奥様から見たキャンピングカー

 日本RV協会 (JRVA) が発行する広報誌 『くるま旅』 6号の特集テーマは、 「女性が求めるキャンピングカーライフ」 。
 
くるま旅6号表紙
 
 雑誌では、キャンピングカーを持つ家庭の奥様方や女性ユーザーからのアンケート調査が公表されていたり、ユーザーのナマの声を収録したインタビュー記事が掲載されるなど、内容は盛りだくさん。
 なかでも、読みごたえがあるのは、キャンピングカー販売を行っている女性経営者のお二方による対談ページ。
 女性経営者だからこそ分かる女性の心の  “奥の奥” 。
 キャンピングカーに対する女性の “本音と希望” が縦横に語り尽くされていて興味深い。
 
 今回のブログでは、RV協会さんの許可をいただいて、その対談ページを紹介してみたい。
 (※ 対談は、いちおう私が構成したものなので…)
 
 キャンピングカーライフは女性が創る時代  vol.1
 【 対談 ・ 奥様から見たキャンピングカー 】
 
 国産キャンピングカービルダー・社長    山口寿子さん
 輸入キャンピングカー販売店・社長  安達二葉子さん
 
【司会 (町田) 】 キャンピングカーを購入するとき、奥様方に購入決定権があるという話をよく聞きます。
 つまり、旦那さんが選んだキャンピングカーでも、奥様が 「NO」 といえば、そのクルマは購入対象から外れてしまうといわれています。
 一方、奥様が気に入られたクルマは、購入される率が高まるそうです。
 そこで、旦那さんのキャンピングカー選びと、奥様のキャンピングカー選びはどこが違うのか?
 それにまつわる微妙な話を、 「女性の願い」 や 「女性のホンネ」 を交えながら、キャンピングカー販売に関わる女性経営者のお二方に語っていただきたいと思います。
 
《 キャンピングカーは男のロマンか? 》
 
【司会】 まず、キャンピングカーに関心を持つのは、男が先か、女が先か、これに関してはどうですか?
 
山口寿子さん001
▲ 山口寿子さん
 
【山口】 キャンピングカーというのは、昔から 「男のロマン」 だったと思うんです。展示会やお店の方に来られる方々を見ても、まず旦那さんが興味を持っていろいろと知識を身につけてから、奥さんを同伴して来られるというケースが多いんですね。
 ただ、いつも感じるのは、やはりお二人の間に微妙なズレがあることなんです。奥様は、旦那様が気に入ったクルマに対して、必ずしも満足していない。あるいはその逆もあります。
 ひとつ言えることは、多くの奥様方から見て、 「今のキャンピングカーは女性から見ると、まだ完璧なものになっていない」 ということなんですね。
 そこで、うちでは女性の意見をなるべく採り上げた商品開発をしたいと思い、女性の方々からアンケート調査や聞き込み調査を行ったりもしています。
 
安達二葉子さん001
▲ 安達二葉子さん
 
【安達】 日本人の場合、確かに旦那様の 「男のロマン」 から始まりますよね。
 私の場合は、主人と一緒にヨーロッパを旅しているとき、主人が突然 「キャンピングカーを買おう」 と言い出したのがキャンピングカーライフの始まりでした。
 当時は、 「旅」 といえばホテルを泊まり歩くものだとばかり思っていましたから、 「キャンピングカーの旅」 といわれても、それが快適なのかどうか、そんなことすらイメージに浮かびませんでした。
 でも、実際にキャンピングカーの旅を始めると、 「自由」 と 「快適性」 と 「気楽さ」 がすべて簡単に手に入ってしまい、世界観が変わりました。そういった意味で、主人の 「ロマン」 に感謝です。
 
ヨーロッパのキャンピングカー002
 
《 奥様を “女王” にするのが秘訣 》
 
【司会】 奥様たちが、旦那さんの選んだキャンピングカーに、満足するか、しないかという “分かれ目” には何があるんでしょう?
【山口】 奥さんが元々キャンプが好きだったり、アウトドアに馴染みがあるようなカップルの場合は、好みが分かれることはほとんどないんです。
 特にそういう夫婦に子供がいれば、親たちはキャンプを通じて、子供に 「自然を学ばせたい」 という意識を持つようになるでしょうから、キャンプ道具もしっかり積めるような、アウトドア志向の強いキャンピングカーを求められるケースが多いようです。
 しかし、キャンプの経験のないような奥様の場合は、キャンプとかアウトドアというのは、ものすごく面倒くさく感じられるものなんですよ。
 キャンプ場などで、火を熾して、ご飯を作って … というキャンプは、家の中の家事よりも負担感が強くなるんですね。
 そうなると、キャンピングカーを買うよりも、やはりホテルに泊まる方が楽に思えるのでしょうね。
 
【司会】 では、奥様方にキャンピングカーの旅に関心を持ってもらうには、どうしたらいいのでしょう?
【山口】 ひとつは、まず旦那さんが、奥様にはぜったい負担をかけさせないような 「旅のビジョン」 を明確に打ち出すことでしょうね。
 奥様方というのは、家庭にいるときは、さんざん家事に手こずらされているわけですから、旅行に来てまで家事をしたくない … というのがホンネでしょう。
 だから、キャンプ場でバーナーを出して、お米を研いで、皿を洗って…というようなことまで奥様にやらせるようだと、キャンプの嫌いな奥様はまず乗ってこないでしょう。
 
家族キャンプの風景003
 
【安達】 ヨーロッパでキャンプ場に泊まっている人たちの間では、調理や洗い物は、みな旦那さんの役目なんです。
 向こうのキャンプ場で、私が洗い場で皿を洗っていたときのことなんですが、周りの旦那さんたちが私の主人に対して怒るんですよ。
 「君は、お手伝いさんを雇っているつもりなのか?」 って… (笑) 。
 でも、彼らだって、料理や片づけを率先して行うのは、別に奥さんの尻に敷かれているからではないんです。キャンプに来たときの 「レジャーのひとつ」 なんですって。普段やれないことを楽しんでいるんですね。
 
安達二葉子さん002
 
《 旦那さんが先行する日本。夫婦が肩を並べるヨーロッパ 》
 
【安達】 日本では、男性が先にキャンピングカーに興味を示し、奥様がそれに追従するという手順を踏みますけれど、ヨーロッパでは、夫婦が同時に興味を持つんですね。
 それは、結婚生活というものの中に、最初から 「何年ぐらい先にはキャンピングカーの購入を検討しよう」 などというプログラムが組み込まれているからなんです。
 だからキャンピングカー販売店に最初に訪れるときから、ヨーロッパでは夫婦同伴です。そして、2人でほぼ同時に決めてしまう。
 「家に帰ってから女房と相談してみる」 とか、 「話したら奥様が許してくれなかった」 などと旦那さんが語るケースは、向こうにはありません。
 
【司会】 奥様方は、キャンピングカーのどんな “ところ” に注目するのでしょうか?
【安達】 私は自分が買うときに、最初に注目したのはクルマの外形的なスタイルでした。
 最初はキャンピングカーのことを何も知りませんでしたから、まず形の美しいものを写真の中から選び、その後でそのクルマがわれわれ夫婦にとって妥当なものかどうか、主人に判断を委ねました。
【山口】 やっぱり女性はどうしても視覚的なものから入っていきますよね。それも、まず自分の好みに合うかどうかを一瞬のうちに決めてしまいます。外装のグラフィックから家具の質感や色合いまで、ほとんど直感的に判断します。
 ただ、女性というのは、そういう雰囲気で判断するだけでなく、 「このクルマを買っても、元が取れるだろうか? 使いこなせるだろうか?」 という現実的な視線でもクルマを見ているものなんですね。
 
山口寿子さん002
 
 特に、いろいろな事情でセカンドカーを持てないような場合は、その1台で買い物や送迎もこなさなければなりませんから、たいていの女性はサイズに敏感になります。 「私でも運転できるかしら?」 というようなことは絶対見逃しませんね。
 仮に、奥様が運転免許を持っていなくても、家の前の道路の幅とか、車庫との関係とか、そういうことを直感的に思い浮かべ、稼働率がどのくらいになるかなどを結構シビアに計算したりしています。
 
【安達】 私のところが扱うようなキャンピングカーは、サイズも多少大きい輸入車が主流ですから、稼働率は高くないでしょう。
 代わりにお客様がチェックされているのは 「耐久性」 ですね。
 「長く満足して使えるかどうか」
 それに関して、おもに男性はベース車の機構やメンテナンス体制に関心を持ち、女性は家具や装備類の造り込みに興味を示すというように、それぞれの見方でチェックされています。
 
《 男性は機能を求め、女性は調和を生きる 》
 
【司会】 家具や装備類の使い勝手などに関して、女性は何を基準にして自分の見方を定めているのでしょうか?
【安達】 私は、その女性が育ってきた家庭環境とか、現在住んでいる住宅の環境などが意外と反映されているように思うんです。
 だからシックなインテリアの中で育ってきた人は、クルマにもそれなりのテイストを求めるし、華やかな色柄のインテリアになじんできた人は、同じ傾向のクルマを好みます。
 若いカップルなどの場合は、現在住んでいるマンションや住宅の流行りのインテリアが、そのままクルマの内装を選ぶときにも反映しているように思います。
 
「家族を育てるキャンピングカー」 に続く
 
 ※ 『くるま旅』 は、日本RV協会主催のキャンピングカーショー会場で無料で配布されています。
 
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