橋下さんが総理になる?

 
 このブログでは、あまり政治のことを取り上げたことがない。
 自分が政治系ブログというものにほとんど関心がないということもあるのだが、正直、政治のことはよく分からないからだ。

 でも、たまにはなんか書いてみるかな。

 というのは、電車の吊り広告など見ていると、最近、けっこう橋下徹大阪市長のことを 「総理に向いているか?」 などという見出しを打った雑誌広告などを見るからだ (文春系だね) 。

 ああ …、
 と、なんだかため息が出た。
 それだけ、日本の政界には人材が払拭しているんだな … と思った。
 
 確かにテレビの討論番組などを見ていると、橋下氏の発言は歯切れがいい。
 発言内容にも説得力がある。
 だから、彼に反論する人たちの方がバカに見える。

 ある調査によると、彼を 「総理として支持する」 という人たちは全体の63%にのぼったという。
 
 しかし、総理としての橋下氏の “魅力” は何かというと、それは鳩山、菅、野田と、めまぐるしく変わった民主党の総理たちと比較したときの “魅力” であって、対比する人たちがヒドすぎるから相対的にマシに見えるという話でしかない。

 言ってしまえば、「討論番組の論客としての魅力」 でしかない。
 政治家としての力量はまったく未知数。
 少なくとも、オバマとか、この前選挙で敗れたサルコジとか、あるいはプーチンとか、ああいった手練手管に長けた老獪 (ろうかい) な連中と比べると、なんともひ弱で、頼りなく見える。

 しかし、国内目線で見る限り、そういう橋下氏が “頼もしく見える” ということが問題なのだ。

 あくまでも私見にすぎないが、基本的に、彼は、頭の回転が早くて弁論の立つおぼっちゃまという感じで、清濁あわせ呑む “ふところの深さ” が感じられない。
 だいたいが、政治家の敵は政治家であって、学者なんかをイビっていても、意味がないのだ。
 学者というのは、もともと政治感覚にうといから成り立っているような商売なんだから、そういう人たちを叩いてみたって、それは “弁論ショー” としての意味しかない。
 
 「“橋本総理” を支持するか?」 という調査に寄せられた支持者の声を聞くと、
 「彼が総理になれば、良くも悪くも 『変化』 がありそう。何かしらしてくれそうで、期待が持てる」
 というような声が多い。

 でも、それって、05年の “郵政選挙” のときに、「小泉純一郎が総理になったら、何かしてくれそう」 と漠然と人々が期待したのと同じなんだよね。
 さらにいえば、「民主党政権になれば、何かしてくれそう」 というのとまったく同じ。

 いわゆる 「無党派層」 と言われる人々。
 「支持政党なし」 といわれる人々のことだけど、今や、漠然と 「何かをしてくれそう」 という期待感だけで政治に関心を向ける人たちが国政の行方を決める時代になってきた。

 小泉政権というのは、まさに、「支持政党なし」 という人々を徹底的にコアターゲットに絞った選挙運営で、勝利をもぎ取った政権だった。
 そこには、世論形成を行うための、ものすごく緻密な調査があったと聞く。
 日本人の思考レベルや “感動パターン” を分析し、そのストライクゾーンのど真ん中に投げ込む球種を絞り込む。
 そして、決め球が決まったら、それに合わせたキャッチや映像イメージを途切れることなく送り続ける。

 要するに、広告代理店がテレビCMを企画するように、政党や政治家のイメージを上手に作り上げた方が選挙に勝つ時代になってきて、まず小泉さんがそれを始め、同じ手法を民主党が使った。
 その裏では、実際にマーケティングの手法が駆使され、テレビや新聞、雑誌などのメディアを総動員して、「無党派層」 をターゲットにした緻密なプロモーションが行われた。
 
 そして、生まれた言葉が 「劇場型政治」 。
 要するに、テレビドラマの視聴率を取るのと同じ手法によって、日本の政治は動いている。
 ま、それだけ、日本はまだ “豊か” なのかもしれない。
 何が日本の政治に必要か? を問うよりも、誰が総理になるか? と予想することの方が面白いと感じられる人が多いというのは、それだけ人々に “余裕” があるということなのだから。
 
 

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