またやっちゃった (蜂窩織炎 再発)

 
 「宿痾」 という言葉があるけれど、 「しゅくあ」 って読むんだけど、 “治らない病気” という意味らしい。
 簡単にいうと “持病” 。
 
 で、またこれをやっちゃった。
 「蜂窩織炎 (ホウカシキエン) 」 という、これまた難しい名前の病気なんけど。
 この春先に患ったばかりで、治ったと思ったら、また … だ。
 もうこれで 3度目。
 今回がいちばん重い。
  
 要は、傷痕が化膿して、むくんでしまうという病気ね。
 2年前に、転んで左足を擦りむいたときが最初で、そのときは 5日ほど入院した。
 これに罹ると、歩くだけで痛いし、発熱するから体がダルい。
 一度患うと、ケガしなくても、雑菌が入っただけで再発してしまうらしい。 
   

 
 キャンピングカーで久しぶりにキャンプをしてきて、野外でちょっと蚊に刺されただけなんだ。
 春先に、そのホウカシキエンを患っていた左足のふくらはぎの部分。
 そこを、チクっと蚊に刺されて。
 …… で、痒いところを、ちょっと掻きむしってしまい、ちょっとだけグジュって血が滲んけど、痒みもおさまって、まぁ普通だったら、それで終わりだよな。 
 
 ところが、そこからまた雑菌が入ったんだね。
 家に帰ってから、急に熱が出てきて、股関節部分のリンパ腺が腫れてきた感じで、… ヤバイかな … と思っていたら、あれよあれよと思う間に39.9度まで熱が出てしまって、あわてた。
 
 翌日はなんとか会社に出たものの、身体がだるくて、足も痛い。
 そのときはもうホウカシキエンの再発を疑っていたから、以前入院したことのある会社の近くの病院に行ったんだ。
 
 したら、
 「こりゃ普通のホウカシキエンと違う。皮膚科の専門医に診てもらった方がいい」
 … ってんで、別の病院の皮膚科に行ったら、
 「肌の色がおかしい。ホウカシキエンは紫色に腫れあがってくるはずだが、これは赤身を帯びている。内臓から来る病気を疑った方がいい」
 なんて言われて、途方にくれてさ。
 
 仕方なく地元の病院まで戻って、救急外来で受診することにしたんだ。
 で、そこの病院のお医者さんが見たところ、やっぱり、まぎれもないホウカシキエンでさ。
 皮膚の色が赤く腫れあがったのは、素人療法で、患部に肩こり用のシップを貼ってしまったことから来たものだと判明。
 
 シップを貼ると、いっとき患部が冷やされるような気分になるけれど、それはメンソールの刺激によるもので、シップには熱を冷ます効果はないのだという。むしろ、かえって通気性を阻害し、むくみを増すだけだとか。
 
 「最低 1週間の絶対安静が必要です。完治するには最低でも 2~3週間はかかります」
 と、きれいな女医さんがそう宣告する。
 
 ちょっとした傷がもとで、この病気が再発する理由は二つ考えられるという。
 ひとつは、古傷部分の組織再生が十分でなく、血液の中を循環する雑菌がそこで関所のように “通行止め” に遭ってしまうという説。
 
 もう一つは、完治したと思えても、実は雑菌が生き残っており、新しい菌が入ることによって古い菌も活性化して、再び活動を開始するという説。
 二番目の説は、まだ仮説で、十分に検証されていないとか。
 
 本来なら入院して、朝晩点滴を受ける必要があるのだけれど、通院も可。その代わり家では寝ているか、身体を起こしていても、足を水平に保っていることが条件。足を下げていると、身体中の水分が足にたまり、むくみが取れない … という。
 
 やっかいな病気に罹ったものだ。
 翌日から、家まで送迎タクシーを呼んで、通院が始まった。
 
 … で、大病院の診察ってのは、はじめてでさ。
 いやぁ、何から何まで、SF映画に出てくる未来都市の病院みたいなんだ。
 
 まず採血する検査室ってのが、ものすごく広くて、人がいっぱいいて、しかもカルテの番号順に、電光掲示板 … って言葉も古いけれど、他に言葉が見当たらないので使うけれど … その番号が、銀行の窓口みたいにピカピカ光るわけ。
 
 会計窓口もそう。
 1日に、2千人から 3千人ほどの患者が支払いするのだけれど、それも受け付け窓口に診察カードを見せると、ものの 5分も経たないうちに、電光掲示場から自分の番号がピカピカ光って 「何番の人まで支払い可能」 と教えてくれるんだよね。
 
 あとは、ずらりと並んだ自動支払機にお金を投入するだけ。
 立派な領収書がペロリと自動的に発行されるしさ。
 
 大病院に通院している人からは、
 「そんなことで驚くなよ」
 と言われそうだけど、ちまちました個人病院しか経験していなかったので、何から何まで別世界の気分だった。
 
 …… で、2週間ほど会社を休んで、 「朝は病院、昼から自宅で静養」 という生活を続けた。
 
 診察を受けることになったのは皮膚科だけど、日替わりで先生が代わるんだ。
 同じ先生と遭遇したのは、2週間通って一度だけ。
 女医さんが多くてさ。
 それもそろって美人なの。
 やっぱり大病院ってすごい! と思った。
 …… 治療には関係ない話だけれど。
 
 会社勤めを始めてから、病気で 2週間も休んだことなどなかった。
 病院で点滴を受けてから、昼過ぎに家に戻る。
 
 当然のことだが、カミさんがいる。
 彼女も再生不良性貧血だから、あまり外を出歩けない。
 
 病人とけが人。
 ともに身体を酷使できない 2人なので、ジトっと、同じ方向を向いたままテレビなんか見ているしかない。
 定年退職して家にこもる旦那の予行演習をしている気分になった。
 「ああ、こういうものか …」
 と、昼間から家にいる旦那の心境が分かるようになった。
 
 うちなんか、まだ会話があるからいいけれど、これで会話の下手な夫婦の場合、けっこうシンドイだろうな …という気分になった。
 
 旦那が仕事を持っている状態ならいいけれど、仕事を失った旦那というのは、女房からすれば、 「メシだけ要求する居候 (いそうろう) 」 なんだよね。
 カミさんと朝から晩まで一緒にいると、 「何もしない旦那」 というのはカミさんから見れば目障りな存在だ … とは、よく言われるけれど、わが家でもその兆候が微かに。
 
 それが、チラっとした視線、ちょこっとしゃべる一言で伝わってくることがある。
 だから、こっちも必死。
 立っていると足が痛いけど、食事が終わったら皿洗いをするし、朝のゴミ出しはするし、犬のうんちの後片づけをするし、時には肩や足をもんでやる。
 
 そうやってコマコマと動こうとする気配、…あるいは雰囲気が伝わるだけで、カミさんの心もほぐれるようだ。
 そして、
 「足が痛いのに申し訳ないねぇ」
 という言葉ももらえるようになる。
 
 病人とけが人。
 今のわが家は、大人ふたりでようやく 1人前。
 
 今日やっと久しぶりの出社。
 包帯をきつく巻いただけで、皮膚が破れたりするので、あいかわらずやっかい。
 塗り薬と頓服で痛みは引いたけれど、足のむくみはまだ取れない。
 楽しみにしていた、大好きな夏が来たというのに …
  
 
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またやっちゃった (蜂窩織炎 再発) への13件のコメント

  1. 刀猫 より:

    ブログの更新が無いと何か起きてますね。
    バリバリ更新出来るようにご自愛を。
    お大事に。

  2. ムーンライト より:

    お元気にお仕事なさっているものだとばかり思っていました。
    またやっちゃっていたとは・・・。
    お大事に。
    以前、DJ町田さんと新人DJムーンライトで一緒に歌いましょうなんてこと、覚えていらしゃいますか?
    これが実現する可能性もあるかもとメールを差し上げようと思っていたところだったのですが。
    健康第一ですね~。
    奥様ともども、お大事に。

  3. スパンキー より:

    また、やっちゃいましたね?そろそろ町田さんに電話でもして、丹沢でたき火というのを考えていたんですけれど…。いや、中津川でもOKなんですよ!
    三平じゃないですけれど、ホントからだだけは大事にしてくざさいよー、ですね?
    また連絡します。
    お大事に!

  4. ゆん より:

    本当に「やっかいな」病気ですね・・・
    きっかけができてしまうとまた出てきてしまうのですね。
    どうぞ、お大事になさってくださいね・・・
    シップのお話、とても勉強になりました。
    最近は布製のような氷嚢がありますよね。
    買っておこうと思いました。

  5. 旭川の自称美女 より:

    2週間の間、自分がしたいことが出来るわけでもないのに、仕事が出来るわけでもないというのは大変だと思います。しばらくの間は無理なさらずに。

  6. 町田 より:

    >ムーンライトさん、お返事遅くなりまして。
    もう1ヶ月前のコメントに対する返信ですので、たぶんお忘れのことと思いますが、改めて、
    「コメントありがとうございました!」
    ご心配いただき感謝しております。

  7. 町田 より:

    >スパンキーさん、お返事遅くなりまして。
    ゴメンナサイ。励ましのお言葉ありがとうございます。

  8. 町田 より:

    >ゆん様、お返事遅くなりまして。
    シップの話が参考になったのだとしたら、うれしいです。
    またよろしくお願い申しあげます。

  9. 町田 より:

    >旭川の自称美女さん、お返事遅くなりまして。
    ご心配のお言葉身に沁みました。ありがとうございました。

  10. keiko より:

    私の ふとしたことからの安静、、、はまさにその烽窩織炎でした 今日拝読して仰天、、、どれだけ町田さんに(私淑)しようとしていたとしても まさか烽窩織炎まで真似しようとは思ってもいませんでした 4月末開業医に小さな水膨れが破れた傷を亜鉛か軟こうのみの処置で10日も過ぎ その結果手遅れ寸前になるところをたまたま病気に詳しい家人に見つかってやっと抗生剤を飲まされて その後大病院で経過観察をされていますが 脂肪の層にまで達していたので治癒が長引いています PCの画像でさまざま見て本当に恐怖しました もう少しのところで膝下切断ということになるところでした
    、、、がそちらはそれ以上、、、、もうもう本当にごゆっくり治して下さいませ 抵抗力が低下していることだけは確かなので 私はこの安静時間を哲学の時間にあてていますよあはは
    、、、といってももう一ヶ月半、、、我慢出来ずに先週今週と2、3のレセプションには出席してみました 皆さん本当に恐いもの見たさがお好きです 烽窩の窩の字はされこうべの眼窩の窩の字だといったら 世にもおぞましそうに顔をゆがませていました いつもは忘れていますが本当に何事もまず健康あってのみですねお大事に、、

    今日は出身大学のレセプションに 短時間参加しました

    • 町田 より:

      >Keiko さん、ようこそ
      偶然の符合というのか、ほんとうにビックリですね。Kiekoさんも蜂窩織炎だとは。
       
      あまり一般的な病気ではないのだろうと思っていたのですが、Googleの検索では 148,000件も出てくるところを見ると、けっこう患う人の多い病気のようです。

      蜂窩織炎の「窩」という字は、“あなぐら”という意味があるようで、眼窩(がんか)といえば、確かに骸骨の目の穴を想像しますよね。不気味な文字です。
      「蜂窩 (ほうか)」というのは、蜂の巣の穴に似た症状というような意味らしいですね。
      蜂窩織炎の方は、抗生物質を飲んで安静にしていたら沈静しましたが、血栓というのは、化膿しているわけでもないので、抗生物質では治らないようです。
      明日超音波の検査をして、どこの血が滞っているのか、調べる予定です。

      それにしても、keikoさんもお体を大事に。
      蜂窩織炎は再発しやすい病気らしいので、無理をなさらずご自愛ください。
       

  11. keiko より:

    4月ごろふとしたことから知って何度も聞いた110TH STREETS LYIESのボビーウーマックが昨日亡くなりましたね70才、、、まだ若々しかったアメリカのハーレム街を通ったときを彷彿する歌でした 
       五人兄妹の3番目 
       生きるためにはなんでもやった
       悪いことだってやったさ
       ゲットーを抜け出す戦いだ
       落ち込んで元気がなかった
       ましな行き方を探していたんだ
       なにをすべきか やっと気づいた
       100番街交差点
       そこは分かれ道、、、
       、、、、、
    分かれ道、、、それは人生に何度かある分岐点、、、、私はその都度時間にまかせてじっとしていたような気がする 原因と結果が全てと分かった

    その後如何ですか 重症でしたね こちらはよっぽど軽症のはづが初期対応を誤ったせいでまだ皮膚がくっつかずに早や2ヶ月が過ぎました 
    みなさまと一緒にご回復祈念いたしております お大事に

    • 町田 より:

      >keiko さん、ようこそ
      ボビー・ウーマックが亡くなったのは、私も28日(土曜日)の夕方に知りました。
      なんと、夕方のNHKニュースに、テロップが流れたんですね。
      「ボビー・ウーマック死去」
      たった、その一言だけが、「今日のニュース」とつづられた帯の一隅を占めただけで、けっきょく報道は一言もありませんでした。

      SOULミュージック界の大御所などとも言われるボビーですが、SOULミュージックやR&Bの愛好家以外、日本ではそれほど知られてはいない人なんだろうな … と思います。
      ネットで情報を拾ってみても、「ローリング・ストーンズなど多くのミュージシャンに影響を与えた」といったような、誰にも分かりやすい事例を引いた型通りの報道で終始していたようです。

      しかし、ボビーといえば、keiko さんがおっしゃるように 『110番街交差点』 のボビーだし、『 Lookin’ For A Love Again 』 のボビーだし、ウィルソン・ピケットの 『 I’m In Love』 をつくったボビーであるわけで …。

      keiko さんが何度も聞かれた 『110番街交差点』 は名曲ですよね。オオカミみたいにボビーが、「うぅ~、うぅ~ ……」と吠えるイントロから、もうゲットーの殺伐たる熱気と、スリルと、緊張感が漂ってきます。音の中に空気が詰まっているような曲ですね。

      私の血栓症の方は、ようやく薬が効いていたのか、傷みが収まりました。
      今は、もう普通に歩いています。
      それよりも、kieko さんの方が重傷みたいですね。
      蜂窩織炎はやっかいな病気です。
      私も、患っていた頃は、毎日病院に通い、抗生物質の点滴を受けていました。

      むしむしとした不快な季節がやってまいります。
      どうか、くれぐれもお大事に。
        

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