朝霧RVパークの閉会

 
 
 発電機も自由、ペットOK、打ち上げ花火も大歓迎というユニークなキャンプスタイルを可能にしていた 「朝霧 RV パーク」 (静岡県・富士宮市) が、この夏 (2011年) の 8月末日をもって閉会する。


 
 同キャンプ場は、日本におけるキャンピングカーの普及と発展に尽力し、またキャンプ場運営の知識を生かして様々なキャンプ場を育ててきたオーナーの金子益久さんが、自分一人で草を刈り、水場を作り、地面を均して開いた手作りのキャンプ場。
 ご自身がキャンピングカーと縁の深い人生を送ってきたため、キャンピングカーユーザーの便宜を図った設計になっているのも特徴の一つだ。


 
 発電機、打ち上げ花火など、一見、普通のキャンプ場ではみな禁止事項となるような遊び方を許してきたのは、逆にマナー意識の高いキャンピングカーユーザーに恵まれていたから。
 
 朝霧 RV パークに集まるお客さんは、周囲の状況に慎重に気を配りながら、他の宿泊客に迷惑のかからない場所・時間帯を見計らい、お互いに声をかけ合いながら発電機を回し、花火も楽しんでいたという。
 
 同キャンプ場は、富士山が一望のもとに望めるというロケーションの良さに恵まれながら、料金が安かったため常連客も多く、グループキャンプの集会所としてもよく使われた。
 オーナーの金子さんが、キャンピングカー業界の人たちとの太いパイプを持っていたため、販売店主催のクラブキャンプの会場として使われるケースも目立った。


 
 もともと金子さんは、ハンドメイドキャンピングカークラブ (HMCC) の会長を務めながら、船の科学館などを舞台に、日本を代表するキャンピングカーショーを長年主催してきた人である。
 
 金子さんがショーを仕切っていた時代は、ちょうど日本のキャンピングカー産業の興隆期。イベントを行うごとに展示車両も見学者も増え続け、大きなキャンピングカーショーを成功させるたびに、金子さんの言動がマスメディアの流す報道番組を飾った。
 
 しかし、不況の波が徐々に日本を浸すようになり、キャンピングカー業界もユーザー層も大きく変化していった。

 金子さんは、自分の活躍する場所が狭くなったこと自覚し、いったんは本業のカメラマンに戻ったものの、キャンピングカーやキャンプに対する未練は捨てきれなかった。
 
 そこで、富士の麓に土地を借り、まったく何もないところから手作りのキャンプ場を起こすことにした。
 
 運のいいことに、そこから見る富士山の眺望は、その辺り一帯でも 「最も美しい!」 と太鼓判を押せるような場所だった。
 自分が長年開いた RV ショーでキャンピングカーを購入してくれた方々に、 “日本一の富士山” を見ながらキャンプしてもらえる場所を得たことがうれしかった。
 
 そのオープンから17年。
 「朝霧 RV パーク」 は、いわば金子さんの第二の人生となった。
 
 幸い、キャンプ場の評判はよく、かつてのキャンピングカー仲間、RV ショーで知り合ったお客さんや業者さん方がどんどん顔を見せるようになった。
 さらには、飛び込みのお客さんたちが次からはリピーターとなり、その口コミで仲間が増え、顧客は増える一方だった。
 
 しかし、ここ数年、キャンプ場に 「都会的な見栄えの良さ」 「快適性」 「便利さ」 を求めるキャンパーが台頭するようになって、自然を尊重し手作りの味わいを残した金子さんのキャンプ場は、だんだん敬遠されるようになってきた。
 
 それと呼応するように、朝霧 RV パークを取り巻く環境もどんどん観光地化が進み、自然をゆっくりと楽しむというゆとりが失われてくるように金子さんには感じられた。
 また、長年金子さんに寄り添って夫の “趣味と道楽” を支えてきた奥様を亡くされ、一人でキャンプ場を支えるのも辛くなってきた。


 
 「ここらが、潮時かもしれない…」
 そうも思う金子さんだったが、辞めるとなると、未練も残る。
 迷ったあげく、やはり、2011年の8月末をもってキャンプ場を閉鎖することにした。
 
 「朝霧RVパーク」 の閉会を知り、それを残念がるファンは多い。
 
 金子さんは、そういうファンたちの声を受けとめ、2011年の7月29日から8月28日までの間、通常1泊3,000円だった料金を改め、1泊1台2,000円 (キャンピングカー1台もしくはテント1張り) で解放することに決めた。
 
 さらに、8月19日 (金)、20日 (土)、21日 (日) の 3日間を、「さよなら RV パーク! キャンプ大会」 の期間と定め、利用者持ち寄りのフリーマーケット、ニジマスつかみ取りなど、さまざまなイベントや大人も子供も楽しめるプールなどを用意し、これまで通って来てくれたお客さんたちに最後の恩返しをすることにした。
 
 キャンプ場を閉鎖した後の人生は、まだ思い描いていない。
 しかし、今回のイベントは、数々の大規模 RV イベントを主催してきた自分の「最後のイベント」になるだろうから、ささやかでも、良い思い出で飾りたいと、ご本人は張り切っていらっしゃるようだ。
 
 くわしくは、090-3236-1395 (オーナー携帯)まで
 
 関連レポート 「お勧めキャンプ場 朝霧RVパーク」
     
 参考 「全国キャンプ場レポート」
 
 
 

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