ジョス・ストーン

 
 R&Bやソウル・ミュージックの世界では、クラシカルなフォーマットを保ちつつ、時代に合わせた新しい音を追求している若い世代が台頭している。
 しかも、白人!
 昔風の表現を使えば「ブルーアイド・ソウル」とでもいうべきか。

 男性アーチストとしては、メイヤー・ホーソーンなどがその代表なんだろうけれど、女性ではジョス・ストーンなどが筆頭に挙げられるかもしれない。

 ジョス・ストーンは、1987年生まれというから、(この記事を書いたとき=2012年)ではまだ25歳。
 その割には、ずいぶん堂々とした歌いっぷりで、映像なしの音だけ聞いていると、その道40年ぐらいのベテラン黒人シンガーの貫禄を感じてしまう。

 この人を知ったのも、やはりYOU TUBE。
 ジャニス・ジョップリンを彷彿とさせるような凄い歌い方をするので、一連の映像をいろいろたどっていくうちに気に入ってしまった。

 美人 … である。
 だけど、どこか田舎臭さが漂う。
 荒れ狂う裸馬を乗りこなす牧場の娘みたいな健康な色気があって、きっと、アメリカ中西部の田舎町に生まれ、海なんか見たこともない青春を送ったのだろうな … と思った。

 そうしたら、イギリス人だという。
 アメリカ臭い雰囲気をたっぷり持った人だと思っていたからちょっと意外だった。
 少女時代からアレサ・フランクリンをはじめアメリカのR&Bやソウル・ミュージックを聞きながら育ち、14歳のときに歌手としてテレビ出演を果たしていたという。

 ビートルズ、ストーンズなどを持ち出すまでもなく、イギリス人は昔からアメリカの黒人音楽が好きだったから、不思議でもなんでもないのかもしれない。

 で、やっぱり美人 … である。
 しかし、どこか野暮ったい。
 それが、中年男たちから見ると、逆にフェロモンをまき散らしているように感じられるのかもしれない。

 実際に、ステージではよく裸足にミニスカートというスタイルで、太ももと脚を強調するし、ジーンズ姿のときもピチっとしたものを好んでいる。

 その健康的な色気に惑わされるのか、YOU TUBEを見る限り、共演するオヤジたちがすごい。
 黒人大物シンガーとしては、ジェームズ・ブラウン、スティービー・ワンダー、スモーキー・ロビンソンなどの大御所が顔を連ねている。
 白人では、ジェフ・ベック、ロッド・スチュワートなどというこれまたベテランのロック・アーチストが競って彼女を共演者として迎え入れている。
 最近では、ミック・ジャガーが新しく結成した「スーパー・ヘヴィ」というバンドにも参加して話題を呼んでいるという。

 歌う曲もオリジナルのほか、アル・グリーンの「レッツ・スティ・トゥギャザー」、ボブ・マリーの「ノー・ウーマン・ノー・クライ」、カーティス・メイフィールドの「ピープル・ゲット・レディ」など、これまたオヤジ世代の好みそうな曲を取り上げる。
 まことに、 “オヤジ転がし” のうまい娘である。

 しかし、曲の志向はきわめてオーソドックスな70年代ソウル・ミュージック系。
 それも、サザン・ソウルの匂いが強い。
 メイヤー・ホーソーンが、モータウンサウンドやフィリーサウンドのような(アメリカの)ノーザン・ソウルの音を作り上げているのに比べ、彼女の場合は、歌い方も曲のアレンジもディープサウスの匂いを大事にしている。
 もちろん楽器の奏でる音色はそうとう現代風にアレンジされているけれど、リズムの取り方などは、良い意味で、南の泥臭さがある。

 いわば “コクのあるソウル・ミュージック” 。
 焼酎でいえば、「麦」ではなく、「芋」だな。
 このあたり、その体臭の強さが苦手な人には、ちょっと暑苦しく聞こえるかもしれない。
 しかし、私などはこのディープな味わいが心地良い。

 いくつか気に入ったものを、YOUTUBEから貼ってみたので、70年代系ソウルが好きなオヤジは、彼女の色香に転がされてみてください。


 
 
▼ Don’t Know How サザン・ソウルだぁ!

▼ Free Me これもとろりとディープな正統派R&B

▼ Right To Be Wrong 正統派ソウルの濃厚な味わい

 
 
参考記事 「メイヤー・ホーソーン」

参考記事 「70年代スイートソウル」
 
 

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ジョス・ストーン への2件のコメント

  1. カップス より:

    いいですね~JOSS STONE。日本では登場してこないのは土壌の違うんでいたしかたない。小柳ゆきの登場は期待させたけど最近はどうなんでしょ。
    この映像がとても好きで何度となく見させていただいています。
    MELISSA ETHERIDGEが小娘には負けないよと闘病によるスキンヘッドでジャニスを歌い上げる。紹介するのがジャニスの元恋人クリスというのも嬉しい。 

    http://www.youtube.com/watch?v=ef-f-l2Pbn8

    • 町田 より:

      >カップスさん、ようこそ
      紹介いただいた 「ジャニス・ジョプリン・トリビュート」の動画、堪能しました。
      ありがとうございます。
      メリッサ・エスリッジとジョス・ストーンとも、歌声だけ聞いていると、まるでジャニスが現代に復活したみたいですね。
      確かに、メリッサの>「小娘には負けないよ」 という迫力はすごい!
      メリッサの前では、ジャス・ストーンも “前座” という感じですね。

      歌のうまい女性シンガーは現在もたくさんいますけれど、「シャウト」 というものがなくなりましたね。魂の奥深いところから発生してくるエネルギーのようなもの。
      ジャニス・ジョプリンは間違いなく、それを持っていた。
      だから、時代を超えて、今でも訴えかけてくるものがあるんでしょうね。
      その 「シャウトの精神」 を、この二人の女性シンガーは大事にしているように思います。
       

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