CG-500 エル・ホップ

 
 国産キャンピングカーにおいて、「熟成」 という言葉が一番ぴったりハマるのは、ファーストカスタムのCGシリーズかもしれない。
 
 同社が開発したハイエースのボディカットモデルである 「CG-550」 などは、その開発初期段階において、すでに相当な完成度の高さを示していたが、その後、内外装のリファインや装備類の追加・統合を重ね、さらなる洗練度を増して現在に至っている。
 本物を見極める目を持つ人ならば、一目でこのクルマの凄さが分かるはずだ。

▼ CG-550ボレロ 

 
 そのファーストカスタムが、満を持してこの春デビューさせたのが、CG-500L・HOP (エル・ホップ) だ。
 ずばり、これは人気の高いCG-550シリーズのダウンサイジング版である。
 
 「全長約5.5 m の550では車庫に入らないため、同じつくりで 5 m未満ボディが欲しい」
 という人はかなりいる。
 同社では、そういう人々の希望を入れ、ハイエースの標準ボディを使って550シリーズと同じクオリティの小型車の開発に踏み切った。

▼ CG-500エル・ホップ

 
 全長4.99 m、幅1.85 m。
 駐車場を選ぶ必要もないし、市街地での取り回しも楽。
 
 それでいて、つくりは他のCGシリーズ同様、スペースフレームも入った安全設計が貫かれ、断熱工法も万全。
 集中ドアロック機能を持つエントランスドアなど、オリジナルの高機能装備もそのまま維持され、足回りも強化されている。
 ダウンサイジング版にはなっていても、廉価版にはなっていないところがすごいところだ。
 
 レイアウトは、対面ダイネットとリヤ固定ベッドという汎用性の高い仕様になっていて、どのような家族構成をもカバーする。
 ただ、ナローボディがベースになっているため、550ほどの居住性を求めるのは少し厳しい。理想な使い方は 「夫婦の2人旅」 であるかもしれない。

▼ CG-500エル・ホップ室内

 このCG-500エル・ホップの発表を機に、CGシリーズ全車に新たに設定された新機構がある。
 「ファインレボクッション内蔵ベッドマット」 というもので、いわば、快適な睡眠を保証する画期的なベッド構造を持つ新タイプのベッドマットだ。

▼ ベッドマットに内蔵されるファインレボ

 ファーストカスタムの車両開発全般に携わる小松洋耕常務はこう語る。


 
 「キャンピングカーが普通の乗用車と比べて、いちばん違うところは何かというと、それは “快適に寝られるベッド” を有するかどうかということなんですね。
 その点、やはりヨーロッパ車などは、ベッド下にウッドスプリングを入れたり、マット形状を研究したりして、けっこうこだわっています。
 そこで、当社でも真剣になって、もう一度ベッド構造をもう見なおそうと … 」

 その研究の末に開発されたのが、特殊なクッション材を使用した 「ファインレボ内蔵ベッドマット」 だったという。

 ファインレボとは、いわば弾力性のある小さな粒状のかたまりで、単体になっているものを握ると、ぷにょぷにょした独特の質感が伝わってくる。
 
 「それをクッション材として、アイシン精機さんとのコラボで開発したのが、このベッドなんです。 
 ウォーターベッドや低反発マットとはまた違った弾力性があり、自由に寝返りがうてるし、通気性も良いので不快な熱がこもることもない。
 キャンピングカーのベッドとしては、かなりの革新性を秘めたものだと思います」
 と、小松常務は説明する。

 CG-500エル・ホップにおける採用を皮切りに、もうひとつ他のCGシリーズにも波及を広げたのが、空気触媒 (商品名セルフィール) という抗菌処理だ。

 これは、車内の有害物質の分解やカビなどの発生を防ぐもので、一度施工すると10年間効力が持続するという。

 その効用を、小松氏はこう語る。
 
 「クルマの室内の抗菌処理として、従来は光触媒という方法が一般的でしたが、それだと太陽光のなかでも紫外線にしか反応しないらしいんです。
 しかし、この空気触媒の場合は、光がなくても、空気さえあれば反応する。
 キャンピングカーというのは乗らない時間が長いクルマですし、特に長期間車庫の中に入れられてしまうこともあるわけですが、空気触媒なら車庫から出さなくても、必ず反応が持続しますから、抗菌処理システムとしては理想的だと思います」

 ファインレボ内蔵マットといい、空気触媒といい、キャンピングカーの新車を開発したときの話題性から比べると、地味なものかもしれない。

 しかし、こういう地道なことをしっかり追求していくのが、本物のプロのビルダーだ。
 それは、CG-800バリューグランナーやCG-550などの、他のビルダーが追いつけないような車両開発を行うファーストカスタムだからこそできたものかもしれないが、やはり、こういう地道な作業を持続させていく姿勢には頭が下がる。

 そして、このような作業のことを指して、「キャンピングカーの熟成」 という。
 

 ファーストカスタム HP → http://www.firstrv.co.jp/
  
 参考記事 「CG880 バリューグランナー」
   
 参考記事 「ファーストカスタム 佐藤社長インタビュー」

 
『キャンピングカースーパーガイド2012』 5月18日配本(5月20日発売)

 

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CG-500 エル・ホップ への2件のコメント

  1. 木村典世 より:

    標準装備で価格を教えていただけますでしょうか。

    • 町田 より:

      >木村典世さん、ようこそ
      CG-500エル・ホップ(L・HOP)は、開発・製作していた「ファーストカスタム」という会社が現在存在しておりませんので、新車が造られておりません。
      この記事が掲載された2012年当時のデータでよろしければ、下記のとおりです。

      2WD 4AT 2.0㍑ ガソリン       6,804,000円(税込)
      2WD 4AT 3.0㍑ ディーゼルターボ  7,318,500円(税込)
      4WD 4AT 3.0㍑ ディーゼルターボ  7,570,000円(税込)

      ただし、上記は2012年の新車時の価格です。
      おまりお役に立てず、申し訳ございません。
       

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