ハイマーカー322

 
 時代の流れに呼応するように、いまヨーロッパではキャンピングカーとユーザーの二極化が進行しているという。
 ハイソサエティを対象とした高級車は、車両サイズ、装備ともに高級化に拍車をかけるとともに、先端的な技術力による 「省エネ」 「排ガス浄化」 を目指し、マスマーケットを狙うキャンピングカーは、車両サイズの小型化、装備の合理化を追求することによって、実質的・効率的な 「省エネ」 「排ガス浄化」 を狙うようになった。
 
 いずれのメーカーも、高級車をますます洗練させていきながらも、その数を絞り、軸足は、買いやすい価格帯の小型車に移し始めているようだ。
 ヨーロッパではトップブランドとして君臨するハイマーにおいても、今年から来年にかけての主力車種として力を入れているのは小型車である。
 
▼ ハイマーカー322外装
 
ハイマーカー322外装
 
 その中軸となっているのが、装いを新たにした 「ハイマーカー」 だ。
 種類は2タイプ。
 全長5990mmの 「322」 と、全長4990mmの 「302」 である。 (全幅はともに2080mm) 。
 シャシーはフィアット・デュカドで、ミッションは6速AT。排気量2984ccのコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン (157馬力) を搭載する。
 
 ハイマー社といえば、インティグレードかアルコーブンといった “モーターホーム” ビルダーのイメージが強いが、この2車はバンコンバージョン。取り回しの良さと経済性を主眼においた設定だ。
 特に、ここで紹介する 「322」 は、バンコンでありながら、 (日本の) キャブコン並みの機能を備えているところに特徴がある。
 充実したシャワー・トイレ機能を持ち (写真▼) 、大人3名+子供1名のベッドスペースを備え、97㍑の冷蔵庫を標準装備。給・排水ともに100㍑の水タンクが完備している。
 
ハイマーカー322シャワー&トイレ室
 
 写真でご覧のように、フォルムは全体的にスクエアで、四隅が効率的に使えるためスペース効率がいい。リヤベッド上に設定されているオーバーヘッドコンソールも、その恩恵に浴し、奥行き・容量ともたっぷり確保されている (写真▼) 。
 
ハイマーカー322オーバーヘッドコンソール
 
 リヤベッドは195mm×150mmで、2人就寝が可能 (写真▼) 。
 
ハイマーカー322リヤベッド
 
 しかもウッドスプリングが採用されているために (写真▼)
 通風性が確保され、寝心地も良い。
 
ハイマーカー322ウッドスプリング
 
(写真 ▼) ベッドマットを収納すると、ボディ中央には長尺物も収容できるラゲージスペースが生まれる。ベッドマット下には、プロパン、電装、清水タンクなどが収納される。
 
ハイマーカー322ベッド折りたたみ

ボディの右サイドは大型収納 (写真▼) 。
 
ハイマーカー322右大型収納
 
(写真▼) 荷物が転がらないように、ダイネット部とリヤスペースの間にカーゴネットを張ることもできる。
 
ハイマーカー322カーゴネット
 
(写真 ▼) 冷蔵庫の上はクローゼットも完備している。
 
ハイマーカー322クローゼット
 
(写真 ▼) ダイネットは助手席と運転席を回転させ、セカンドシートと向かい合わせて構成するスタイル。典型的なヨーロッパ型キャンパーのレイアウトだ。
 
ハイマーカー322ダイネット1
 
(写真 ▼) このダイネットはベッドメイクすると、165mm×89mmのチャイルドベッドにも早変わりする。
 
ハイマーカー322ダイネットベッド
    
(写真 ▼) キッチンは2口コンロと深型シンクのコンビネーションタイプ。
 
ハイマーカー322キッチン
 
(写真 ▼) 引き出し式の延長テーブルも設定できるので、調理スペースはモーターホーム並みに広い。
 
ハイマーカー322キッチン延長テーブル
 
 ハイマー社のマスマーケット路線を代表する車種だけに、細かい部分の作り込みも入念を極める。ある意味で、日本車的なきめ細かさを発揮している部分もある。
 その一つが、セカンドシート前に設定されている “床下収納” (写真▼) 。下駄箱としても使える。
 
ハイマーカー322床下収納
 
(写真 ▼) リヤベッドに上がるときに便利なボックス型昇降ステップも用意されるようになった。
 ベッド下にはそのステップを格納できるスペースも作られており、移動中も邪魔にならない。
 
ハイマーカー322昇降ステップ
 
(写真 ▼) 本国ではオプション扱いの電動ステップも日本仕様では標準装備。
 
ハイマーカー322電動ステップ
 
 走りはどうか。
 すでに数々のイベント会場まで走らせている鈴木利弥部長に言わせると、
 「バンクがないため、空力特性がものすごく良い。ホイールベースも4mあるため、直進安定性も抜群」 とか。
 「走りは、確実に他のキャンピングカーを凌駕するので、気づかないうちに速度オーバーになってしまうことが多い。そこが唯一の注意点。
 
 常に後方確認しておかないとまずいクルマです。パトカーにはしっかりにらまれそうですから (笑) 」
 とのこと。
 オプション類も豊富で、ポップアップルーフのほか、リヤラダー、自転車キャリア、ルーフエアコンなども用意されている。
 
《寸評》 バンコンといえども、さすがはハイマー。装備類の機能とインテリア造形には、上級車種のテイストがたっぷり。デザイン的な完成度においては、やはり一目置かざるを得ない。
 国産高級キャブコン勢にとってもあなどれない存在だろうし、本国では、ウエストファリアなども脅威を感じているに違いない。
 車両のお値段は、税込み943万円。
 
 

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ハイマーカー322 への2件のコメント

  1. ムーンライト より:

    高級なキャンピングカーには縁がないし、
    買いやすい価格のキャンピングカーにも縁がないかもしれないけれど。
    「キャンピングカースーパーガイド」をめくりながら、
    「人間、これくらいの空間で充分なんだなぁ」と思います。
    来週は雪が降りそうなので、急いで衣替えをしているのですが、
    子供の小さくなった服や私の着古した服がいっぱい。
    「高かったから」と大事にして、
    ほとんど新品のまま流行遅れになったのまである。
    でも、捨てられない。
    服だけでなく、これは「生き方」が表われているのでしょう。
    嫌になっちゃう・・・。
    本当に大切なもの少しに囲まれ、大切な人と一緒に、
    山を越え谷を越えて懐かしい友人に会いに行く。
    そんなキャンピングカー暮らしに憧れます。

  2. 町田 より:

    >ムーンライトさん、ようこそ。
    子供の服というのは、もう着れなくなったとしても、どうしても捨てられないものですね。うちのカミさんも、子供が小さい頃に着ていた服で、特に思い出深いものは後生大事にとっています。
    >「大切な人と一緒に、懐かしい友人に会いに行く」 キャンピングカー旅行。
    それも素晴らしいですね。
    私の敬愛するキャンピングカーライフの大先輩で、山本馬骨さんという方がいらっしゃいますが、いつも奥様といっしょに、懐かしい友人たちに会いに行く旅を楽しんでいらっしゃいます。
    私はまだ自由な時間がたっぷりと取れない身分ですが、時間ができたら、自分もまたそんな旅を楽しんでみたいと思います。
    北海道はそろそろ雪ですか。
    季節の変わり目は体調の管理が難しいようです。
    十分健康に留意されて、お過ごしください。
    この前まで日本列島を猛暑が襲っていたというのに、1年の経つのは本当に早いものですね。
     

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