災害時のキャンピングカーの役割

 東日本大震災は、キャンピングカー業界にも大きな波紋を投げかけた。
 受けた影響はいくつかの局面に分かれるが、まず一つはベース車の供給が制限を受けたこと。
 あるビルダーの話によると、震災後、バンコンの主要ベース車であるハイエースの供給が46日間全く途絶えたという。
 それ以外にも、架装に必要なコンパネ、ベニヤ、断熱材なども品切れ、もしくは品薄になり、入手できたとしても価格が相当高騰したという。

 このように、キャンピングカーを生産する手段に大きな支障が出る一方、キャンピングカーを入手する方法の問い合わせが殺到したという話もあちこちで聞く。
 特に、東北地方では、移動できる仮設住宅代わりに使いたいという意向を反映してか、キャンピングカーに対する問い合わせおよびカタログ請求が一気に高まったという報告もある。

 また、ある輸入車専門店のスタッフの話では、ここに来て、トレーラーの問い合わせが増えたとも。
 高台に土地だけ持っている人々が、津波などの被害から逃れるために、とりあえず、いざとなったら簡易的な宿泊機能を持つトレーラーを用意しておこうという意識を持ち始めたらしいというのだ。

 限度があるとはいえ、キャンピングカーには、一通りのライフラインを用意している車両が多い。
 水、電気、ガス。
 さらにトイレ機能、シャワー機能も持ち合わせている車両もあり、それらの機能を生かせば、オーナー自身の緊急避難の役目を果たすだけでなく、近隣住民の生活のサポートも引き受けることができる。

 もちろん、生活機能を持つクルマとはいえ、キャンピングカー1台のキャパシティは小さなものに過ぎない。
 しかし、ある程度の台数がまとまってくれば、復興支援の一助にならないとは限らない。

 現に、復興を助けるために、キャンピングカーを使って支援物資を被災地に供給してきたビルダーもあるし、キャンピングカーユーザーの団体である 「くるま旅クラブ」 でも、キャンピングカーを使ったボランティア活動を会員に呼びかけている。

 また、そのような呼びかけが生まれる前に、すでに自発的に自分のキャンピングカーを使って被災地に支援に向かったユーザーたちは多いし、自分がすぐに行動に移れなくても、ブログなどで、キャンピングカーによる支援の可能性を訴えた人たちも多い。

 キャンピングカーの持つ生活機能が、こういう災害をきっかけに見直されるというのは、実際に被災された方々には、何とも言えない複雑な気持ちを与えることになるかもしれないが、次の災害に備える意味においても、キャンピングカーの有効性を多くの人が知ることは悪いことではない。

 バンコンビルダーの有力企業のひとつレクビィの増田浩一社長は、自分のブログで、次のようなコメントを動画にして公表している (↓) 。キャンピングカーの機能を端的にまとめた適切な解説のひとつだと思う。
 

   
  
参考記事 3月13日 「災害時のキャンピングカー」
  
参考記事 「災害復興に役立つキャンピングカーの条件」
 

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災害時のキャンピングカーの役割 への2件のコメント

  1. JoeCool より:

    町田様、サイトがRenewalされて、レスポンスが改善されたようで、なによりです。前の環境ではUploadでTimeOutが出てしまい、何回かTimeOutしなくなるまで送信すると、送信した数だけコメントがUpされてしまい、ご迷惑をおかけいたしました。

    我が家でキャンピングトレーラーを購入したきっかけは、まさに災害対策でした。
    もちろん”旅ぐるま”として以前より興味はあったのですが、義母の認知症の介護ををするようになってから、”もし災害の際、避難所には入れないなぁ”との思いが強く、”何かあった時にも使える”というのが、強い動機で、車の更新をあきらめて、小さなトレーラーを購入しました。

    介護、特に認知症は、周りに多大な迷惑をおかけしてしまいます。身内の家族ですら困り果てるくらい騒ぐ・問題行動を起こす、そして自覚がないため、果てしなく繰り返す。そのため、周りに迷惑をかけない環境に隔離しないと周りの人が疲弊してしまう状況となる危険性が高いためでした。

    今回の大震災で、被災地の認知症を抱えた方々を思うと、胸が痛みます。
    最低限のライフラインを備えた環境を用意できるので、安心感が普通の車より断然違います。現在の自家用車は10年を超えた車となってしまいましたが、満足しています。

    妄想ですが、認知症が進み重度となると、部屋での介護も大変になります。そのため、軽規格くらいのトレーラにベッドを備え付けた個室にして、介護できればどんなに楽になるか・・・と思います。緊急時にはヘッドをつけて、そのまま避難できる、帰宅や病院の移動も楽にできて・・・。おっと寝かせたままの移動はダメですが。
    今回の被災地域でも、そんな介護施設を応急でも作ることが出来れば、介護している方の負担も相当違うのにと思います。
    思っているだけではダメで、事業展開するくらいの才覚があればよいのですが。

    • 町田 より:

      >Joe Cool さん、ようこそ。
      以前のブログでは、コメントのアップにかなり支障が出て、こちらこそご迷惑をおかけしました。
      このブログサービスを運営されているホビダスさんも、それを解消するためのリニューアルとのことでしたから、よい結果が出たようです。

      家族の介護というのは、大きなテーマですね。私も、車椅子生活を余儀なくされている義母を抱えているので、Joe Cool さんのお立場を少しは推測することができます。幸いなことに、私の義母は今のところまだ認知症が進んでいるわけではないので、コミュニケーションは支障なく取れます。それでも、生活の面倒をみるだけで、カミさんは相当疲弊しました。

      ましてや、認知症が進んでいると、コメントにお書きになられたように、相当なご苦労があるわけですね。うまい励ましの言葉も浮かびませんが、ご心労をお察し申し上げます。

      ご指摘のとおり、キャンピングカーが介護に力を発揮するというのは、すでにいろいろな方面から報告があります。また、車椅子生活者の搭乗をサポートするためのリフト付きのキャンピングカーや、キャブコンにスライドドアを設け、スライドレールを使って車内に車椅子をスムースに移動させるような機構を備えたキャンピングカーもあります。

      高齢化社会を迎え、日本のビルダーさんたちも介護を意識したキャンピングカーを鋭意開発しているようですから、これから様々なスタイルの介護車両が生まれてきそうに思えます。

      おっしゃるように、そのうち自宅の部屋よりも介護機能を充実させたキャンピングカーが生まれてくるかもしれません。私としても、それに期待したいところです。

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