あ・ら・伊達な道の駅

  
 11月末、所要で仙台を訪れた。
 用を終え、多少時間が余ったので、東北地方の 「道の駅」 ではいちばん人気の高い 「あ・ら・伊達な道の駅」 を見に行くことにした。
 

 「あ・ら・伊達な道の駅」
 … どういう意味なのだろう ? このネーミング。
 
 「伊達」 とは、もちろん戦国時代の東北でいちばんのヒーローだった伊達政宗の苗字だが、政宗が絢爛たる文物を好んだゆえ、 “ダテ” という言葉自体が 「粋」 、「お洒落」 という意味を持つ。
 
 ということは、
 「あら! お洒落な道の駅!」
 というような意味を込めたネーミングなのだろう。
 

 
 実際にたどり着いてみて、「お洒落か ? 」 と問われると、ちょっと口ごもる。
 最近は、新東名のSA・PAみたいに、ドライバーの休憩施設に “革命” が起こりつつある。
 そういう最新の施設の持つオシャレ感を求めても、すでに開設してから11年という歳月を経た 「あ・ら伊達」 には、それがない。
 それでも11年前だったら、お洒落度では先端を行っていたのだろうな … という感じは伝わってくる。
 

 
 なんといっても、エントランスに入ると、すぐに待ち構えている多目的ホールの構造が面白い。ホールの周囲をぐるりと回っている通路が、なんとゆるい螺旋 (スパイラル) 状になっていて、歩いているうちに、いつの間にか自分の視線がどんどん高くなっていくのだ。
 
 
 
 最上階まで行くと、屋上。
 そこから周囲を眺めると、広々とした農村風景が広がっていて癒される。
 着いた時は、すでに日没。
 1年のうちで、いちばん昼が短い冬至まで、すでに 1ヶ月を切っているため、午後 4時を過ぎたばかりだというのに、もう周りは夕暮れの光に包まれていた。
 

 
 スパイラルホールの1Fには、伊達政宗が着ていた鎧のレプリカが飾られていた。その周りを囲む鎧は、きっと政宗の側近の武者たちが着ていたものかもしれない。
 … というと、片倉小十郎とか伊達成実とかかしら。
 昔、KOEIの 『信長の野望』 でずいぶん遊んだから、そういう名前だけはスッと出てくる。 


 
 そもそも、この道の駅に、なんで “伊達” の名が付くのか ?
 資料によると、このへん一体は旧岩出山町といわれ、伊達政宗が青春期にここで過ごしたからだという。
 そういわれてみると、なんとなく周りの風景にも、戦国大名となる人間をはぐくむ風土の匂いが感じられてくる。
 
 やっぱり戦国武将のブランドは強い。
 新潟では上杉謙信、山梨では武田信玄。
 名古屋ならば、三河では徳川家康。尾張なら織田信長に豊臣秀吉。
 西国にいけば、中国の毛利、四国の長宗我部。
 九州なら薩摩の島津。
 それに東北の伊達政宗を加えたところぐらいまでが、戦国の一流ブランド。
 大河ドラマの主役を張れるのも、だいたいこのへんまで。
 
 で、この 「あ・ら・伊達な道の駅」 というのは、東北を代表する 「伊達ブランド」 の広報宣伝基地のような場所であるようだ。

▼ 酒やウィスキーにも、「伊達」 ブランドが登場
 
  
 “あ・ら・伊達” の人気の秘密は何なのだろう ?
 なにしろ、東北の道の駅の公式マガジン 『michi-co (みち・コ) 』 が行ったアンケート調査によると、なんとここが 「利用者の選んだ “東北の好きな道の駅” 上位30駅」 のトップに輝いているのだ。
 施設内に温泉があるわけでもなく、テーマパークのようなものが造られているわけでもないのに、とにかくここには人が集まる。
 
 ひとつ言えそうなことは、まず地の利。
 宮城と山形を結ぶ国道47号線沿いにあるというのが、強みなのかもしれない。
 温泉ならば、鬼首温泉や鳴子温泉。また山形県の赤倉温泉および瀬見温泉などに出るには、この道を通る。
 さらには、紅葉の名所である鳴子峡、リゾートパークオニコウベスキー場や上野々スキー場なども、ここから行きやすい。
 そういった観光コースの中継点のような位置にあるのが、この道の駅の集客を高めている理由の一つだろう。
 
 もう一つの理由があるとすれば、利用客の気持ちに沿ったサービスの数々。
 まず、農産物直売所 (写真下) の品数の豊富さが目に付く。
 地元の生産者が作った季節の野菜が中心となるが、どの品も、見るからに新鮮。
 晩秋のウイークディなので、観光客らしい人の姿は見かけなかったが、仕事を終えた地元の人たちが、この農産物直売店で買い物をして帰るという感じだ。
 
  
  
 レストランのメニューも、ひと工夫されている。
 たとえば、カレーバイキング。
 そのルーが 6種類。
 野菜カレー、貝のカレー、ポークカレー、トマトカレー、お子様カレー、それとハヤシのルーがある。
 
 
 
 お土産で人気なのは、ロイズのチョコレート。
 旧岩出山町が北海道・当別町と姉妹都市になっているため、当別町のロイズ製品が土産物コーナーで売られているという。 
 その他、「利休」 の牛たん製品、笹かまぼこ、ゆべし、ずんだ、草餅など、宮城の名産品はひと通り売られている。
 
 
 
 こうしてみると、「あ・ら・伊達な道の駅」 の人気は、その管理者たちのキメ細かい営業努力に負っていることが分かってくる。
 道の駅も、全国でもうじき1,000ヵ所になる。
 これからは、創意工夫を凝らして利用客へのサービスを緻密に展開する道の駅と、そうでない道の駅の格差みたいなものが広がっていくかもしれない。

 「あ・ら・伊達」 の見学を終えて、仙台の中心街まで戻った。
 夕食は、牛たん定食。
 ここまで来たら、牛たん焼きを食わずに帰られようか。


 
 仙台が “牛たんの町” になったのはいつ頃からなんだろう ?
 聞くところによると、戦後しばらく経ってからだという。
 アメリカ軍が仙台にも進駐し、大量の牛肉を消費しているのを見たひとりの日本人の焼き鳥屋さんが、鶏の代わりに、牛たんを焼いてお客に出したのが始まりだとか。
  
 最初は、それほど人気のあるメニューではなかったが、他都市から仙台にやってきた単身の転勤族などが、夜の街で仙台牛たんの味を知り、じわじわと人気が広まっていったのだという ( ← これはWikiの情報) 。
 
 今や牛たん料理は全国的に食べられるようになったが、やはり、「仙台牛たん」 というブランドイメージがあるためか、この地で食べると格別にうまい (気がする) 。
 
 

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