1. guchi3 より:

    町田さん、いい旅されてますね‼
    淡路島は関西人のアウトドアのメッカですよ。
    景色はいいし、食べ物はおいしいし、最高の場所です!
    私の自宅からでも2時間ほどで行けて、「今日はすることもないし天気もいいので、ちょっと行きますか・・・・」みたいな感じでお出かけできます。
    じゃのひれオートキャンプ場行かれましたか。私も今年の3月にお邪魔しました。
    キャンピングカーが車検中だったので、乗用車で行きコテージに一泊し、芝生のフリーサイトでキャンピングカーで来ている友人とワイワイやってきました。
    淡路島の中でも最も予約がとりにくい、人気のオートキャンプ場です。
    確か海の方にイルカと触れ合える施設があったような・・・?

    • 町田 より:

      guchi3 さん、ようこそ
      >>「景色はいいし、食べ物はおいしい」
      まさに、そのとおりでした !!
      こんな場所が自宅から2時間圏内にあるguchi3 さんがうらやましい。
      「じゃのひれキャンプ場」 は雰囲気のいいところですね。
      なにしろ、見渡すかぎり、目のさめるような芝生のグリーン。
      これは、コンクリートの駐車場で車中泊するのとは、やはり違ったキャンピングカー旅行のだいご味ですね。
      現地で手に入れた観光パンフレットには、まだまだ面白そうなところがたくさんありましたが、やはり1日では回りきれませんでした。
      今度は、guchi3 さんの案内で回ってみたくなりました。
      そのときは、よろしく。
       

      • guchi3 より:

        ぜひご一緒しましょう!
        潮風に吹かれでギターを弾いたら、最高に気持ちいいでしょうね‼

        • 町田 より:

          guchi3 さん、ようこそ

          ああ、いいですねぇ !
          ここのところギターも弾いていないので、指が動きません。
          でも、そろそろ練習を再開してもいいかと思いました。
           

  2. クボトモ より:

    町田さんこんにちは。
    淡路島の様子を最後まで楽しく拝読しました。
    特に、冒頭の「Stay In Car 淡路島」の印象が強く刻まれました。
    風の向くまま気の向くまま。
    「今夜はこの景色を見ながら一杯やりたいナ♪」
    キャンカーの良さはまさにこんな旅ができることですね。

    • 町田 より:

      クボトモさん、ようこそ
      コメントありがとうございます。
      淡路島はなかなか素敵なところでした。
      生まれて始めて訪れた地なのですが、キャンピングカーがなかったら、ここで1日滞在しようとは思いませんでした。
      面白そうなところを回りながら、その場で観光地図や観光パンフレットを手に入れ、それを車内のテーブルに広げて、じっくり次の計画を練る。
      疲れたらそのままベッドに身体を倒して、仮眠。
      そんな旅が可能になるのも、キャンピングカーならではですね。
       

  3. マーチー より:

    町田さん こんにちは(^0_0^)
    キャンピングカーで楽しむ淡路島、楽しく拝読させていただきました。
    「わかる」「わかる」「そーそー」と一人でニヤケながら読ませていただきました。
    実は私達夫婦も、淡路島が好きでキャンピングカーで何度も遊びに出かけていましたが、あまりに好き過ぎてとうとう淡路島に老後に永住しようと思い土地を購入してしまったくらいです。
    土地はあってもまだ“道の駅あわじ”で車中泊ですが、何度訪ねても飽きない所です。
    いつか、道の駅で会う事があるかも知れませんね。
    その時はヨロシクです。

    • 町田 より:

      マーチーさん、ようこそ
      淡路島旅行の大ベテランの方から、そのような過大なご評価をいただくと、かえって赤面してしまいます。
       
      それにしても、土地まで購入されたというのは、よほど愛着を感じられたのですね。

      私も、淡路島にははじめて行ったにもかかわらず、「何度でも来たくなる !! 」 ような素敵な場所に感じられました。
      キャンプ場もあり、道の駅あり、温泉あり、観光遊覧船があり、風光明媚な海峡の風景があり、グルメスポットも豊富。
      異なる楽しみ方を与えてくれる個性的な観光スポットがあちこちにあるのに、それぞれを結ぶ移動距離が短い。
      キャンピングカーで回るには理想的な場所ですね。

      もし道の駅などでお会いできたら、そのときはこちらこそよろしくお願い申し上げます。
       

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