サミーさんからの手紙

 
 月のうさぎサミー (Sammy the moon) さんから、2012年のカレンダーを送っていただいた。
 現在住んでいらっしゃるアメリカの地元の町にある銀行が、毎年発行するカレンダーだそうである。
 
 
 
 写真がなんとも素晴らしい。
 アーリーアメリカン。   
 19世紀から20世紀初頭にかけて、おそらくその町に暮らしていた人々が残したモノクロ写真。
 それを、人工着色している。
 見ようによっては、絵画のようにも感じられるし、古い映画を見ているような気分にもなる。


 
 この時代、写真というものが、今より普及していなかっただろうから、写真に撮られることは、被写体に選ばれた人たちにとっては、特別なことだったに違いない。
 だから、みなカメラのレンズに向かって、ポーズをとっている。
 さりげない振る舞いの中にも、カメラを意識して、身構えている風情が伝わってくる。
 自分の姿が後世に残るということは、きっと晴れがましいことだったのだろう。
 うれしさをこらえながら、無理して厳格な表情をつくっているところが、なんとも微笑ましい。
 

 そんな、貴重な写真をたくさん載せたアメリカのカレンダー。
 祝祭日が日本のものではなく、アメリカのものになっているので、実用的ではないが、インテリアを飾る装飾として見るならば、贅沢だ。
 サミーさんの手紙によると、「地元の銀行が毎年発行している無料のもので、自分のふところが傷んだようなものではないので、ご遠慮なく」 ということらしいが、ますますもって貴重なものかもしれない。

 かつて、日本で 「伝説の女性ソウルシンガー」 といわれたサミーさん。
 知る人ぞ知る 「サミー&チャイルド」 のリードヴォーカリストだった。
 このブログに、コメントをいただいたことが知り合うきっかけとなった。
 もっとも、まだ一度もお会いしたことがない。

 伝説となった白熱のライブと、そのソウルフルな歌声を吹き込んだアルバムが話題を呼んだのは、70年代。すでに、よいお年を召された方だと思うが、YOUTUBEにアップされた歌を拝聴するかぎり、その歌唱力はまったく衰えていない。むしろ、年輪を重ねた人間の持つ奥行きの深さを感じさせる。

 それが、この 『Sayonara Bye Bye』 。

 曲は、ピアノをバックにしたサミーさんのシャウトから始まる。
 そこから一呼吸置いて、軽やかなスネアの弾みを伴ったドラムスとゆったりしたベースが絡みつく。
 呼吸ぴったりのバックの演奏を受けながら、サミーさんが歌いだす瞬間には、ディープなソウルミュージックの味わいがたっぷり盛り込まれている。

▼ Sayonara Bye Bye/Sammy the moon

 昨年末に、新しい曲をレコーディングする準備を進められていたらしいが、持病の気管支喘息が再発して声が出なくなり、いったんレコーディングを諦められたという。
 このような、「魂」 をしぼり出すような歌声も、気管支の持病との闘いの中で獲得されてきたものであると知ると、頭が下がる。

 しかし、手紙には、多少体調が戻ってきたのでレコーディングを再開したとの主旨が書かれていた。
 
 現在、レコーディングを終えた曲は10曲ばかり。
 続行して、あと20曲ほど仕上げる予定だとか。
 内容は、英語の歌のカバー数曲のほかに、由紀さおりの 「手紙」 をアレンジしたものがあるという。
 リズムは70年代のディスコ調。
 そこに、さらにスパニッシュギターを加え、スパニッシュテイストの悲恋歌に仕上げているらしい。
 ご本人も、このアレンジを気に入ってらっしゃるご様子。
 きっと、面白いものになっているのだろう。

▼ 1970年当時のサミーさん

 
 
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サミーさんからの手紙 への4件のコメント

  1. routine より:

    町田さん こんにちは。月のうさぎサミーさんの歌声に魅了されっぱなしです。
    昨夜も繰り返し聞きながら眠りにつきました(笑)サミーさんと町田さんが吉祥寺について語ってらしたブログを拝読した後。先月、吉祥寺へ生まれて初めて行って来ました。ギュッと魅力が凝縮されたいい街ですね。井の頭公園をたどりながら、その時もサミーさんのSayonara Bye Byeを思い出していました。Sayonara Bye Bye大好きです。

    • 町田 より:

      >routine さん、ようこそ
      コメントありがとうございます。
      吉祥寺まで来られたのなら、事前にご連絡くだされば、いろいろご案内できたものを。
      今度はお声をかけてください。

      サミーさんの 「Sayonara Bye Bye」 は、曲も歌詞も素晴らしいですね。
      切ない別れを歌った歌なのですが、「出会い」 より 「別れ」 が美しい恋愛というものに、はじめて接したような気もします。

      routine さんも音楽がお好きなのですね。
      お会いできたきに、また話の続きを聞かせてください。
       

  2. ほうだん より:

    サミーさん
     違うブログでサミーさんの事を知り。ここにたどり着きました。
    おそまきながら、発売されているすべてのCDを購入して聞いています。
     いいですね。最近、こういう音楽なかなか聞けないと思っています。

    また、情報があれば掲載して下さい。

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