終電が行って、ボビーの歌を聞く

 
 会社の裏を、私鉄が通っている。
 0時14分が、近くの駅に止まる最終電車が去っていく時間である。

 電車が踏切を通過するときの “カンカンカン” という警報が鳴り終わると、周囲には一気に静寂が広がる。
 見事なくらいの「沈黙」が辺りを領する。
 
 さて、お湯を沸かして、インスタントコーヒーを一杯。

 パソコンのモニターをYOU TUBEに切り替え、音楽を聴きながら、しばしの休憩。
 1970年代のボビー・ウーマックの歌が流れる。

 けっきょく、この時代の歌が、最終的には自分の “癒し” になる。
 特に、ボビー・ウーマックの歌はいい。

 あの時代、マービン・ゲイやスティービー・ワンダー、ダイアナ・ロスといったモータウン系の巨匠たちに混じって、スタイリスティックス、デルズ、デルフォニックス、マンハッタンズというフィリー系のコーラス・グループが “ソウル・ミュージック” という一大音楽ジャンルを極めたが、いま聞くと、ボビー・ウーマックの渋さがますます光ってくる感じだ。
 
 このオジサン。
 ド近眼なのか、いつもぶ厚いメガネをかけて、ビジュアル的にあまり気を配っている様子がない。
 70年代中頃のディスコ全盛の時代にも、時代に媚びる音楽をやる様子もなく、だから日本での知名度もいまひとつ。


  
 だけど、ミディアムテンポのリズムに歌を乗せたとき、これだけ人の心をとろけさせる “ノリ” を生み出す人は、当時も、そしてもちろん今も、ちょっといないのではないか。

 “たゆたう” という実に豊かな情感を伝える日本語があるけれど、こういう言葉の響きにぴったり合う歌を探すとなると、自分の場合は、一にも二にも、ボビー・ウーマックの歌が心に浮かぶ。

 では、自分の好きなボビーの曲を3連発。

▼ I don’t Wanna Be Hurt By ya Love Again

▼ You’re Messing Up A Good Thing

▼ I can understand it

 極めつけは、やっぱり、これだな。
 映画『110番街交差点』(1972年)で使われたテーマ曲。
 アイザック・ヘイズの『黒いジャガー』、カーティス・メイフィールドの 『スーパー・フライ』と並ぶブラックシネマの傑作テーマ曲の一つ。
 クエンティン・タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』(1997年)のメインテーマ曲としても使われたから、そこで聞いている人なら多いかも。

▼ Across 110th Street

 自分は、このボビー・ウーマックの全盛時代のステージを、ロサンゼルスで見ている。
 オージェイズとのジョイント・コンサートだったけれど、ヒット曲を次から次へと精力的にかましていくオージェイズに比べ、ボビーのステージは、かなりリラックスしたアットホームな雰囲気だった。
 
 歌よりも “語り” の方が多い。
 とろとろと流れるバンドの演奏に合わせ、聴衆との言葉のやり取りを通じて、じわじわっと場を盛り上げていくというやり方。
 言葉はよく分からなかったけれど、
 … なるほど。これが本場のライブなんだな …
と、妙に楽しかった。

 さて、ボビーの歌で元気をつけて、あとまた明け方までコーヒーと栄養ドリンクをひっかけて一仕事。
 もう締め切りを過ぎて、多くのデータは入稿済みだというのに、駆け込みで掲載希望の車が3台入ってきた。
 ページ割やノンブルの打ち替えも出るけれど、うれしいよね。
こうなったら入れるしかないっしょ。
 あとチョイだものね。
 
 
 関連記事 「ロスのSOULコンサート」

 参考記事 「アフロエアの少女」
 
 

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終電が行って、ボビーの歌を聞く への4件のコメント

  1. 冨田みな子 より:

    はじめまして^_^
    ちょうど一年前、六本木のビルボードで聴いたボビー・ウーマックの声はまだまだ現役でした。
    うちの旦那様は40年、ソウルミュージックの店を営んでいます(長っ^_^)
    ボビー・ウーマックのレコードが一番多いそうです。

    音楽絡みではない、ちょっとしたことわざ?と言えるかどうか?
    言葉を検索していたら、たどり着きました。
    そしたらソウルミュージックのことを色々書かれていたので、
    お邪魔ついでに読ませて頂きました。
    また、ちょくちょくお邪魔させて頂きます。
    よろしくお願いします。

    • 町田 より:

      >冨田みな子さん、ようこそ
      こちらこそ、はじめまして。
      ボビー・ウーマック健在でしたか !
      うれしいな。

      ご主人がSOUL ミュージックのお店を営んでいらっしゃるとのこと。
      時間ができたときに、ぜひお邪魔させていただきたく存じまず。
      吉岡正晴さんの 「ソウル・サーチン」 に冨田さんという方のお名前が出てきますが、もしかしたら、そちらの方ですか?

      私もSOUL好きですけど、ほぼ70年代の初期で終わっています。
      あの頃の曲が今でもとても好きなのは、自分が20代前半で、懐メロ的ななつかしさがあるせいか…などとも思っていたのですが、YOU TUBEであの時代の音を拾いまくっていると、自分がまったく聞いたこともない曲が出てきたりしても、やっぱり 「いいなぁ…」 と思ってしまいます。
      たぶん、サウンド、アレンジ、曲調など全般的に、「あの時代のああいう音」 が好きなんでしょうね。

      基本的には、素人です。
      いろいろご指導ください。
       

      • 冨田みな子 より:

        町田さま
        お返事ありがとうございますm(_ _)m
        はい、吉岡さんの「ソウル・サーチン」に出てくる冨田です。
        70年代ソウルは当時、新譜でかけていました^_^
        昔はブラックライトのある、それらしい感じの店でしたが、
        今はソウル・フードの店です。
        私は詳しくないのですが、マスターはかなり詳しいかも?
        でも、歳のせいか名前が出て来ないことも多いです。
        お近くにいらした時は是非ともお立ち寄り下さい。

        • 町田 より:

          >冨田みな子さん、ようこそ
          返信に対するご丁寧な “返信” 、ありがとうございます。
          やはり、吉岡さんのブログなどによく登場される冨田さんでいらっしゃいましたか。

          … となると、おいしいおでんを作られる奥様、ということになりますね。
          ここしばらく仕事が詰まって身動きがとれませんが、一段落したら、お店の方もお訪ねしたいと思います。
           

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