韓国、どうしちゃったんだ?

 
 巷で話題になっている時事問題みたいなものは、あまりネタとして取り上げる気はないんだけど、ここのところ、李明博 (イ・ミョンバク) 大統領の竹島上陸以来、日韓関係がこじれてしまって、連日メディアが取り上げるのは、韓国の “反日運動” ばかり。

 で、テレビを見ていてはじめて知ったんだけど、韓国では 「独島 (竹島) は自国領だ」 という教育を子供たちが幼い時期から叩き込んで、独島をテーマにした小学唱歌のようなものまで歌わせているらしい。

 韓国に対する政治的・文化的偏見は持っていないつもりだけど、なんで、韓国政府はそこまで竹島にこだわるのか、正直、暗たんとした気持ちになる。

 海洋資源の問題とか、漁業権の問題とか、いろいろあるのかもしれないが、それ以上に、 “国民的アイデンティティ” をしっかり確立しておかないと国自体が瓦解しそうなほど大変な局面を迎えているのだろうと思う。

 すでに大いに話題になっていることだけれど、ここのところ、韓国の自殺率は日本を抜いて、OECD30ヵ国の中では世界でトップに立ったという。
 その原因については、様々な分析がなされているが、結局のところ、それだけ韓国は “ストレス社会” になってしまったということなのだろう。

 自殺者で多いのは、生活苦などから先の希望を失った高齢者が中心であるとのことだが、10歳から24歳ぐらいの青少年の自殺率も上昇カーブを描いているという。
 また、ネットなどによる非情な書き込みなどによって自殺に追い込まれる芸能人も後を絶たない。
 
 このような自殺率が過去最高を記録したのは、李明博 (イ・ミョンバク) 政権が発足してからのことである。今年の7月、韓国メディアは、それを 「国民の基本的な生活や安全に対する政策が十分に実行できていないからだ」 と分析したというが、大統領の竹島上陸というのは、そのような批判がこれからさらに高まることを予想して、その矛先をかわすという意図があったように思える。

 いくつかネットの情報を見てみたが、とにかく、いま韓国はとんでもないほどの競争社会の中に置かれているという。受験競争などは、日本でいちばん過酷だった時代のさらにその上を行っているのだとか。
 
 その背景には、ソウル大学、延世大学、高麗大学といった超エリート大学の卒業生にならない限り、サムスンやヒュンダイのような一流企業に就職することは不可能で、その一握りの 「勝ち組」 が、人生の勝利者とみなされる風潮が蔓延してきたからだ、といわれている。

 ここで、私は堤未果氏の書いた 『政府は必ず嘘をつく』 という本を思い出す。 
 堤氏はいう。
 「1990年代のアジア危機で、IMF介入を受け入れた韓国では、金融機関をはじめ国内の主要セクターが民営化され、多くの失業者と貧困層が生まれた。
 そのとき、韓国では企業による大量解雇を禁じる 『労働者保護法』 がIMFに撤廃させられ、国民の6割以上いた中流層がわずか3年で4割以下に激減した」

 IMFは、1944年に 「通貨と為替相場の安定」 を目的として世界銀行と共に設立された国際機関のことである。
 これは、一般的には、弱い国を救う赤十字のような機関だと思われがちだが、堤氏にいわせると、その目的は、地球規模の自由貿易推進で、ゲームのルールはアメリカ中心のグローバル企業に有利なようにできている、という。

 このIMF介入後、韓国企業の体質はがらりと変わった。
 一言でいえば、 “アメリカ型” になった。
 事実、韓国を “代表する” といわれる大企業のサムスンの株式は、米国投資家たちのような外国人が49%を保有。ヒュンダイ自動車は40%、韓国金融グループも外人持ち株比率が60%などといわれ、事実上、それらの企業の最終利益はアメリカの株主たちに吸収されるようになってしまったとか。

 こうなると、外国人株主たちの利益最大を確保することが、大企業の大命題となり、そのため従業員は賃金カットを余儀なくされ、輸出競争に打ち克つためのウォン安政策が輸入品の高騰を招き、国内経済は疲弊する。
 サムスン、ヒュンダイなどの経営陣は、高額所得を確保する一方、一般庶民との経済格差はますます広がる。

 そのような経済政策をより鮮明に打ち出したのが、今の李明博 (イ・ミョンバク) 政権であるわけだから、李大統領とすれば、なんとか庶民の怒りの矛先を日本に向けるしかなかったのだろう。

 今の韓国で広まっている “反日行動” は、このような李大統領の責任転嫁と、貧富の拡大や競争の激化によって韓国人が抱えざるを得なくなったストレスによるいらだちの両方がタイミングよく合わさったものかもしれない。
 

 参考記事 「政府は必ず嘘をつく」
 
 

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