キャリーパワー

 
 3・11の大震災以降、停電などを経験した人たちのニーズを反映して、電源供給が途絶えたときの補助電源機能を持つ 「蓄電池」 が脚光を浴びている。
 
 いろいろな電気メーカーが商品化し、それぞれの特徴を持った製品が出回っているが、実はキャンピングカーメーカーも、かなりこの分野に進出している。
 
 もともと、蓄電池の重要部品となるバッテリー、インバーターなどはキャンピングカー製作においても、電源システムを構築するときの必需品。
 それらをキャンピングカーに取り付けるときのノウハウを生かし、システム全体の小型化、高機能化、効率化、低価格化などはお手のもの。
 
 現在、キャンピングカービルダーの間では、この蓄電池開発における熱い競争が繰り広げられている。
 
 
 
 今回ここで紹介するのは、大阪に本社を持つアネックス社のもの。
 商品名は 「キャリーパワー (CARRY POWER) 」 。
 「持ち出せる電源システム」 をキャッチに、携帯性を重視した設計を追求しているところに特徴がある。
 
 これが、キャンピングカー泊 … 広い意味での “車中泊” と実に相性がいい。
 
 一言でいうと、キャンピングカーで使われるサブバッテリーやインバーターほか、ACチャージャー、DCチャージャーなどをコンパクトにまとめ、持ち運び可能な収納ケースに詰め込んだもので、家庭の100Vコンセントで充電しておけば、車内のシガーソケットに挿し込むだけで室内照明、テレビ、パソコン、時には冷蔵庫まで駆動できるというもの。
 
 充電するときも家庭の100Vに限らず、車内の12V、さらにはパワーフィルムを使ったソーラー充電も可能。
 出力の方は、AC100V、DC12Vほか、スマートフォンなどの充電にも使えるUSB 5V機能も備わっている。
 

 
 開発したアネックスの田中社長によると、普通のミニバンに乗っているお客さんから 「サブバッテリーを搭載したいのだが…」 という要望が増えてきたことが、この 「キャリー・パワー」 開発の “きっかけ” になったという。
 
 キャンピングカーを製作するときは、あらかじめサブバッテリーの搭載位置まで考慮して開発を進めるが、市販のミニバンの場合、取り付ける位置を探すことさえ難しいものがある。
 
 「それならば、バッテリー機能を備え、さらに、さまざまな電源機能をコンパクトに集約させた携帯可能な電源システムを商品化してしまえばいいのではないか」
 と、田中社長は考えたという。
 
 同社の開発した 「キャリーパワー」 の場合、家庭でチャージするときは、満充電になるまで約 6時間。シガーソケットで 7時間。
 野外で、ソーラーパネルを使った場合は、約50時間。
 
 「しかし、50時間も晴天が続くということは、実際にはあり得ないし、完全放電してしまえばソーラーでの充電は無理です。あくまでも補充電と考えていただければ…」
 と、田中氏はいう。
 

 
 では、どれくらいの時間、このキャリーパワーは有効に使えるのか。
 
 アネックス社のテストによると、照明、テレビ、携帯電話の充電など、比較的電力消費の少ないものを連続使用するだけならば、1 週間から10日ぐらいまでは可能。
 コンプレッサー付きの冷蔵庫を駆動させるのなら、15時間から24時間ぐらい。
 
 「基本的には、情報機器として使ってもらえれば …」
 というのが、同社の考え方だ。
 
 今回の東関東大震災においては、地震や津波の被害を直接こうむった東北地方の人々にとって、“情報不足” はきわめて深刻だった。
 被害を受けた度合いの強い地域になればなるほど、 「自分たちの周囲で何が起こっているのか、さっぱり様子が分からなかった」 という声が多かった。
 
 「そういう事態に備え、被災してクルマで避難するときに、これ一個登載しておけば電力供給のない場所でもテレビ、ラジオなどを通じてリアルタイムにニュースが把握できるし、照明も確保されます」
 それが、開発の狙いだったという。
 
 そのため、“携帯性” が重要な課題だったとも。
 同社が採用したのは、「ペリカンケース」 。
 米軍が軍事用に開発したケースで、スパイなどが諜報用の機材や武器などを収納するときに使うものなんだそうだ。
 

 
 ケースには自動調圧バルブが付いていて、内圧と外圧の差を自在に調整することが可能。もちろん、耐久性・堅牢性が抜群なので、秘境を旅する冒険家などに人気が高いという。
 
 サイズは、縦500 ㎜ × 横305 ㎜ × 高さ457 ㎜
 キャスター付きなので、持ち運びも簡単。
 パーツをセットした状態で、重量は約33㎏。
 
 この収納ケースがスグレモノなので、高機能パーツでも安心して組み込めるようになった、と同社はいう。
 
 ちなみに、各スペックは以下のとおり。
 ACチャージャー パワータイト 12A
 DCチャージャー セルスター  10A
 インバーター   パワータイト 350W
 バッテリー     オプティマ   55Ah
 ソーラーパネル  パワーフィルム15.4V-20W
 USBソケット   ベルキン   1 A
 
 気になるお値段だが、内容物を厳選したため、他社製品よりはちょっと高価。
 消費税込みで、273、000円。
 
 「しかし、耐久性、信頼性においては絶対の自信作!」
 と、同社は胸を張っている。
 
 アネックス ホームページ (↓)
 http://www.annex-rv.co.jp/
 
 

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