コルド・ランディ

 キャンピングカービルダーの最大手であるバンテックから、今までのキャブコンの概念をちょっと変えるような斬新な提案を秘めた新型車がリリースされた。
 それが 「コルド・ランディ」 。
 
コルド・ランディ外装
 
 とにかく画期的なクルマだ。
 まず、このエントランスステップから上がったフロア (↓) を見ていただきたい。
 
コルド・ランディ土間003
 
 FRP製のトレイがめいっぱい広がっていて、土足で上がっても、簡単に泥を拭いたり、洗い流したりできるようになっている。
 バンテックのスタッフは、これを “土間” と呼ぶ。
 確かに、土間ならば 「土足OK」 だ。靴を履いたまま車内の真ん中までドカドカ上がれるキャンピングカーというのは、画期的だ。
 
 この “土間” は、その奥のトイレ&シャワー室と、親子ドアで仕切られながらもフロアは直結しており、フロアに溜まった水は、周りに掘られた溝を伝わってシャワー室のドレンから排水されるようになっている。
 シャワー室と土間を合わせたトレイの広さは1875mm×1010mm。室内にこれだけ広い “水を流せる” スペースを確保したクルマというのは、まずない。
 
 ▼ シャワー室にはボディ右サイドへのアクセスドアもつく。
コルド・ランディシャワー室004
 
 この “土間” の狙いは何なのか?
 もちろん、広い意味でのアウトドアユースに適していることはすぐ理解できるだろう。
 たとえば、海水浴キャンプなどのとき、塩水を浴びたまま戻ってきた子供にシャワーを使わせて着替えさせることもできるし、雪のついたスキーウェアのままとりあえず車内に入り、ここでスキーブーツやウエアを脱ぐことも可能。
 もちろん豪雨のときも、外からそのまま車内に飛び込んで、この“土間”で、雨の滴る傘をたたむ…などということもできる。
 
 だが、最大の狙いは 「大型犬との快適な旅行を楽しめるための工夫」 であるといえば、犬を飼っている人にはすぐに理解できるかもしれない。
 散歩から帰ってきた犬の足やお腹をここで洗い、さっぱりさせた状態で車内に入れてあげる。
 コルド・ランディは、大型犬との旅を意識したキャブコンでもあるのだ。
 生活用水タンクの容量は73リットル (排水69リットル) 。
 犬の身体を洗うには十分の容量が確保されるようになっている。
 
 ▼ キャンピングカーショー会場でもペット連れ見学者は増える一方
大型犬3匹
 
 さて、コルド・ランディでは、 “土間” 以外のどんなところに、ペット同伴旅行を意識した工夫が凝らされているのか。
 まだまだ、たくさんある。
 たとえば、FFヒーターの吸気口 (↓) 。
 
コルド・ランディ吸気口フィルター052
 
 犬の毛を吸い込んでも除去できるように、フィルターが取り付けられている。
 
 家庭用のセパレート型ルームエアコンも標準装備。
 トリプルサブバッテリー&1500wのインバーターという強力な電装システムが完備しているため、ちょっとの間ならエンジンを切った状態でもエアコンが支障なく使える。これなら、炎天下にペットを車内に残したまま買い物などに行くことも可能だ。
 
コルド・ランディエアコン(室内) コルド・ランディエアコン室外機
 
 サブバッテリーやインバーターという電装システムが、すべて運転席・助手席の後ろに設定されているボックス内にきれいに整頓されているのも特徴のひとつ。
 重量物をできるだけ前側に集中させ、前軸と後軸にかかる重量バランスを適正に保つだけでなく、3個のバッテリーを中央寄りに配置して、左右のバランスも適正化が図られている (↓) 。
 
コルド・ランディ電装系
 
 電装ボックスの隣は、クローゼット (↓) 。
 掃除機がしっかり入るスペースが採られているのも、このクローゼットの特徴だ。
 
コルド・ランディクローゼット
  
 電装ボックスが設けられたボディ左側の窓位置に注目 (↓) 。
 窓の位置がけっこう低めだ。
 これは、運転席からの左側後方視界の確保を狙ったもの。
 斜め横に乗用車などがぴったり張り付いてしまった場合、キャブコンには一瞬の死角が生じることがある。この窓は左サイドに生じやすい死角を除去するのに効果的だ。
 
コルド・ランディ左サイド窓
 
 ペットの居場所もしっかり用意されている。
 フロントセンターシートをたたんだところ (センターコンソール) がペットの指定席として用意され、そこには、やや固めのビニールレザー製ペット専用マット (オプション) が敷けるようになっている。
 
 バンクベッド (↓) もユニークだ。
 幅もあり、天井高も確保されているので、3名ぐらいの就寝スペースは楽に採れるだろうに、バンクベッドの就寝は2人だけ。基本的に 「夫婦2人&愛犬1~3頭」 というのが、このクルマのコンセプトだからだ。
 そのため、バンクベッドもベッドスペースを左右に振り分けて 「2人就寝」 にとどめ、代わりに、中央部に隙間を作ることで、ウォークスルーが楽になることを狙っている。
 
コルド・ランディバンクベッド
 
 ベッドとベッドの隙間を広く取ったのは、ウォークスルーの確保と同時に、バンクの奥に詰め込んだ寝具の取り扱いを楽にするという狙いがある。立ったままバンクの奥まで踏み込めるので、バンクの先端にしまったシュラフ、枕、毛布などを取り寄せるのも楽だ。
 ちなみに、バンクベッドのサイズは、右側2050mm×760mm。左側は2020mm×640mm。どちらのベッドも就寝スペースとしての容量はたっぷりあるが、強いていえば、サイズ的に右側が男性用、左側が女性用ということになろうか。
 
 サロン (↓) もいい雰囲気でまとまった。
 新型コルド・バンクス以来、バンテックの内装カラーも新境地を見せるようになった。
 クラシカルなヨーロッパ型木工家具のテイストは残しつつ、シート表皮やそのカラーリングには、モダンデザインのエッセンスを採り入れるようになった。
 このランディも同社デザインの新しい流れを汲む1台。白いシート地と黒のシートマットのコントラストが鮮やか。
 
コルド・ランディサロン
 
 レイアウトとしては、L型シートを配し、テーブルを挟んで、キッチンユニットと向かい合うというスタイルだが、一本足テーブルの天板を回転させることによって、テーブルの奥に座った人の移動を自由にしている。
 このL型シートをベッドメイクすると、長さ1860mm×幅1400mmのフロアベッド (左) ができあがる。
 背もたれのひとつを使って、コの字ラウンジ (右) も。
 
コルド・ランディサロンベッド コルド・ランディ_コの字ラウンジ
 
 リヤサロンの床は、ペットの爪痕などで傷がつかないように重歩行用のリノリューム仕上げ。 
 床下にはベバストヒーターのダクトが通っているのだが、そのダクトには穴が開けられており、床暖房効果も得られるように工夫されているという。床に腹をつけて休息するペットたちには、なんともありがたいシステムだ。
 冷蔵庫と電子レンジはオプションとなるが、冷蔵庫を設定するスペースの下には、しっかりしたフタ付き電子レンジスペースも設けられている (↓) 。
 
コルド・ランディ冷蔵庫&電子レンジスペース
 
 外部収納 (↓) もなかなかの容量を誇る。
 フロア下に回されたダクト類の配管などは、いっさい収納庫スペースと隔絶されているので、搭載した荷物が熱の影響を受けるということもない。
 
コルド・ランディ外部収納庫
 
 そのほかの外部収納として、ペットの排泄物や生ゴミなどを入れる専用の「外部ゴミ収納庫」も装備されている。
 これまで発表されてきた 「キャンピングカー白書」 によれば、キャンピングカーユーザーのペット飼育率はいつも4割を超え、5割近い数値を示している。これは日本の一般的な世帯のペット飼育率の2倍に近い状況だ。
 
 また、キャンピングカーの購入動機に 「ペットと一緒に旅行するため」 と答える人たちの率もかなり高い。
 コルド・ランディは、そのようなユーザー志向にしっかり対応した初の本格的なペット仕様車ともいえるだろう。
 
 このクルマを開発したバンテックは、キャブコンのラインナップ数では国産ビルダーの頂点に立ち、固定ファンに支えられた人気定番モデルも数多く擁している会社。コルド・ランディはそのような安定した同社の品揃えがあったればこそ生まれた提案型モデルともいえるが、案外、今後は同社のキャブコンラインナップの中軸を担う車種のひとつになっていくかもしれない。
 なぜなら、市場はそのように動いているからだ。
 
【コルド・ランディ主要諸元】
 ベース車 : トヨタ・カムロード
 全長 : 4995mm
 全幅 : 1980mm
 全高 : 2960mm
 乗車 : 6名
 就寝 : 大人4名
【標準装備】
 セパレート型ルームエアコン/トリプルバッテリー (91.6Ah×3) /強化走行充電システム/サイン波インバーター1500w/サブバッテリーモニター/AC充電器 (12V25Ah) /バッテリープロテクター/埋め込みDCコンセント/ACコンセント×3/LPG警報機/ステンレス製2口ガスコンロ/ステンレス製シンク/シャワー設備/FRP製大型シャワーパン (土間仕様) /生活用水タンク (73リットル) /清水タンク (19リットル) /FFヒーター (ベバスト) /大型クローゼット/カセットガス供給機/床材:リノリューム/シート生地:ビニールレザー/アクリル2重窓 (コンビロール内蔵) /大型ファン付きルーフベンチレーター/大型エントランスドア
【オプション】
 サロンカーテン/カセットトイレ/オーニング/ACボイラー/DC冷蔵庫(60リットル)/電子レンジ/集中ドアロック/犬用シートマット (センターコンソール上)
 
お問い合わせは下記に
株式会社バンテックセールス
電話 04-2936-6528
HP http://www.vantech.jp/ 
 
 

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コルド・ランディ への4件のコメント

  1. 刀猫 より:

    ココのところのブログ更新、やっと町田さんらしくなってきましたね!
    犬連れコンセプトや土間も良いけど、バンクベットが素晴らしいですね。
    電装ボックスの上に立てば女性でもハシゴ無しで乗り降りできるでしょう、5mクラスの夫婦二人用車の常設ベットのスタンダードになるんじゃないかな。

  2. hoso より:

    うちはアレルギーの関係で、ペットは飼ってませんが、子どもと海水浴にも良さそうですね。
    うちのタイガーはシャワールームが奥なので、外で砂を流したつもりでも、後で掃除すると結構砂が入ってます。
    子どもが遊んでて溝にはまったときは、奥のシャワーまでだっこしてつれて行った事もあります。
    これなら後で流しちゃえば問題ないですね。(^-^ )

  3. 町田 より:

    >刀猫さん、ようこそ。
    見事にコルド・ランディの個性のひとつを言い当てましたね。
    確かに、このバンクベッドの構造はよく考えられています。
    この写真からは分かりにくいと思うのですが、左側のベッドは折りたたみ式になっていて、たたんでしまうと、開口部はもっと広くなり、使い勝手もよくなるし、開放感も増します。
    確かに、ラダーがなくてもバンクに上がれますが、ラダー自体がコンパクトに設計されているので、あまり邪魔になりません。バンクベッドまで這い上がらなくても、奥の方に押し込んだ荷物を簡単に取り出せるのは確かに便利ですね。
     

  4. 町田 より:

    >hosoさん、ようこそ。
    ブログに 『キャンピングカースーパーガイド』 をご紹介いただき、誠にありがとうございました。あの本の特集でまとめた親子のテーマは、いずれ日を改めて、ここでも展開するつもりです。
    キャンピングカーの中に土足で上がるというのは、衛生上の問題なども出てきて日本ではあまり歓迎されませんが、ある意味、合理的な面もあって、自分のキャンピングカーの場合はすぐはがせるようなフロアマットを敷いて、靴のまま上がっています。
    でも、このランディのように、汚れたフロアをそのまま洗い流せるというのはやはり便利ですね。
     

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