ヨコハマモーターセールス 「レガード・ネオ」

 上の写真を見ていただきたい。
 今にもひっくり返りそうな1台のキャンピングカー。
 
 これは、震災の影響を受けて地盤沈下した場所で喘いでいるキャンピングカーではない。
 
 「最大安定傾斜角度実験中」
 … なのである。
 
 つまり、どれだけの傾斜角度に耐えられるかという実験であり、要は、そのクルマの安定性を計る目安を割り出す試験だ。
 この角度の数値が高ければ高いほど、安定性が良いということになり、走行中の安全性が保証されていることを示すことになる。
 
 試験を受けているキャンピングカーは、ヨコハマモーターセールスの 「レガード・ネオ」 。
 カムロードベースのキャブコンながら、「ワンボックスの乗用ハイルーフワゴンよりもローリングが少なく、横風にも強いという」 という評判を得ているクルマだ。
 実際、「まるでスポーツカーの感覚だよ」 と驚きを隠さなかったユーザーもいる。
 
 レガードの最大安定傾斜角度は、計算値で左右とも42度。
 実験中にサイドエプロンが平坦部に干渉したため、それ以上の実験続行が困難になったが、そのときの状態で38度という数値を達成したというから驚異だ。


 
 なぜ、そのようなキャンピングカーが生まれてきたのか。
 
 『キャンピングカースーパーガイド2011』 を編集するにあたって、このクルマを開発したヨコハマモーターセールスの永野社長に話を聞いた。
 
 「徹底した低重心設計」
 
 永野社長の答えはそれだった。


 
 だいたいにおいて、キャブコンは、 “背高のっぽ” だ。
 長さ・幅・高さのバランスにおいて、一般乗用車よりもはるかに全高が高い。
 当然、重心高も上がるので、コーナリング時も不安定にならざるをえないし、走行中は横風の影響も受けやすい。
 
 レガード・ネオは、そのキャブコンの弱点を克服するために、重量物をなるべく下方に集中させる徹底した低重心設計が追求されたクルマだ。
 
 具体的には、燃料タンクやスペアタイヤ、標準のバッテリー、増設バッテリーなどが低位置に設定され、充電器や配電盤も床下装着されて、標準のオイルクーラーやラジエーターリザーブタンクまでもが下方移設されている。
 
 そのために、タイヤハウス、シャワーパン、シートの台座まで、FRP一体成形の専用フロアユニットが開発されというから、手が込んでいる。


 
 このような低重心化と並行して、床面地上高もこのクラスの平均より50mm低く設計されており、それによって、全高もクラス最低の2800㎜を実現することになった。
 
 それだけではない。
 ホイールベースも205㎜延長されているのだ。
 もちろん、そのために、室内空間にも余裕が生まれたわけだが、本来の狙いは、後軸にかかる荷重を分散し、重量配分を適正化するところにあったという。
 
 空力特性の追求もハンパじゃない。
 バンクベッドをレスすることによって、ルーフ前側の表面積を縮小し、走行中の空気抵抗を削減し、横風にも強いボディ形状が追求されている。


 
 ヨコハマモーターセールスという会社は、キャンピングカービルダーでありながら、官公庁を中心に、様々な企業から千差万別な用途に応える特装車を受注してきた会社。
 キャンピングカー開発においても、それらの特装車の車両開発から得られたノウハウを投入している。
 
 「だから、うちのキャンピングカーは、安全性確保において、きわめて高いレベルの技術蓄積がある」
 と、永野代表は胸を張るが、やはり “クルマ造り” がお好きなのだ。
 
 レガード・ネオを語るときの熱気がほとばしり出る語り口と嬉々とした表情は、“経営者の顔” というよりも、やはり自分の好きなことに打ち込んでいる情熱的な “技術者の顔” だった。

※ 詳しくは 『キャンピングカースーパーガイド2011』 をご参照ください。
 
関連記事 「L.T.キャンパーズ 『レガート ネオ プラス』 」  2015年記事
 
  

 

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