スロープ ボブ

2010幕張ショー会場全景
 
 先週 (2010年 2月) 幕張で開かれた 「キャンピング&RVショー2010」 は、わが国では最大級のキャンピングカーショーという位置づけになる。
 それだけに、各ビルダーが自分たちが自慢の “一押し” の新車を投入してくる未来志向の強いショーになる傾向がある。
 いってしまえば 「モーターショー」 におけるコンセプトカーに近い提案型の車両が披露されるわけだ。
  
 ただモーターショーとは違って、イベント会場がそのままキャンピングカーの “即売会” という性格を持っているため、展示車両に 「価格表示」 や装備品の 「性能説明」 を表す貼り紙などがたくさん貼られる傾向も強く、来場者に車両説明を行うスタッフたちも購買意欲をそそるようなトークになりがち。
 そこにちょっと各社の “商売っけ” が漂ってしまう。
 やむを得ないことだろうけれど、ショーとしての楽しさや華やかさがちょっと削がれるのも事実だ。
 
 その傾向に対し、 「今回は “売らない” ショーに徹しようと思った」 と、きっぱり言ってのけたのがファーストカスタムの佐藤和秋社長だった。
 では、ファーストカスタムのブースではどんな世界が生まれたのか。
 
 いやぁ、もうびっくりでしたね!
 「東京モーターショー」 レベルの観客を楽しませる華やかなイベント会場が誕生していた。
 
ファーストブースコンパニオン001
 
 ずらりと並んだコンパニオンたちが、車両概要を説明するだけでなく、アウトドアのスターである田中ケンさん (快適生活研究家) をゲストに招き、トークショーを展開。
 
ファーストブース田中ケントーク001
 
 ケンさんはケンさんで、映像を流しながら、自分が得意とするアウトドアスポーツの極意を語り、自慢の野外料理を語り、フィールドを楽しむ人間の視点から、キャンピングカーを語る。
 
田中ケン氏002
 
 だから、ケンさんのアウトドア人生をかいま見ようと、自然に人が集まる。
 そのおかげで、ファーストカスタムのブースは、いつも見学者があふれていたように思う。
 
ファーストブース田中ケントーク002
 
 提案型という意味では、画期的な新車も紹介された。
 同社の誇るCGシリーズに、 「スロープボブ」 という車椅子対応のユニバーサルデザインの車両を登場させたのだ。
 
ファーストブースCGユニバーサルデザイン001
 
 この車両では、スロープと連携したエントランスドアに、新開発されたスライドドアが採用されていことも印象的だった。
 これならば、開口部が広い上に、ドアを開いた状態で風に煽られることもない。
 一見、ハイエースの純正スライドドアを流用したように見えるが、新規に起こしたオリジナルだという。
 スロープも市販品を流用したように見えるが、これも同社のオリジナル。
 2段目までは床下に収納できるので、スペース効率もいい。
 
ファーストCGユニバーサルデザイン002
 
 中に入ると、フロアが広くとられていて、ちょっとガランとした印象に見える。
 しかし、私なんかには、その意図がすぐに分かった。
 車椅子の回転スペースを考えて設計されているのだ。
 自分にも、車椅子生活を余儀なくされている義母がいるので、車椅子を回転することのできないスペースの不便さはよく知っている。
 トイレ周りには手すりもあって、これなら重度の身障者でなければ、健常者の介護を必要とせずに、自分でトイレを使用できるだろう。
 そのへんもよく考えられていると感じた。
 
ファーストCGユニバーサルデザイン003
 
 このような社会的な提案を盛り込んだ車両を展示しながら、あくまでも “モーターショー” 的な 「ショーとしての楽しさ」 を貫いたファーストカスタムブース。
 幕張ショーのようなビッグイベントにふさわしい試みだったと思う。
 
ファースト田中ケン&佐藤社長
 
 田中ケンさんとのトークには、途中からファースト代表の佐藤和秋氏も登場。
 現在、ケンさんとのコラボによる新車の企画が進行中だと語った。
 “フィールドの達人” というケンさんの視点を導入したアウトドア精神をたっぷり盛り込んだクルマを目指すのだとか。
 きっと面白いキャンピングカーが誕生すると思う。
 
 
 

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スロープ ボブ への2件のコメント

  1. Take より:

    グローバル社が倒産する直前、埼玉のショップで作成中のKINGを見させていただきましたが、リアエントランスに電動リフトがつけられて、その横には電動(介護用)ベッドという車でした。
    誤解を恐れずに言えば、健康なときは車旅でなくても旅行を楽しめますが、きっとその驚くような高額と推定される車をオーダーした人は、ご家族に寝たきりの病人を抱えられていたのだろう、今も連れとの家族としての共通の時間を車旅で使っているけれど、もし怪我や病気で倒れたときこそキャンピングカーはその価値を示すんだろうなぁ、そんなことがないほうが良いですが、そうなったら退職金を使ってでも僕もそうした車をカスタマイズするかもしれませんね。
    いろいろな家庭が日本には居て、そうした家庭のためにカスタマイズできる想像力があるならば、キャンピングカー業界の将来はあるような気がします。

  2. 町田 より:

    >Takeさん、ようこそ。
    せっかくのコメントをいただきながら、返信が遅くなりまして、ごめんなさい。
    ちょっと公私ともどもバタバタしておりまして…。
    健康というものは、失われたときにはじめてその価値が見えてくるとは、よく言われていることですが、そうとはいえ、健康であるときにはそのことが実感できないのが人間というものなのでしょうね。
    キャンピングカーというのは、おっしゃるように、家族がケガや病気で倒れたときに、しっかりとサポートしてくれる機能を持っています。そのことは、普段は見過ごされそうですが、キャンピングカーのカスタマイズというのは、そういう場面でこそ真価を発揮するのかもしれません。
    Takeさんのおっしゃるように、それぞれの家庭にあったカスタマイズを行える 「想像力」 を育むことは、これからの業界にとって大きな力となるように思います。
     

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