50代最後の元日

トラの絵002
 
 2010年、寅年の年が明けました。
 皆さん、どんな新年を迎えましたか。
 今年は、私にとって節目の年であります。
 なんたって、「還暦」 だもんね。
 いよいよあと数ヶ月で、60歳だからね。
 
 でも、実感ねぇんだよな…
 若い頃、60歳の男って、えらいジジイに思えた。
 見た感じが若くても、 「60」 っていう年齢を聞くと、それだけで、その人が、 「もうあたしゃジジイだよ」 って語っているように感じられた。
 そして、そのくらいの年齢になれば、人生経験も豊富になっているから人の気持ちも読めて、知識も蓄えられているから世の中もよく見えて……。
 
 そんなイメージを抱いていたけれど、自分がその年を迎えるとなると、ぜ~んぜん!
 見えるのは、自分の未熟な部分ばかりで、ホントにイヤになっちゃう。
 若者の 「未熟」 はまだ可能性が含まれているから許されるけれど、年寄りの 「未熟」 は救いようがないよ。
 
 だから、外観とか、会話の内容なんかで、オレの印象を、
 「お若いですねぇ!」
 なんておだててくれる人がいるけれど、そう言ってくれた人には申し訳ないんだけどさ、 それほどそういう言葉では浮かれないの。
 歳相応の 「分別」 とか 「貫禄」 とかがねぇ、ってことだもんな。
 もちろん、 「老け過ぎですねぇ」 なんて言われるよりはいいけどさ。
 
 では、どう言われたらうれしいか…というと、
 たとえば、
 「今を生きてますねぇ」
 とかいう感じのやつ。
 
 結局60年生きてきて、仕事人生40年として、その40年間、自分は (一応は) ジャーナリストのつもりで生きてきたわけ。
 「ジャーナリスト」 っていう言葉も、すっごく、こっ恥ずかしいけれど、まぁ、…許してもらって…、ジャーナリストってのは、結局、 「あわて者」 じゃないと務まらないと思うのね。
 文学者とか批評家とかっていう人たちは、じっくり物事を考えなければいけないけれど、ジャーナリストってのは、本来 「あわて者」 なの。
 森の向こうにたなびく煙を見て、やや火事かな? 焚き火かな? と、とっさに、どっちかに決めてしまう人間のことをいうわけ。
 
 で、 「ジャーナリスト」 ってのは、その煙を見ながら走り出してさ、火事か焚き火か分からないうちから、 「火の気は森林一体に広がりそうです。この火事の原因は煙草の火の不始末によるものと思われ…」 なんて、メモを取り始める人間のことなの。
 だから、意外と 「軽薄人間」 が多いんだね。
 
 でも 「今」 というものに敏感であり続けるには、そういう軽薄さを維持していかなければならないわけ。
 文学者や批評家のように、 「モノの本質をじっくりと見極めてから…」 なんて構えていると、 「今」 は逃げちゃうんだから。
 
 もちろん、それでいい、と言うつもりはない。
 「軽薄」 であっても、冷静に考えて、間違っていたことが分かったら、みんなに素直に謝れる感覚を持てるかどうかが、一流と二流を分ける境目になると思う。
 
 だけど、自分が 「間違っていた」 ことなんか、人間はなかなか認めないんだよね。
 たいてい誰かのせいにしちゃう。
 「紛らわしい焚き火なんかすんなよ。火事だと思っちゃうじゃねぇか!」
 とかね。
 オレなんか、いつもそう。
 だから、 いつまで経っても 「未熟で二流」 。
 
 ま、バタバタしても、今年は60歳。
 別にたいした感慨もないけれど、少しだけ、ここまで歩んできた人生というのを振り返る年齢になったかもしれません。
 皆様、今年もよろしく。
 
朝焼け_迎春002
 

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50代最後の元日 への6件のコメント

  1. ムーンライト より:

    本年もよろしくお願い致します。
    町田さんと町田さんのお書きになる絵は雰囲気が似ているのかと思っていました。
    全然違いますね。
    優しくて温かくて、ちょっと照れ屋で・・・。
    それにとても聞き上手!
    「ジャーナリスト」にとって、素晴らしい資質だと思います。
    昨日朝ごはんを食べながら息子が言いました。
    「お母さんって、案外いろんなことをするんだね」
    それで「実はアマゾンに・・・」
    「え~!それでペンネームは?」と夫。
    「ムーンライト」。
    ・・・・。家族一同大爆笑。
    よっぽど、いつもの私には似合わないらしいです。
    今の所、誰もカスタマーレビューを見た様子はありませんが。
    今回の上京。とっても満足でした。
    大木さんの「スタンドバイミー」はレコードやCDに収録されていますが、とってもイイんです。
    それが生で聴けて、本当に満足でした。
    それに町田さんと楽しい時間も持てて。とっても嬉しかったです!
    私。家族が私が書いたカスタマーレビューを読んだら、
    もうショーに行かせてもらえないかもと心配していたのです。
    それで今まで言えなかったのです。
    でも、今回とっても満足したので「それなからそれでいい」と思えましたし、「私は私なんだ」と思いました。
    「ネットで知り合った人はアヤシイ」という話。
    町田さんはお仕事も実名も出して書いておられるし、
    第一、とっても信頼できる方でした。
    これからは、身近かな友人にも「キャンピングカースーパーガイド」を紹介します。
    「編集長も素敵よ」って。^^
    少し変身したムーンライトを本年も宜しくお願い申し上げます。

  2. 町田 より:

    >ムーンライトさん、明けましておめでとうございます。
    ついに “ムーンライト” の家族デビューですね!
    いやぁ、良かった、良かった。
    Amazon のレビューというのも評論活動の一種だとしたら、家族というのが、いちばん辛らつで、かつ温かい読者です。
    アカの他人よりツッコミが多いと同時に、他人が見過ごしそうなところも、しっかり読んでくれますよ。
    これを機に、日本一の大木さんの音楽活動紹介者になってください。
    今でも十分に、その務めを果たされているとは思いますけど。
    今回の大木さんのコンサートをめぐる楽しい上京に、少しでも花を添えられたとしたら光栄です。
    マンガというのは、マンガ家がどんな人物を描こうとも、どこか作者の面影のようなものが投影されてしまうものだということを、どこかで読んだことがあります。
    だから、ここに描いた絵は、やっぱり描き手の持ち味が出てしまいます。
    今回描いたトラの絵は、“追い詰められた自分” が開き直ったときの顔です。
    「ええーい! 仕事をうっちゃって、正月は飲むぞ!」 と叫んでいる自分が出てしまったようです。
    だから、昨日も今日も、テレビの前で飲みっぱなし。
    アルコール漬けの正月を送っています。
    ムーンライトさんも、ご家族と一緒に、楽しいお正月をお過ごしください。
     

  3. motor-home より:

    あけましておめでとうございます。今年で60才になるんですね。
    元日は、町田さんと同じ60才の矢沢永吉が、4年前にイチローと対談した「英雄の哲学」という番組のYou Tubeに見入ってました。
    イチローとの対談の中で「常にチャレンジし続ける人って、相手の年齢なんか関係なく、人と接する時に上から目線じゃなくて同じ目線で接してるよね。チャレンジ精神がなくなっている奴に限って、上から目線で接してる奴がいっぱいいるけど、俺はそんな人間にはなりたくないね。」と24才差があるイチローに同じ目線で接していた姿に、矢沢永吉の人間味の奥深さを改めて感じてしました。
    町田さんも同じ目線で接してくださっていらっしゃるので、人間味の奥深さを感じてしまいます。
    motor-homeもそんな60才になれるよう、人間味を磨いていきたいと思います。
    今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  4. 町田 より:

    >motor-home さん、明けましておめでとうございます。
    矢沢永吉とイチローの対談の話は、とてもいい話ですね。イチローも素晴らしい人だと思うけれど、矢沢さん、やっぱり素敵です!
    >「常にチャレンジしている人は、相手の年齢など関係なく、同じ目線で接している」 なんて、矢沢さんじゃなければなかなか言えない言葉ですね。
    私は、「常にチャレンジしている」 かどうか分かりませんが、「上から目線」 で人に接することだけは嫌だな…といつも自分で思っています。ときどきそうじゃないこともあるかもしれないので、用心しています。
    やはり、年齢とか、学歴とか、職歴などに関係なく、どんな人でも、たとえ一つでしかないとしても、自分より優れた部分を持っていることだけは確かだと思うのです。
    その部分に敬意を表するのは当たり前のことだと思っているのです。
    motor-home さんのコメントから、矢沢さんの凄さを再確認させてもらいました。
    おかげさまで、いい年が始まりそうです。
    今年もよろしくお願い申し上げます。
     

  5. ミペット1号試作品 より:

     でも、町田編集長の話を読んでると、確実に還暦は爺じゃなくなったって実感してきてます。
     なんか、とても清々しく思えたりします。
     今の学生の心は、昔も今も変わっていないはず。って、私もそう思ってます。時代だとか、世相だとか、そんなものはこじつけに過ぎないわけで。
     時間とともに、使えるアイテムが増えただけで、若さが衰えた訳じゃないって、自分も信じていたいし。

  6. 町田 より:

    >ミペット1号試作品さん、ようこそ。
    「最近の還暦はジジイではない」 というのは、なんか世の中を見回して見ると、そんな感じもしますね。
    還暦を迎えたという矢沢永吉さんなんか見ていると、どう見ても “ジジイ” じゃないですものね。
    「使えるアイテムが増えただけ」 というのは、確かにおっしゃるとおりかもしれません。
    若者も老人も、昔と比べると、ものすごく 「使えるアイテム」 が増えていると思います。そういう中で、若者と老人の関心が重なり合っている部分が増えている感じがしますね。
     

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