猫男との対談

【町田】 今日は対談なんだけどさ、お前、誰?
【……】 知らねぇよ、名前つけろよ。

【町田】 「猫男」 でいい?
【猫男】 どうぞご勝手に。だけど何て読むの? 「ねこお」? 「ねこおとこ」?

【町田】 「びょうだん」
【猫男】 やめろよ!

【町田】 ま、いいじゃん。 … で、猫男さん、改めて聞くけど、お前、誰?
【猫男】 余は、汝 (なんじ) の心の奥底にひっそりと隠された汝の自意識である。

【町田】 お帰りください。話がややっこしくなりそう。
【猫男】 では、正直に話そう。余は、汝の前頭葉のシナプスが接合する第三結節点において…

【町田】 俺が帰るわ。
【猫男】 まぁ、待てよ。今日は訊きたいことがある。

【町田】 どうぞ。
【猫男】 俺は、誰?

【町田】 それは、さっきこっちが訊いたじゃない。
【猫男】 じゃ答えよう。俺はシェークスピアだ。

【町田】 意味不明だよ。
【猫男】 「天才」 って意味だよ。

【町田】 「天災」 ?
【猫男】 じれったいやつだね、つまり 「テンサイ」 だよ。

【町田】 えっ、 「転載」 ?
【猫男】 … ひとりで遊んでろ。

【町田】 まぁまぁ。今日はお近づきのシルシに、一杯。
【猫男】 なんだよ、コレ?

【町田】 酒じゃん。
【猫男】 ただの 「絵」 じゃない。しかも下手くそな。

【町田】 案外、うるさい人なんですね。
【猫男】 あ、おれは 「ヒト」 なのね。

【町田】 何だと思ってた?
【猫男】 ただの 「絵」 だと思ってた。

【町田】 … 頭がおかしくなってきた。
【猫男】 汝は、いま自己のなかにおける “異形の自己” と向かい合ったのだ。
 地獄へと連なるほの暗き糸杉の舗道に置かれた、銀色の合わせ鏡を覗き込むがごとく。

【町田】 消すわ!

【猫男】 わ、待ってくれ!
 
 

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