長島温泉の夜

 名古屋でキャンピングカーショーが開かれるときは、たいてい 「長島スポーツランド」 に泊まる。
 ここには 「オートレストラン長島」 があり、その施設内に、朝まで入れる天然温泉、24時間営業の食堂とコンビニ、9時半まで営業している中華レストランがある。
 
オートレストラン長島夜景01
 
 利用客はトラックドライバーが多い。
 彼らはここで食事をし、風呂に入り、仮眠してから、深夜、早朝に出ていく。
 行楽客が集まる 「道の駅」 などより、はるかに “仕事の現場” の匂いが強い。
 それだけ無味乾燥な雰囲気ではあるが、雑然とした活気がある。
 
長島トラック駐車場01
 ▲ 駐車場が広いので、大型トラックも楽々
長島駐車場01
▲ 週末になると、キャンピングカーの姿もちらほら
 
 ここで過ごす夜は楽しい。
 「チャンポン亭」 の料理がうまい。
 
長島ちゃんぽん亭
 
 特に、味の染み込んだおでんがお薦め。
 1品80円。
 こいつを3品ほど取ってから、野菜炒めを頼み、ついでに串カツと豚のネギマを取る。
 トラックドライバーたちの世間話を聞きながら、レモンハイを飲み、しわしわになったスポーツ新聞を読み、ときどき、アカ抜けないネオンを眺める。
 いいぞぉ!
 働く男のオフタイムという気分がグングンこみ上げてくる。
 
 ほろ酔い加減になったら、自分のキャンピングカーに戻って、タオルを首に巻いて、石鹸片手に温泉にくり出す。
 500円。
 なんと、小さいながらも露天風呂だってある。
 サウナもある。
 コーヒー牛乳も売っている。
 
長島露天風呂01
 
 サウナでほてった身体を、露天風呂の縁石に腰掛けて冷やす。
 風呂の中では、トラックドライバーたちが、渋滞の発生する場所と時間の情報交換などしている。
 独立するか、会社に残るか。
 老ドライバーが、若いドライバーの人生相談などに乗ってやっている。
 聞いていると勉強になる。
 
長島食堂01 長島コンビニ01
 ▲ 24時間の食堂とコンビニ
長島ゲームコーナー01 長島マッサージコーナー01
 ▲ ゲームコーナーとマッサージコーナーもある
 
 さっぱりしたところで、自分のクルマの中で飲み直し。
 「チャンポン亭」 の串カツがあまりにもうまかったので、2本だけお土産に揚げてもらう。
 だけど、ソースがかかっていない。
 「おじさん、さっきのソースかけてくんないの?」
 「あれかね、あれは特性のタレなんだけど、切れちゃったんだよ、ごめんね」
 で、代わりにかけてもらったのは、味噌ダレだった。
 名古屋文化圏なんだな、やっぱりこのへんは…。
 
 まぁ、冷蔵庫の中には、酒瓶だけはいっぱいある。
 ブランデー、焼酎、ウィスキー。
 みんな2,000円以内のものだけど、お茶で割ったり、コーラで割ったりするから、安酒でもおいしい。
 
長島独り宴会テーブル01
 
 することがないから、音楽を聴く。
 聴きながら飲んでいると、テープに粗雑に録音した音楽なのに、みな音がツブ立ってくる。
 オールマン最高!
 エディ・ケンドリックス、すっごくセクシー!
 サニー・デイ・サービス、いい味!
 ケツメイシも乗るじゃない!
 やっぱ、独りで聴く演歌は小林旭ね!
 
 独りでノッて、独りではしゃいで、独りで酩酊する。
 時間が経つと、やがて悲しき独り酒。
 ナツメロなんか聞き始めると、いかん。
 
 酔った視線で、車内を見回すと、いつとはなしに死者たちが集まっている。
 実は、けっこう若死にした友だちをいっぱい持っている。
 病死だったり、自殺したり、事故なのか自殺なのか分からない友だちもいた。
 なぜか、自分はそういう人間に好かれるたちだったようだ。
 
 1回しか家に遊びに来なかったヤツなのに、そいつが死んだあと、別の友人に、
 「町田の家でいっしょにギターを弾いたのは、本当に楽しい思い出だった」
 と、生前ずっと話していたヤツがいたらしい。
 死んでから、その話を聞いた。
 そいつが、「また歌おうよ」 と前の席に座っている。
 
 自殺したヤツというのは、学生運動家だった。
 やっぱり一晩、夜を通して議論したことがある。
 そいつも、「町田と話した夜は面白かった」 と、別の友人に明かしていたらしい。
 「議論しようぜ」
 と、そいつも座っている。
 
 自殺か事故か分からないという友だちは、中卒で土方をやっていたけれど、マージャンが強かった。
 「町田、あと2人メンバー呼べよ。マージャンしようぜ」
 そいつも隣で話しかけてくる。
 
 うるせぇ、てめぇら。
 今日はとにかく飲み明かそうぜ。
 いい音楽だってあるんだからさ。
 
 独り宴会のときに、死者の思い出ばかり濃厚になってくるというのは、俺も年取ったってことなんだろう。
 
 いつのまにか、やつらと語り明かしているうちにうたた寝。
 風邪ひいちまうぜ。
 FFヒーターのスイッチを切って、バンクに登る。
 「今日もバンクで独り寝」 だ。
 
 「名古屋キャンピングカーフェア」 を取材して、土曜日の深夜に会社に戻った。
 撮影した画像に車種名を記入してファイルを作り、さらにバックアップとしてCDに焼いて保存。
 カット数にして、約700カット。
 そうしたら、朝の9時になってしまった。
 これから家に戻って、お昼過ぎまで仮眠。
 
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