「ガマの油」に出る古いキャンピングカー

 
 役所広司さんが自ら主演して、監督も務める 『ガマの油』 が、今年 (2009年) の 6月 6日に公開されるという。
 すでに試写会も行なわれ、記者発表も開かれて、ホームページも立ち上がっている。
 
ガマの油スチール01
 
 で、この映画を、なんでこのブログで紹介するかというと、どうやら、これが日本では最初の、本格的なキャンピングカーを使った 「ロードムービー」 になるという話があるからだ。
 
 役所さんの役は、数台のパソコンを使うだけで、短期の株売買で何億円も稼ぐというデイトレーダー。
 そういう仕事を、何のためらいもなく続けていたのだが、息子 (瑛太) の交通事故をきっかけに、次第に人生観が変わっていく。
 
 そして、何かを求めるように、息子の友人だった若者 (澤屋敷純一) を相棒に伴って、放浪の旅に出る。
  
 その放浪の旅に使われるクルマがキャンピングカー。
 …といっても、ただのキャンピングカーではない。
 ウィネベーゴ F17
  

 
 1970年に日本にやってきた米国ウィネベーゴ社のクラスAモーターホームなのだ。
 もちろん、本国においても、もう現役で走っている車両はないだろうと言われるほどの希少価値のクルマ。今年 (2009年) の幕張キャンピングカーショーで、ニートRVのブースで展示されていたから、来場した人の中には記憶にとどめている人もいるかもしれない。
 
 で、なんで、このクルマが映画に?
 … というわけだが、どうやらこの映画の構想を練った役所さんの頭の中には、最初から 「キャンピングカーを使った旅」 というイメージがあったらしい。
 
 そこで、どんなキャンピングカーがいいのか。
 役所さんは、いろいろとキャンピングカーについて調べたのかもしれない。
 デイトレーダーの仕事をしながら旅を続けるという企画なので、まずテーブルの上にパソコンを何台か置いても狭苦しくない車両が求められた。
 当然、ゆったりしたアメリカンモーターホームなどが念頭に浮かんだのではないだろうか。
 
 いろいろ探しているうちに、役所さんが訪れたのは、千葉県のニートRVの展示場。
 ところが、どうもイメージにぴったり来るモーターホームがない。
 で、ふと展示場を見回したときに、目に入ったのが、この40年も前に造られた F17であったそうな。
 
 
  
 「あ、あれがいい。あれを貸してくれませんか?」
 と頼み込んだ役所さんに、困ってしまったのはニートRVのスタッフたち。
 
 「いや、あれは … 本来なら博物館にでも保存するべき貴重な車両で、われわれも “腫れ物に触る” ように大切に扱っているクルマで…」
 
 と最初は断ったそうなのだが、役所さんはこのクルマを見て、ますます構想が豊かに広がってしまったらしい。
 
 そして、ついに貸し出しが決定。
 さらに、ニートRVの人々を困らせたのは、車内で撮影するとき、カメラの引きが足りないから、バスルームのところを撤去していいか?
 という相談を持ちかけられたことだそうだ。
 
F17内装01
 
 ええっ !?
 アメリカでも “天然記念物” 的な扱いの受けるくらいのクルマなのに!
 … と、最初はそれも断ったそうだが、芸術を創ろうとする人間の意志は固く、 「現状復帰」 を条件に、車内の改造も許可したという。
  

 
 この映画の試写会を見たニートRVの猪俣慶喜常務はいう。
 「キャンピングカーをテレビや映画に使いたいという申込みは今までもよくあったのですが、たいていは、ほんの 1カットか 2カット出る程度。
 しかし、今回は本当に “クルマが主人公” 。
 映画の3分の1 は、このモーターホームが登場します」
 
 古いモーターホームとはいえ、それによって、キャンピングカーを知らない人たちにとっても、 「モーターホームの旅」 がどんなものであるかを、よく伝える映画になっているらしい。
 
 「あれは映画としても素晴らしい! きっとヒット間違いなしですよ」
 と、猪俣常務。
 
 
   
 映画の公式サイト (http://gama-movie.com/) を見ると動画が張られており、その最初のシーンには、確かに、役所広司さんの後ろにウィネベーゴ F17が道ばたにしっかりと停まっているのが見える。
 そして、動画の最後には、役所さんが、F17の室内でパソコンを叩いているシーンも登場する。
 
 
関連記事 「ウィネベーゴ F17」
  

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「ガマの油」に出る古いキャンピングカー への10件のコメント

  1. Tora より:

    貴重なキャンピングカーなのに、映画制作側と、ニートRVさんの両者の対応が凄いですね! 滅多に聞けない映画の面白い裏側を聞かせて頂いてありがとうございました^^
    ところでこのキャンピングカー、映画「インデペンデンスデイ」の中でキャンピングカーで逃げ惑う集団の中に一台いませんでした? TVでみていてあのキャンピングカーだ!と喜んでました(笑)

  2. 町田 より:

    >Toraさん、ようこそ。
    この映画、私も早く観てみたいと思っています。
    なにしろ、中に入って自分でも撮影しているクルマですから、それがどんな風に映像処理されているのか興味津々です。
    「インディペンデンスデイ」 は未見なので、それは知りませんでした。
    でも、このF17は、日本オート・キャンプ協会さんが97年に群馬県のスィートグラスで開いたアジア・パシフィックラリーの会場に参加していたんですよね。
     
    当時、どんなオーナーが所有していたのか、そこまでは確認できませんでしたけれど、すごく印象的なクルマだったからよく覚えています。

  3. a_aji より:

    昨年の幕張で見てびっくりした車ですね。映画、スローでしっとりしてそうないい感じです。公開されたら是非観に行きたいと思います。

  4. Tora より:

    町田さんこんにちは。
    「インデペンデンスデイ」面白いので機会があれば是非見てみてください^^
    あと、誤解を招く表現でしたが「このキャンピングカー」ではなく、同じ車種(?)のって書いた方が良かったですね(^^; すみません。。

  5. 町田 より:

    a_ajiさん、コメントの返信が大変遅くなってごめんなさい。
    ちょっとバタバタ続きで…。
    映画楽しみですね。スチール写真に、こんなにでっかくキャンピングカーが出てくる映画も珍しいですものね。
    観たら、また感想をお聞かせください。

  6. 町田 より:

    Tora さん、せっかくのコメントを頂きながらその返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
    言い訳は、a_ajiさんへのコメントと同じで、「バタバタ続きで…」 ということで。
    で、「インディペンデンスデイ」 、一段落したら絶対観てみます!
     

  7. soramove より:

    「ガマの油 」ちょっと説教臭いかな

    「ガマの油 」★★★ 役所広司 、瑛太 、小林聡美主演 役所広司 監督、2009年、133分 「死んだはずの息子に背負われ 極彩色の花が咲き乱れる山道を 優しい会話が交わされる、 現代の寓話か、 でもちょっと説教臭いかな」 役所広司 の初監督作品ながら 素人っぽさは感じられず、 しっかり伝えたいことを盛り込んで たぶんやりたかったことは映画として 表現で

  8. ガマの油

     試写会にあたって新宿の明治安田生命ホールで「ガマの油」をみました。公開日 6月6日土曜日 ホームページは ココ。役所広司 第一回監督作品出演 役所広司 瑛太 澤屋敷純一 二階堂ふみ 八千草薫 益岡徹 小林聡美あらすじ (いただいたリーフレットより) は…

  9. 町田 より:

    >soramove さん、ようこそ。
    トラックバックのご連絡ありがとうございました。soramove さんの感想も拝読しました。
    本作だけでなく、様々なジャンルにおいて、映画の感想を書かれているのですね。
    しっかりした軸を持った批評であると感じ、感心いたしました。
    またのご連絡をお待ち申しあげます。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。

  10. 町田 より:

    >「なりゆき散策日記」のみみ☆19 さん、トラックバックのご連絡ありがとうございました。
     みみ☆19さんの感想も拝読いたしまた。 
     私はまだ未見なのですが、「ああ、そういう映画なのかぁ…」と、ちょっと意外な感じもしました。
     でも、素敵な感想ですね。
     監督に対する優しい眼差しに溢れた、心温まるレビューだったと思います。
     ありがとうございました。

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