国際的キャンピングクラブICAとの交流

 「日本列島に桜前線が北上」 という話題が出始めた2010年3月中旬の3連休。
 国際的なキャンパー組織のひとつ 「I CA (インターナショナル・キャラバニング・アソシエイション) 」 の幹部である英国人デイビッド・ポーリン・ハーストさんが来日された。
 
デイビッド夫妻001
▲ ディビッド夫妻
 
 東京・新宿の和風レストランで、デイビッドさんと仲の良い人たちが集まり、夕食会を開くという。
 その席にお声がかかり、ありがたく参加させていただいた。
 
新宿「御庭」の桜001
▲ 会場となった東京・新宿の割烹料理店。 「和モダン」 のインテリアが素敵。
 
新宿「御庭」桜002
▲ この日は特に、天然の 「桜」 を素材に使ったインテリア装飾が異彩を放っていた。
 
 この集まりに、声をかけてくださったのは、日本ではじめて輸入キャンピングカー (ワーゲンキャンパー) を個人で購入された萩原一郎さん。
 この2月に刊行した 『日本のキャンピングカーの歴史』 という本にもご登場いただいた方だ。

 
▲ 『日本のキャンピングカーの歴史』
 
 萩原さんは、古くからのキャンピング仲間である島西哲さんご夫妻と一緒に、I CAに加入。
 I CAが必ず参加するF I CC (国際キャンピング・キャラバニング連盟) の世界大会を通じて、世界中のキャンパーたちと交じって諸外国を探訪されている。
 
萩原夫妻
▲ 萩原さん夫妻
 
 萩原さんの話によると、I CA自体はそれほど大きな国際組織ではないのだが、活動自体は活発で、年に20回以上、世界中でキャラバニングを体験しているという。
 ヨーロッパやアメリカはもとより、アフリカ、北京、インドなどにもおもむく。
 
 参加メンバーは、常時23~24ユニットぐらい。
 イギリス人が多いが、オーストラリア人、ニュージランド人、アメリカ人、カナダ人、オランダ人、台湾人、日本人など、かなりバラエティに富んだ人種構成を特色としている。
 
 活動スタイルも多彩で、キャンプ場でキャンプをやるだけでなく、トレッキング、スキー、カヌーなど幅広いアウトドアライフをアクティブにこなすクラブなのだという。 
 
 今回はそのI CAの幹部でありマネージャーを務めるデイビッドさんが、プライベート旅行で来日。
 日本のメンバーを中心に個人的に親しい人たちが集まり、旧交を温めることになった。
 
 その中に、デイビッドさんとはまったく初対面の私が混じるというのは、ひとえに 『日本のキャンピングカーの歴史』 という本が取り結んでくれたものといっていい。
 
 この夜はデイビッド夫妻を中心に、萩原一郎夫妻、島西哲夫妻、須藤央一家、通訳を務める女性の方など11人が参加。楽しい 「夜の国際交流」 となった。
 
 午前中は、島西哲夫妻が所有するプライベートキャンプ場で、真っ青な空に浮かぶ富士の霊峰を堪能したというディビット夫妻。
 夜は疲れも見せず、東京・新宿に移動し、割烹料理店の掘りごたつに座り、陽気な座談で場をなごませる。
 
 その座談の妙 … (通訳してもらわないと大意は分からないのだが … ) 、ところどころ理解できる範囲でのユーモアのセンス。場を盛り上げる雰囲気づくりの能力。
 さすが、世界を股にかけて活躍する国際キャンピングクラブの幹部は違うと思った。
 
デイビッド夫妻&谷さん
▲ 右は通訳を引き受けてくださった谷さん
 
掘りごたつでみんなで
 
デイビッド夫妻003
 
 デイビット夫妻は、日本オート・キャンプ協会が関わったFICCラリー日本大会にも参加し、島根県の石見海浜公園キャンプ場や群馬県のスイートグラスキャンプ場などで日本におけるキャンプ体験を持っている。
 
 そのデイビッドさんに、日本とヨーロッパのキャラバニングの違いを聞いてみた。
 
 「日本のキャラバニングはファミリーが多いことが特徴だ」 という。
 欧米では、シニアのキャンプ人口の比率が高い。
 特に、キャンピングカー旅行となると、その大半がリタイヤした夫婦が主軸となる。
 それゆえに、欧米のキャンピングカーユーザーの間には、ゆったりと落ち着いた大人の文化が花開くわけだが、反面、それに続く世代との交流が乏しくなる傾向がある。
 
 「だから、キャンプ文化が確実に次世代に継承されている日本のキャラバニングはとても健全だ」 という。
 
 しかし、 「日本人は忙しく働きすぎて、休みを多く取れていない」 とも指摘する。
 
 デイビットさんは、現在67歳。
 今は40代となった男の子と女の子が二人おり、13歳、15歳、17歳の3人のお孫さんがいるとか。
 子供が小さい頃から毎週キャンプに行ったおかげで、子供たちもまた成人して独立してからも、同じ遊び方を繰り返しているという。
 そして、それをまた自分たちの子供に教えていく。
 
 それが可能になるには、やはりロングホリデーを実現できるような制度や習慣が整っている必要があると説く。 
 そのトークに、島西夫妻、萩原夫妻も関わり、 “キャンプと子育て” という話題になった。
 
 「ヨーロッパに比べると、日本のお父さんたちにはアウトドアを通じて家族とコミュニケーションを図る文化がない」
 と語るのは島西哲氏。
 
 「ゴルフ、パチンコなど、みな男同士か、もしくは男が単独で遊ぶことを日本では “レジャー” というが、そこが根本的に違う」 という。
 
島西さん夫妻
▲ 島西さん夫妻
 
 ヨーロッパで  “レジャー”  といえば、それは家族単位で遊ぶこと。
 なかでも、アウトドアレジャーには、登山、スキー、スケート、カヌーなど幅広い遊びがすべて盛り込まれている。
 その幅の広さが、すなわち 「人間の幅の広さ」 につながると島西氏は言う。
 
 また、 「キャンプ場やアウトドアレジャーで 知りあった人々との交流が人間を豊かにする」 と語るのは島西夫人。
 
 「人にはいろいろな生き方があるということを知るにはキャンプが一番手っ取り早い」 とも。
 
 そのような会話の流れの中で、デイビットさんがさりげなく語った話が印象的だった。
 「教育というのは、 “教える”  とか  “教わる”  という意識が双方に強すぎると、かえって効果が薄れる。
 イギリス人がキャンプ文化になじんでいるのは、ただただ週末になると子供を連れてカントリーサイドに出かけているという、その事実の積み重ねに過ぎない。
 それを “ライフスタイル” というのだ」 
 
 う~ん…奥が深い。 
 
 この一連の話題の中で確認された結論は、 「キャンプで得られる他者との交流が、子供のソーシャルスキルを高め、マナーの精神を育んだり、環境に対する配慮を目覚めさせる」 というものだった。
 このあたり、日本人とイギリス人との見方は一致しているようだ。
 
 デイビットさんが所属するI CAは、昨年 「40周年」 を迎えたという。
 日本でも、最古のオートキャンプクラブ 「NACC」 が結成されて、3~4年前に 「40周年」 を達成した。
 そういえば、日本オート・キャンプ協会 (JAC) も昨年 「40周年」 を迎えた。
 
 40年という年月は、人間でいえば、ちょうど脂の乗り切った働き盛り。
 世界のキャンプ文化がいま同時に、成熟の兆しを見せ始めた時期に入ったようだ。
 そんな大人の会話を楽しんだ、春の宵の国際交流でした。
 
デイビッドさん夫妻を囲んで記念撮影
▲ 記念撮影
 

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国際的キャンピングクラブICAとの交流 への7件のコメント

  1. 四方満之(しほう・みつゆき) より:

    町田様、突然失礼します。
    高校時代の友人を検索中にこのサイトに辿り着きました。その名は島西哲。和歌山市中之島(?)出身、向陽高校の同級生。かなり年下の女性と結婚(のハズ?)。写真が趣味だった。上記にある「島西夫妻」は面影がハッキリ残っており彼に間違いないと思います。
    私の名前を彼に伝えてもらえれば、分かると思います。そして彼から連絡をもらえるように計らって頂けるとありがたいです。

    • 町田 より:

      >四方満之 さん、ようこそ
      島西哲さんには、私もお世話になっています。
      現在は第一線から少し退いておられますが、日本オートキャンプ協会の立ち上げに関わり、組織の発展に多大な貢献をされた方です。
      奥様もキャンプ料理などの達人で、もうそうとう前になりますが、野外での食事会でお世話になりました。
      島西様の方には連絡を入れておきます。きっと懐かしがられると思います。
       

    • 島西 哲 より:

      四方満之 殿
      ご無沙汰しています。
      お元気でしょうか?
      町田さんからの連絡で、 ええ四方??間違いなく・・・
      関東に出てきて50年も経っています。
      よくこのサイトを見られましたね。
      お住まいはどちらでしょうか?
      東京でしたら今日でもでもお会いしたいですね。
      連絡は電話090-3235-7493
      メール、フェイスブックまたはLINEで・・
      お会いできるのを楽しみにしています。
      ありがとうございました。

  2. 島西 哲 より:

    町田様
    50年ぶりに四方 満之君と連絡が取れました。
    仕事が落ち着きましたら連絡ください。
    色々とありがとうございました。
    島西 哲

    • 町田 より:

      >島西 哲さん、ようこそ
      わざわざご丁寧なご連絡までいただき、恐縮です。
      この blog が、かつて親交のあったご友人と再会するきっかけとなったのなら、まさに、管理主冥利に尽きるというものです。
      またお会いできる日を楽しみにしております。
       

  3. 四方満之(しほう・みつゆき) より:

    町田様
    突然のお願いをお聞き届けいただき感謝いたします。
    おかげさまで島西君に連絡をもらえ、電話で少し話すことができました。私は奈良市在住ですが今後機会を設けて旧交を温められそうです。ホントに有難うございました!

    • 町田 より:

      >四方満之さん、ようこそ
      うれしいご報告、ありがとうございます。
      個人の好き勝手なことを書き綴った blog でも、たまには人のお役に立つことがあるんだ…、という実感を持つことができて、書き続けていく上での励みになりました。
      稚拙な blog ですが、お二方の旧交を温めるきっかけを作れたならば、幸せな blog です。
       

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