キャンプ人口増える 「2010 オートキャンプ白書」

   
 『キャンピングカー スーパーガイド2010』 の発行とほぼ平行して携わってきたもう一つの業務にようやく 「トンネルの向こうの明かり」 が見えるようになって、ちょっと “娑婆 (シャバ) ” の空気を吸いに外に。
 
 世間は七夕。
 …といっても、都会ではもう折り紙を吊るした七夕飾りなどを見ることもない。
 
 最近の子供たちは、 「七夕」 という行事を見る機会があるのだろうか …… ワシが子供の頃は、折り紙に 「夏休みが1日でも長くなりますように」 なんて祈りごとを書き、それを笹に吊るしたものだが … などとツラツラ考えながら、曇天の連なる街の景色を眺めつつ、電車に揺られて行った先は、日本オート・キャンプ協会 (JAC) さんが開いた 「オートキャンプ白書2010」 の発表会会場。
 
JAC白書2010発表会
 
 毎年、この季節になると発表会の招待状をいただき、日本の最新キャンプ事情を勉強する機会をもらっていたが、ここのところ、その席上でずっと聞かされていた話は 「キャンプ人口の減少」 。
 日本のオートキャンプ人口は1996年の1,580万人をピークに、その後は減少傾向を示し、08年では隆盛時の半分にも満たない705万人まで落ち込んだ。
 
 ところが、今回の発表では、そのキャンプ人口が13年ぶりにプラスに転じ、09年度のキャンプ場人口は、08年よりも45万人増えて、750万人にまで盛り返したという。
 
 同協会は、09年にプラス要因として働いたものとして三つの要素を挙げた。
 
 1) 高速道路料金の1,000円制度が休日レジャーに幸いした。
 2) 夏休み期間などに台風が少なく、気候的に安定した。
 3) 昨年9月から実施された 「シルバーウィーク」 の効果があった。
    しかも、そのシルバーウィーク中も雨が少なく好天に恵まれた。
 
 気象条件に恵まれるかどうかで、その年の営業実績が決まってしまうというのが、日本のアウトドアレジャー産業の辛いところかもしれないが、昨年度はその気象的な条件がうまく回転したらしい。
 
 しかし、キャンプ人口の増加は、それだけでは説明できないという。
 キャンプ人口は増えたが、キャンパーたちの1年間の延べ泊数やキャンプ経験年数は、逆に08年度よりも減少しているし、キャンプ場に来場するキャンピングカーの割合も減少しているという。
 
 このことは何を物語るのか。
 「ビギナーの参入」
 
 延べ泊数、キャンプ経験年数、キャンピングカーの来場比率が少ないというのは、ずばり 「ビギナーキャンパー」 の特徴なのだそうだ。
 つまり、09年あたりを境に、キャンプ場には 「第二世代」 が登場するようになったということなのである。
 
 09年度にキャンプ場を訪れた人たちの年齢構成を見ると、子育てまっさかりの30歳代がいちばん多く、全体の46.1%。
 次が40歳代で、34.1%。
 この二つの世代で全体の8割を超えるが、その多くは1970年代に生まれた人たちで、日本にオートキャンプという文化がちょうど根づいた時代に生を受けた人々である。
 
 日本のオートキャンプ愛好家の数は、80年代になるとじわっと広がる傾向を示し、90年代には爆発的ブームとなった。
 だからキャンプ第二世代というのは、そのキャンプブームが浸透していくさなかで、親に連れられて最低一度はオートキャンプという遊びを経験した人たちであるという見方もできる。
 
 その世代が親になったとき、 「不況時代の経済的なレジャー」 としてオートキャンプを思い出し、今度は自分の子供たちをキャンプに連れ出す。
 第二世代の登場には、そのような背景があるのではないかという推測も成り立つ。 
 
 1970年代に生まれた30代から40代の人たちというのは、すでに任天堂のファミコン (83年) も経験し、都会的レジャーの代表格であるディズニーランド (83年) 体験も持っている。 
 つまり、アスファルト道路の上で、完璧な空調に満たされた人工世界として華開いた都市文明の快適さと面白さにどっぷりと浸かった世代なのだ。
 
 その世代が、キャンプ場で発見した 「自然」 というのは、その親たちが当たり前に経験していた 「通学途中のあぜ道でカエルをつかまえた」 というような、自然が日常的に経験できた時代とはまったく異なる光彩に彩られていたという言い方もできる。
 
 同白書では、キャンプ場に行く理由のトップに、 「自然との触れ合い」 (72.4%) が挙がったと伝える。
 2番目は 「家族との団らん」 (60.5%) であった。
 つまり、若いファミリーの間には、都市型文明の生活から逃れた場所でこそ 「家族の触れ合い」 が実感できるという意識が生まれてきたのかもしれない。
 
JAC白書2010表紙
 
 そんな現代家族の表情まで読みとれる 『オートキャンプ白書2010』 。
 お問い合せは、(社)日本オート・キャンプ協会さんへ。
 
 
参考記事 「2009 オートキャンプ白書」
 
 

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キャンプ人口増える 「2010 オートキャンプ白書」 への2件のコメント

  1. TJ より:

    今月はブログ書けそうですね^^
    5歳ぐらいからキャンプは小学6年生ぐらいまでは良くキャンプにいきましたが、40前と今とではキャンプの考え方が違っているように思います。昔は自然は当然で遊びに行くのに宿に泊まるのではなくキャンプ、今は自然を体験するために不自由のない装備でキャンプ。どちらが良いとも悪いとかは思いませんが、キャンプって少ない装備を工夫する体験も子供には大事かも・・・って今はそんな時代じゃないんですよね!?
     七夕や二十四節季なんてのも気にしないんでしょうね。。

  2. 町田 より:

    >TJさん、ようこそ。
    TJさんも、子供の頃にキャンプを経験されていたのですね。あの時代のキャンプと今のキャンプでは、確かに、環境、道具、ファッション…すべてが違いますね。何よりも参加者の意識が違います。昔はどこかに 「サバイバル」 という意識があったように思います。
    でも、この不況が長引く時代では、日常生活の方が 「サバイバル」 だったりして。
    なんとか普通の時間が取れるようになりました。
    またぼちぼちブログモ更新していこうと思っています。
    コメントありがとうございました。
    TJさんに読んでいただけると思うと、それだけで励みになります。
     

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