キャンピングカー駐車場難民

 
 ついに、不動産屋さんから、長年住み慣れた土地を 「出て行け」 と言われた。
 まぁ、立ち退きの対象となったのはクルマなんだけど、キャンピングカーだから、まるで 「家を始末しろ」 と言われたようなもんだ。
 長年借りていた駐車場だったが、ついにその土地の買い手が現れたというのである。
 
 なにしろ駐車場にキャンピングカーがあるということは、夫婦ゲンカでカミさんから追い出されても、そこが “緊急避難所” になるわけだから、とてもありがたいのだ。
 それを停めておく土地がなくなったら、どうしたらのいいのやら。
 
 もともとそこは駐車場ではなく、単なる宅地だったのだけれど、そこの大家さんが、土地の買い手が出てくるまで遊ばしておくのはもったいないということで、臨時の駐車場として貸し出していた場所なのである。
 
 だから、 「駐車場として使える期間は長くないかもしれない」 と不動産屋に最初から注意されていたわけだから、これは諦めるしかない。
 それでも、その場所に20年近くキャンピングカーを置くことができた。
 
 駐車スペースにクルマを収めるときは、高く盛り土した斜面を、ハンドルを切りながらバックしなければならなかったので、どうしてもクルマが傾く。
 実際は14~15度ぐらいなんだろうけれど、体感的には30度以上の感じがする。
 だから、毎回、 「最大傾斜角度テスト」 をトライしているような気分になった。
 
 さらに、放っておくと、雑草が元気よく生える。
 夏がくると、これを刈るのが一苦労。
 「うまそうな体だ」 と判断した蚊が集中的に襲ってくる。
 だから、草刈をやるときは、長袖、長ズボン、ゴム長靴、さらに目の部分だけ穴を空けたコンビニのレジ袋をかぶって、カマをふるう。
 人が見たら、ホラー映画の狂人だろうな。
 
 それでも家から近かったことのメリットは大きかった。
 なにしろ、玄関から100 m。歩いて 1分。
 土地の広い邸宅に住んでいる人なら、 “敷地内” みたいなもんだ。
 電源を引いたり、給水したりすることはできなかったが、キャンプ道具の積み下ろしなんかはすごく楽だった。
 
 そこを 「明け渡せ」 と迫られて、正直、ちょっと困った。
 なにしろ、代わりになりそうな駐車場がなかなか見つからないのだ。
 
▼ この駐車場とも、もうじきお別れ 
 
 
 近所には、他にも駐車場があることはあるのだが、キャンピングカーだというと、不動産屋の顔が曇る。
 
 長さが 5m。幅にして 2.15m。
 1台分の駐車スペースになんとか収まるサイズではあるのだけれど、
 「両隣りのお客さんが、 “ドアの開け閉めが窮屈になった” とクレームを付けてきそうですね」
 と、不動産屋はみな渋い声で答える。
 
 「では、2台分借りるのはどうでしょう?」
 と譲歩しても、今度は、都合よく 2台分が並んで空いているスペースというものがない。
 
 いくつかの不動産屋を回って、ようやく 「いいですよ」 と言ってくれた店があった。
 他のクルマの迷惑にならないような場所が奥の方に 1台分あるという。
 
 そこは家から、約700~800 m。
 カセットトイレの汚物処理なんかで、家とクルマの間を往復するのはちょっとしんどいな … と思ったが、背に腹は代えられない。
 
 で、仮契約みたいなものを結んで、その場所を見に行ったのだが、幅 2mを超えるキャンピングカーを収めるのはちょっと辛いことが判明した。
 実際にクルマを持って行って、出し入れをテストしてみたが、案の定、すんなりとスペース内に一回では収まらないのだ。
 
 なにしろ、前輪と後輪の距離 … ホイールベースがけっこう長いクルマなのだ。
 つまり、最小回転半径が大きい。
 そうとう慎重な切り返しが要求されるので、疲れて帰ってきたときには、ゴリゴリと隣りのクルマをこすりかねない。
 
 都市部で、大きなキャンピングカーが敬遠されるという理由も分からないでもない。ときどき、狭いスペースに大型輸入車が収まっているのを見ることがあるが、やはり、そういうクルマは使用頻度が少ないような気もする。出し入れが大変だと、出るのが億劫になってしまうんだろうな … と思う。
 
 でも、 「これを機に、もっと小さいキャンピングカーを…」
 とは、今のところ思わない。
 やっぱり、カミさんと二人だけで旅行するにせよ、一定程度の生活スペースは必要だと思うからだ。
 
 いくら仲のいい夫婦とはいえ、旅が10日を超えて、2 週間以上になると、クルマの中に、どこか “逃げ場” があった方がいい。
 「ちょっと一服」 とかいって、タバコを吸うようなフリして、2~3 分でも一人だけの空間に閉じこもると、鮮やかな気分転換ができる。ダイネットの後ろに、個室として、トイレ・シャワースペースがあるということは、とても精神衛生にはいい。
 
 実際にそこに逃げ込むのではなくても、
 「いざとなったら、一人で息抜きできる空間が車内にある」
 という気持ちを持てるだけで、心理的に、ふっと一息つけるのだ。
 
 だから、キャブコンだろうが、バンコンだろうが、車内にいる人間がグルっと視線を流したときに、 “見渡せない空間” が残されているキャンピングカーが、私は好き。
 2週間を超える長旅となると、そういうスペースのありがたみが実感できるようになる。 (ホテル泊などを上手に折り込めば、そうでもないかもしれないけど)
 
 だから、今のところは、取り扱いに多少難があろうと、今のサイズのキャンピングカーは手放したくない。
 
 ま、多少出し入れの苦労が伴っても、まだ場所を確保できるだけ幸せなのかもしれない。たぶん、もっと苦労しているオーナーがいっぱいいるんだろうな。
 

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キャンピングカー駐車場難民 への4件のコメント

  1. より:

    現実的な悩み、とても良くわかります。幸いこちらはさいたまの郊外なので以前の住まいで50m圏内に探すことができました。
    今は家の真横に駐車場があるので非常に快適、無線LANも届くので子供に邪魔されない書斎にもなります(笑
    この際郊外に転居を検討する手も…(本末転倒⁉)

    • 町田 より:

      >雷さん、ようこそ。
      >「家の真横に駐車場」 ですかぁ! うらやましい。
      できれば、家の敷地内の駐車場が欲しいところですね。電源が引ければ、もうホント、1部屋増えるわけですから。
      そのためには、郊外に転居もいいかもしれませんね。
      でも、そうなったら、「あんた暑苦しから、今日もキャンピングカーの方で寝てね」 なんて、カミさんに毎日言われそうだな。
       

  2. スパンキー より:

    都内でキャンカーの駐車場はねぇ、なかなかないでしょう?
    世田谷にいたとき、私は大家さんに振り回され、1年の間に3箇所も駐車場を変わりましたね。
    で、どこも狭くて、砂利と草のどうでもいいところでしたが、確か月に35,000円!町田さんの場合だと、70,000円ですね?わぁー都内って高いなー!

    いま私は田舎に住んでいるので、だいたいテキトーに置いておけます。で、月5,000円。キャンカーでも10,000円ですね?安いでしょ。

    私はよく思うのですが、都内で畑を耕しているおっさんって、すげぇ金持ちだし、最高の贅沢だと思っています。で、ふと思ったのですが、都内でキャンカーを所有するってゆうのも、かなり贅沢なんじゃないかと。

    ま、町田さんの場合は仕事柄もあるし、2シーターのスポーツカーなんて乗れないしね?そこは羨ましいというよりかわいそうなのかな?

    そこがよくわからないんですね?

    とにかく富士か相模湖かを決めましょうよ?

    • 町田 より:

      >スパンキーさん、ようこそ。
      東京都心の月極駐車場は確かに高いですねぇ。23区内になると、35,000円でも安い方なのかなぁ。
      幸いなことに、私の住んでいるところは東京でもハズレに近い方ですから、今まで借りていた場所は、2台分でも20,000円ですんでいました。でも、今度はそういうわけにいかないようで、ちとツライです。
      一人暮らしなら、これを機に、乗用車ベースのシンプルな車中泊仕様のライトキャンパーに乗り換えることも検討するかもしれませんね。
      でも、犬とカミさんを乗せて旅行することを考えると、やっぱ今のクルマを維持したいです。そこそこ走るし、レイアウトも気に入っているもので。

      (業務連絡?) 富士か相模湖。
      相模湖で決まり、でいいんじゃないでしょうか。
      詳しいことはまた連絡します。
      オーニングの下で、クラッシュアイスを入れたアイスティーを飲むという路線で。
       

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