チェ・ゲバラの煙草

 
 煙草 (タバコ) を吸わない人には、興味のない話かもしれない。
 さらに、煙草を毛嫌いする人には、いまいましい話題かもしれない。
 
 だけど、愛煙家にとっては、ちょっと話題性のある煙草が登場したと思う。

 名前は 「Che」 。

 「チェ」 だけじゃ分からないだろうけれど、パッケージデザインに描かれた人物の顔を見れば、多くの人は、キューバ革命の伝説のヒーロー 「エルネスト・チェ・ゲバラ」 にちなんだ煙草であることを理解するはずだ。

 それにしても、どういう意図でつくられた煙草なのか。
 ソ連の崩壊や、中国の開放経済政策への転換を見るまでもなく、社会主義革命が幻想のまま終わった今、社会主義のパラダイスを夢想しながらボリビアのジャングルで虚しく死んだチェ・ゲバラは、すでに過去のヒーローだ。

 それを、世界の資本主義の “尖兵” として機能している煙草産業がブランド化するというのは、ちょっとしたジョークのようにも感じられる。
 あるいは、話題性が先行することを狙ったのか。

 現に、この煙草を売りだしたポーランドでは、右派の議員が、「このような名前と肖像を盛り込んだ煙草は、全体主義を不法に扇動している」 として法的措置に乗り出した … とかいう話も耳にする。
 確かに、話題づくりとしては、成功したのかもしれない。

 ま、単純に考えれば、高級ハマキとして珍重されるキューバ葉のブランド力を利用するという戦略なのだろうと思う。

 これを見つけて手に入れた時に、その煙草屋の主人が言うには、もとはルクセンブルクの煙草だという。
 最初は、葉っぱを自分で紙に巻いて吸う 「手巻き煙草」 として発売され、後に、そのパッケージデザインが評判を取り、「紙巻き煙草」 が追加されたのだとか。
 今年の9月頃には、全国のほとんどの煙草屋の店頭に並ぶらしいが、現在では、まだこれを扱っている煙草屋は少ない … と、その店主は自慢げに言った。

 味としての特徴は、やはりキューバ葉を主体としたもので、「無添加」 であること。
 しかし、無添加がどういうものであるのか、私にはよく分からない。
 たぶん、「ピュア」 とか、「純粋」 とかいう意味なんだろうが、「それが何か?」 というぐらいの感興しか催さない。

 でも、パッケージデザインは秀逸であるように思う。
 やはり、モデルとなったチェ・ゲバラという人間の “顔のカッコよさ” が幸いしているのだろう。
 その顔のインパクトを損なわないように、デザインは思いっきりシンプルになっている。
 この素っ気なさがいい。
 渋い。
 粋だ。

 パッケージの色は、黒、赤、白の三色。
 黒がいちばん強く、タール9/ニコチン0.9。
 赤はその次で、タール7/ニコチン0.7。
 白は、タール3/ニコチン0.3という配分になっているらしい。

 黒と赤を吸ってみたが、ともに、よくある “洋モク” という感じで、ことさら際立った美味しさというものも感じなかった。
 が、煙草通の人に言わせると、「無添加&無香料でこの味わいなら文句のつけようのない高レベルの煙草」 だという。

 とにかくパッケージがいいので、全部吸い終わった後、いつも吸っている 「マイルドセブン・スーパーライト」 を代わりに入れて、持ち歩いている。

参考記事 「チェ・ゲバラ」
 
 

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チェ・ゲバラの煙草 への14件のコメント

  1. 磯部 より:

    カッコイイパッケージですね?
    私は初めて知りました。買おう!

    バーなんかで、これ置いておくと、ちょっといいですね。
    渋くキメるのもイイですし、話の種にもなりそう。

    私の知る限りでは、無添加&無香料というのはかなり凄いことだと思います。
    だって、品質に自信がないとできないことのように思います。
    国産なんかは、添加物と香料がいっぱいで、葉はイマイチとか。

    そのパッケージにマイルドセブン・スーパーライトを入れているという
    町田さんのなんというか、いい加減さとキメきれないゆるさがいいですね。
    いや、これはネタかな?

    • 町田 より:

      >磯部さん、ようこそ
      「無添加」 & 「無香料」 というのは、そういう意味があったんですね。
      またひとつ勉強させていただきました。
       
      なるほど。
      自分は今まで、添加物と香料がいっぱいの煙草を、「うまい」 なんて思って吸っていたのでしょうね。

      気に入った煙草のハードケースだけ取っておいて、その中にいつも吸っている煙草のソフトパッケージを忍ばせておくというのは、今までもよくやっていました。
      これまでのお気に入りは、「DEATH」 という煙草のケースでした。
      真っ黒な箱に、白抜きで、どくろの絵が浮いているヤツです。

      「これを吸い続けていると死ぬぞ」 というメッセージのつもりなんでしょうか。
      そういうブラックジョークが好きで、それまで愛用していましたが、どくろマークも 「Che」 のデザインにはかないませんね。
       

  2. Take より:

    何年か前、TVの番組で司会者が「チェ・ゲバラ」と言ったら、アシスタントの女子アナが(ふざけて笑わそうと架空の名前を言ったと思ったのか)大笑いしながら「誰ですか、それ」と言ったことにショックを受けました。

    もし私たちが空想家のようだといわれるならば、
    救いがたい理想主義者だといわれるならば
    できもしないことを考えているといわれるならば
    何千回でも答えよう
    「その通りだ」と。

    この言葉の生き方が大好きです。

    あっ、たばこの話でしたね。すみません、吸わないので語れないですが、確かにパッケージはかっこいいです。この煙草に関しては、PL法の注意書きが無粋に見えます。

    • 町田 より:

      >Take さん、ようこそ
      素敵な言葉です!

      >もし私たちが空想家のようだといわれるならば、
      >救いがたい理想主義者だといわれるならば
      >できもしないことを考えているといわれるならば
      >何千回でも答えよう
      >「その通りだ」と。

      いったい、どなたが喋られた言葉なのでしょう。
      勇気が湧いてくる言葉です。
       
      このとおりに、生きたいですね。
      つくづくそう思いました。
       

  3. 浅草 煙 より:

    私の机の前には白、赤、黒のゲバラが並んでおります。団塊世代後期の私ですが、吸い終わってゴミ箱へポイはとてもできません。いつものタバコをこれに詰め替えるのは手ですね。
    ちなみに私が買ったのは、浅草ビューホテルから言問通り方向へ200メートルぐらいの信号の前のたばこ屋。ここには三種のゲバラが自販機に入っています。どこの国のタバコか聞いたところ、店の主人は即座に「ルクセンブルグ」と答えてくれました

    • 町田 より:

      浅草 煙さん、ようこそ。
      「団塊世代の後期」 ということなら、私とほぼ同年代ですね。
      「仲間がいた」 という気分になって心強いかぎりです。

      私たちの世代にとって、チェ・ゲバラという人物は、忘れがたい人間であるように思います。だから、浅草 煙さんの、「吸い終わったらゴミ箱へポイはとてもできません」 という一言にはとても共感いたします。

      それにしても、もう自販機に登場しているのですか!
      私は煙草屋の店頭で見かけたことはありますが、まだ自販機では見ていません。

      この煙草がもっと話題になってくれるのを楽しみにしつつ、でも、あんまり有名になってほしくないという気持ちも多少あり、ちょっと複雑な気分です。
       

  4. マラソンマン より:

    今日(3時間前)始めて「che」を吸ってみました。
    国産の葉タバコに問題を感じ外国のものを探していたこの頃でした。
    因みに数十年間はショートPでしたので、黒のcheを買ってみました。
    先日買ったSPIRITよりはタバコっぽい感じでいいですね。
    明日は赤のcheを吸ってみようかと考えています。
    ※タバコ屋さんでcheを偶然に見て、即買い。嗚呼、CUBAに行きたい・・

    • 町田 より:

      >マランソンマンさん、ようこそ
      返信遅くなりまして、申しわけございません。
      このエントリーを書いた頃 (2012年5月)、「もうじき全国のタバコ屋さんでもれなく発売」 という話を聞いていたのですが、あいかわらず売っているタバコ屋さんはまだ限られているようですね。
      確かに、“タバコっぽい” 味はしますので、一服するときの充実感はあります。
      私は、普段は「メビウス スーパーライト (6ミリ) 」 を吸ってますが、これだと軽いのでついつい本数が増えてしまいます。
      そういう意味で、「Che」は、タバコを楽しむためにはちょうど良い味なのかもしれませんね。
      パッケージデザインも粋ですし。
       

  5. かみーゆろっそ より:

    かれこれ2~3年近くチェ(ブラック)を吸い続けています。

    近くにタバコ屋がなかったので、むりくりコンビニに頼んで置いてもらっているくらい好きです。

    そのコンビニでチェを買う人は私くらいだそうで。

  6. 町田 より:

    かみーゆろっそ さん、ようこそ。
    返信遅くなってごめんなさい。

    もう「ちぇ」が出て、そのくらい経ちますかね。
    確かに、このタバコを吸っている人はあまり見かけませんね。
    私もふだんは吸いませんが、たまにチェを吸います。
    居酒屋のカウンターなどに置いておくと、、
    「珍しいタバコですね」
    店に人に言われることがあります。
     

  7. 福本康男 より:

    3年前、石垣に引っ越してきました。石垣には今、コンビにはファミマしかありません。でもここのファミマで、初めて、チェに出会いました。そして、チェがルクセンブルグのタバコであること、ハバナ産のタバコ葉を使っていることを知り、チェのレッドに変えました。チェは私にとって唯一のアイドル? これからもタバコを吸っている限り、チェを手放すことはないでしょう。

    • 町田 より:

      >福本康男さん、ようこそ
      石垣とはどんなところなのでしょうか。
      想像するに、空と海が真っ青であるという(多少月並みな)イメージがまず最初に浮かびます。
      ブログを拝読すると、それまでは谷中にお住まいだったとか。
      まったく正反対の場所に移り住むなど、普通の人にはなかなか実現できない素敵な決断であったと思います。

      チェ・ゲバラの青春期を描いた『モーターサークル・ダイアリーズ』を観たことがあります。地味だけれど、印象的な映画でした。
      それと、二部作の後半『チェ 39歳 別れの手紙』という映画も、やはりBSで観ました。彼が追い詰められていく過程を淡々と描いた地味な映画でしたが、切ない映画でした。

      でも、しょせん俳優が演じたチェ・ゲバラは、我々が写真や当時の本物のドキュメントなどで見てきた本物の存在感には及びませんね。
      「チェ」という煙草は、どこか本物のチェ・ゲバラの体臭のようなものを間近に感じさせてくれるような煙草でした。

      ただ、昨年肺を患ってから、50年以上吸い続けてきた煙草をついに断念せざるを得なくなりました。
      手元にあったチェの煙草はもうありませんが、煙草の入っていたパッケージだけはそのまま残してあります。
       

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