RVパークひなの里かつうら (徳島県)

※ 本データは2013年7月現在のものです
  
 
 「ひなの里かつうら」 は、四国ではじめてのRVパークとなる。日本RV協会が認定したものとしては第4号目。2013年7月末現在、日本全国では10ヵ所のRVパークが誕生していることを考えると、名乗りを上げたのは比較的早い方になる。

 今回、その 「RVパークひなの里かつうら」 を取材するために四国に渡った。
 実は、キャンピングカーで四国を訪れるのははじめて。30年ほど前、乗用車で四国を回ったことはあるが、そのときはRVパークなるものも存在せず、もちろん 「道の駅」 すらなかった。

 夜、瀬戸中央自動車道を通って四国に渡ったとき、さすがに胸が高まった。
 途中、与島PAに降りて、夜の瀬戸内海を眺めた。
 湿気を含んだ夏の海風も、どこか甘く感じられ、自分の住んでいる関東とは異なる南国の空気を吸ったように思えた。
 
 
 
 途中のSA、PAで休憩・仮眠を取りながら、ひたすら南下。
 明け方、県道・徳島上那賀線沿いに、ようやく 「道の駅 ひなの里かつうら」 の案内板を遠望した。

 広い駐車場には、観光客のクルマはまだ見えず、産直市場の 「よってネ市」 に農産物を搬入する地元の農家のクルマだけがせわしそうに出入りしていた。

 開いたばかりの 「よってネ市」 を見学する。
 すでに地元の人たちが買い物カゴを下げて、採れたての新鮮な野菜類、果物、肉類、魚類を買い込んでいる。道の駅の産直市がみなそうであるように、ここでも完全に地元民の “スーパーマーケット” になっているようだ。本格的な調理機能を持つキャンピングカーに乗っている人なら、これだけ新鮮な野菜類に手を出さない人はいないと思えた。


  
 レストランや案内所が開く9時まで、付近を散歩したり、クルマのなかでラジオのニュースを聞いたりして時間を過ごす。
 なにしろ、道の駅の真ん前がガソリンスタンド。そこから50~60m歩けば、24時間営業のコンビニ (サンクス) 。
 ガソリンがからっけつの状態でも、ここまでたどり着けば給油もできるし、深夜でも食材・おやつ・飲料が手に入るというわけだ。立地条件としては理想的である。

▼ 道路を隔てた目にはガソリンスタンド。50m歩けばコンビニ
 
 
 9時になったので、レストラン・事務所のある土産物コーナーを覗く。
 「すみませ~ん ! RVパークのことで少々うかがいたいことがあるのですが … 」
 と声かけると、奥から笑顔の爽やかな青年が登場。
 観光情報・広報関係を担当する大友和紀さんだった。
 
 
 
 「RVパークのエリアはどこでしょう ? 」
 建物の見える表側の駐車場には、どこにもRVパークらしい場所が確認できなかったからだ。

 案内してもらったのが、下の写真のところ。
 「駐車禁止」 と黄色いペンキで描かれたその奥に、RVパーク用の電源 (写真右) を確保したスペースが2台分用意されていた。

 なるほど。
 ここなら、幹線道路から隔離されているので安心して眠れるし、しかも前が田んぼなので、昼も夜も静かだ。
 「ただ、入り口の頭上を、左右の建物の屋根がふさぐような形で出ているため、高さ2.9mを超える車両はルーフをぶつける可能性がある」
 とのこと。
 バンコンや軽キャンピングカー、キャブコンでも背の低いものなら大丈夫。大型輸入車は難しいとも。
 
 
 
 幸い、私のキャブコンは、全高2.72mだったので、難なくクリア。
 3mぐらいまでの車両なら、係員の誘導に従えば問題なく通過できるという。
 あきらかに無理と分かる車両の場合は、すぐ横の大型車両スペース (3台分) に案内するのでまったく問題ないとか。
 
 大友さんに、この施設の物産品の特徴、近辺の観光スポットなどを教えてもらった。
 
 
 
 「この勝浦市はみかんの産地として有名なので、町おこしも兼ねて、みかんの加工品を地元の名産品としてたくさん用意しています」
 との返事。

▼ このエリア限定のオリジナル商品

 土産物のコーナーを見ると、確かに、ある ! ある !  
 まず、おいしそうなジュース。みかんキャラメル、みかんドーナツ。
 みかんの寒天、みかんのドレッシング。


 
 ほかには、関西の料亭にも出荷しているという香草の野蒜 (のびる) が有名。
 玉ねぎにも似た香りと辛味があり、生食のほか、味噌汁の具としても珍重されるのだそうだ。
 名物は、それを原材料とした 「勝浦産十割ドレッシング」 。
 生野菜などに振りかけると、独特の香りとピリ辛の味わいが食欲を倍増させるという。

 食堂を案内してもらった。
 柑橘類の名産品が多いことにちなんだのか、店名は 「オレンジ」 。
 
 
 
 おすすめ料理はいろいろあるが、評判がいいのは 「道の駅ランチ」 (写真下 600円) 。
 これは、勝浦産の新鮮な野菜をふんだんに使ったベジタリアンにはたまらないメニューを揃えた自慢料理。

 この地で採れる天然の鮎を使った 「鮎定食」 も評判とのこと。
 なんでもその昔、まだこの地が徳島藩といわれていた頃、藩主であった蜂須賀公がここを訪れたときに食べた鮎があまりにもおいしくて、鮎に 「立川 (たずかわ) 太郎」 という名前まで与えたそうな。
 そのおいしい鮎を、さらに当時のままの焼き加減でたんねんに調理した鮎定食は、ここを訪れた観光客の喜ぶ人気メニューとなっている。

▼ これも人気メニューのひとつ。立派な頭付きのエビが2本もつくエビフライ定食

 この 「ひなの里かつうら」 のグルメコースで、もうひとつ見逃せないのが、レストランの隣にある 「手打ちうどんの 『みやこ家』 」 。
 

 入り口からして、いかにも店主のこだわりを感じさせる店構えではないか。
 「釜揚げうどん、釜玉うどん 300円」
 「天ぷらうどん、肉うどん 500円」
 「天ぷら各種 120円~」
 あら !
 お値段は、またずいぶんリーズナブル。

 では、さっそく食してみることに。
 とり天うどんに、かき揚げと、いか天をサイドメニューとして追加。


 
 うまい !
 日頃関東で食べているうどんは、みな柔らかくて、簡単に歯で食いちぎれてしまうのに、ここのうどんはしっかりした噛みごたえがあって、しかも舌の上で得も言われぬふくよかなうどん粉の味わいが広がる絶品。

 店主の宮本昌之さんに聞くと、なんと130種類の小麦粉をいろいろと混ぜ合わせて研究し、「これだ ! 」 と思える3種類の小麦粉を厳選して、それをブレンドした独自のうどんを開発したのだとか。

 宮本さんは、もともとこの地のお生まれだそうだが、うどんの本場である讃岐で修行を重ね、その成果を見極めるために、故郷に戻って自分の店を開いたという。

【町田】 顔写真をいただいていいですか ?
【宮本】 え !? 私の顔を撮るんですか ?
【町田】 “いかにも頑固一徹の職人” といった表情でお願いします。
【宮本】 むずかしいなぁ … (笑)

 … で、表情を作っていただいたのが、左の写真。
 でも、照れて、すぐ笑ってしまったのが、右の写真。

 宮本様、ごちそうさまでした。
 おいしかった。
 また来ます。

 さて、それでは周辺の観光に。
 広報担当の大友さんに教えてもらったのが、四国では有名な八十八ヵ所霊場めぐりのひとつ 「鶴林寺」 。

 「この鶴林寺というのは、八十八ヵ所霊場のなかでも “三難所” のひとつと言われているところで、いかにも修験者でなければ通れないようなところなんです」
 と大友さん。
 「え、そんなところ、キャンピングカーで行けるのですか ! 」
 「大丈夫ですよ。2m幅ぐらいのキャブコンなら問題ないです。大型観光バスなども入っていく道ですから」

 … それが果たして “三難所” なのか ?
 疑心暗鬼のまま行ってみることに。

 道の駅を出て左に行くと、もうそこにはすぐ 「鶴林寺」 への道を示す案内板があった。

 しばらくは、のんびりした田舎道を走る。
 が、だんだん勾配がきつくなり、それと同時に道幅がどんどん狭くなっていく。
 周囲の木々の緑が深くなり、高度が上がるごとに、霊場っぽい気配もぐんぐん高まっていく。

 う~ん …… 。確かに、三難所かも。
 途中、大きな対向車が来ると逃げ場がないな … と思えるところを何度か通りぬけ、ようやくわずかに開けた場所に出た。
 駐車場である。

 ドアを開けると、もう空気が涼しい。
 標高570m。
 高度もあり、かつ鬱蒼とした木々の隙間を通るあいだに、風が冷やされるからだろう。
 しんと静まり返った小道を歩いて行くと、いきなり時代劇に出てきそうな山門。
 
 
  
 「ここから先は、俗世間を離れた仏道の世界なり」
 とでも言わんばかりの超俗とした風情の門の前で、よこしまな欲に溺れた生活しか知らない私などは、門を通るだけで風塵となって消えそうな気分になった。


 
 勇気を出して、山門をくぐると、そこはNHKの大晦日番組 「行く年来る年」 で、ゴーンと鐘を鳴らすお寺のような、厳粛かつ静寂に満ちた別天地。すれ違うお遍路さんも、みな煩悩をきれいに払い落としたのか、さっぱりした顔で山を降りてくる。

 お、鶴だ !
 さすが鶴林寺。
 ツルリンと滑りそうな名前だが、このお寺の呼名はカクリンジ。


 
 キャブコンで登るには、ちょっとシンドイ道ではあったが、おかげで、山頂の木漏れ日を浴びているうちに、俗世間のアカをきれいさっぱりとこすり落とした気分になった。
 
 が、帰り道、いちばん懸念していたことに遭遇した。
 ちょうどクルマ一台が通れるかどうかという細くなった道の途中で、観光バスに遭遇してしまったのだ。
 運転手は、コーナーいっぱいにバスを止めたまま、ピクリとも動く気配がない。
 「やれやれ、こっちがバックするのかよ」

 バックアイカメラだけを頼りに、退避場所まで延々20mほどバックする。
 ガードレールなどまったくない道だから、ハンドル操作を誤ると、谷底にまっしぐら。
 この日は猛暑日だったから、おかげさまでかなり涼しい気分を味わうことができた。

 山を降りて、再び俗世間の快楽を求める旅にきりかえる。
 「俗世間の快楽」
 やっぱりそれは温泉でしょ !
 
 「RVパークひなの里かつうら」 の大友さんの話によると、いちばん近い温泉は、1.7kmほど走ったところにある 「喜楽の湯」 だという。
 ただし、これは 「清流苑」 という老人介護施設内にある温泉なので、立ち寄り湯として開放されるのは、夕方5時半からだとか。

▼ 「喜楽の湯」 がある清流苑

 泉質はすごくいいので、近所でも評判。観光客の評価も高い温泉らしいのだが、残念、まだ入れる時間帯にはずいぶん間がある。
 そこで、RVパークから30分ほど走ったところにある隣町 (上勝町) の 「月ケ谷温泉」 まで足を伸ばすことにした。


 
 ここには 「月の宿」 という温泉旅館があり、宿泊のほか、食事、カラオケなども楽しめるようになっている。バンガロー付きのキャンプ場もあるので、キャンピングカー旅行の場合はそちらに泊まることも可能。
 今回は、立ち寄り湯を使わせてもらうことに。
 入浴料は、大人500円。
 利用時間は、10:00~20:00。定休日は毎月第2水曜日 (電話 0885-46-0203)

▼ 食堂などはなかなか景色よし。この日は地元のお爺ちゃんお婆ちゃんの会合があったらしく、食堂も宴会場も大盛況だった

 「月ケ谷温泉」 のお湯は、宿から3kmほど離れたところに湧く湯量豊かな温泉をパイプラインで運んでくるとのこと。
 それを環境に優しい木質バイオマス・チップボイラーで加熱し、人体に最も心地よい温度設定にしてお客に供給している … というのが支配人の鶴代修一さんの話。
 

 実際にお風呂に入ってみると、まぁ、これがなんとも絶妙の湯加減。
 川から吹き上げてくる涼風が、火照った身体を心地よく冷やしてくれて、得も言われぬ心地よさ。
 「俺にはやはり俗世間の快楽の方が合っているな」
 と、妙に感心しつつ、はじめての四国のキャンピングカー旅行を堪能したのでありました。
 
 
 なお、「RVパークひなの里かつうら」 のレポートとしては、さらに写真も詳しく、面白いものとして、「オートキャンパー」 誌の4コマ漫画でおなじみのさいばしんさんのブログ記事があります。
(↓)
http://cyberforest55.blog37.fc2.com/blog-entry-534.html 

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RVパークひなの里かつうらデータ

住所 徳島県勝浦郡勝浦町大字生名字月ノ瀬4番地1
お問い合わせ・申込み TEL:0885-44-0112 (平日9:00~18:00)
URL http://www.skr.mlit.go.jp/road/rstation/station/katuurab.html
料金 1泊:2,000円 ※途中出入り可
チェックイン 13:00~18:00
チェックアウト 10:00
電気使用料 利用料金に含まれる。
予約 原則不要。ただし、事前に予約を入れればスペースを確保しておくことも可能。
台数 2台(RVパーク専用スペースへの入り口が狭くなっており、高さ2.9mを超える車両は道の駅大型車両スペースでの利用となる)
ゴミ処理 有償での受付を現在検討中。現在は、ゴミは持ち帰り
  
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