木村流スープ術

【町田】 みなさまこんにちは。
 アウトドア料理の達人を一人ずつお迎えして、秘伝の野外料理のコツをお伝えする 『楽しい外ごはん』 の時間がやってまいりました。
 
 ええ、キャンプ料理といいますとですねぇ、バーベキューとか燻製づくりとか、「野外だぁ、焚き火だぁ、マキだぁ、キャンプファイアだぁ、フォークダンスだぁ」
 …と限りなく大げさな方向に広がってしまうことが多いんですけれど、まぁ、家にいるときには時間がないために挑戦できないような、「ちょっと凝った料理を楽しむ」 …ってな風に考えればよろしいのじゃないでしょうか。
 で、凝った料理って何だろう…といいますとですね、フォアグラ、トリュフ、キャビアとかいう “高級食材” を使えば凝った料理になる……というわけではないんですね。
 料理の中で、いちばん凝り甲斐があるのはですねぇ、実はツユなんですね。
 うどんのツユ
 ラーメンスープ
 クリームシチュー
 カレーのルー
 すべての味は、汁モノが基本であります。
 というわけで、今日の 『楽しい外ごはん』 ではですねぇ、「スープの達人」 をお招きしております。
 東京キャンピングカーランドの店長を勤めていらっしゃる木村元一さんとその奥様でぇーす。
 さぁどーぞぉ!
木村夫妻
【木村】 え、こんなふうな処理になるんですか? 町田さんのクルマの中で交わしたあの雑談が…。
【町田】 まずいすかね? しゃべりにくい?
【木村】 いえいえ、しゃべりにくいも何も…。だってこの導入部分は創作でしょ? 実際に僕がしゃべっているわけではないんで…もうお任せしますよ。
【町田】 ありがとうございます。……で、おいしいスープの作り方って、何かコツがあるんですかね?
【木村】 これは、もう、ただただ時間をかけるのが一番なんです。
 で、僕なんかキャンプ場で連泊するじゃないですか。
 すると、もう着いたらすぐに、火に鍋をかけて、ゆっくり煮出していくんですよ。60度ぐらいの温度でトロリトロリと。
 それを2~3日続ける。
【町田】 え? じゃキャンプ中にはスープは飲めない?
【木村】 いやいや、2~3日というのは 「理想」 という意味ですよ。そのくらい手間ヒマかけるとおいしくなる…ということなんですね。
 よくラーメン屋さんなんか寝ないで鍋に張り付いている、というじゃないですか。
 でも、さすがにそれはきついので、夜は1回保温鍋のようなものにあけて保存するんですね。
 そして、3時間くらいしたら起きて、また火を入れる。
 で、実際に少し時間をおいた方がいいんです。味がしみ出してくるわけです。
 ずっと熱を加え続けると、スープが疲れちゃうんです。……あくまで素人の意見ですけどね。
【町田】 …というと、最初の日はスープは飲めないわけね?
【木村】 そのくらいの意気込みでやると、おいしいものができるんですよ。
 だから1泊のキャンプ場じゃ無理ですけどね。
【町田】 で、肝心のダシは何で取るんですか?
【木村】 どんな料理にするかによって違いますけど、高級なのはやはり牛ですね。
 よくフォンドボーとか、いいますけれど、これは本当に琥珀色に輝くいいスープになります。
【町田】 豚でもいいの?
【木村】 もちろん豚でも鶏でも…。特に、鶏は何でも使えますね。
 で、鶏はダシにする前に、一回洗うといいんですね。
 普通ダシを取るときは、洗わないで、そのまま水の状態から煮立てていくんですよ。シイタケなんか、絶対に洗っちゃダメですからね。
 しかし、鶏はそうしちゃうと、ちょっと血生臭さが残ります。
 だから、ちょっと洗う。
 これラーメン屋さんでやっているのを見て覚えたんですけどね。
【町田】 ほかに手を加えることはないんですか?
【木村】 ラーメンスープなどを作るときは、ほのかに甘さを加えるといいですね。
 簡単に思い浮かべるにはリンゴなんですけど、ただ、そのままのリンゴを擦ると酸っぱくなっちゃうんですよ。
 そこに隠し味的な何かを加えるとか、そういう工夫が必要だと思うんです。
【町田】 あ、その感じ、分かりますね。
【木村】 僕が試して良かったのは、桃なんです。これを果汁にして入れる。
 これはとても上品な、いい甘さが出ます。
【町田】 そうやって作ったスープをどう使われるんですか?
【木村】 ベーススープさえ作っておけば何にでも使えるんですよ。
 それを元にクリームシチューにしてもいいし、そこからカレーのルーもできる。うどんのツユもOK。
 で、こいつでミソ汁を作る。
 これはねぇ、もう今までこんなうまいミソ汁があったのか! と思えるくらいすごいミソ汁になります。豚汁でもいいですしね
 だから、ベーススープはけっこう量を作っておくと便利ですね。
【町田】 他にはどんな料理を楽しまれるんですか?
ボスケ
 ▲ 木村シェフのボスケ
【木村】 「ボスケ」 ってご存知ですか?
 パエリアの一種なんですけど、パエリアっていうと、普通エビとか貝とか、海鮮主体でやるじゃないですか。
 だけど 「ボスケ」 は鶏とキノコでやるの。最後にレモン汁をバーっとかけて。おいしいですよぉ! 
 うちのカミさんがねぇ、これをレストランで食べただけでマスターしたんです。すごいんですよ、彼女。
 「味の天才」 です。
【町田】 ご飯主体のものは、付け合わせがあるといいですね。
【木村】 あるんですよ、これがまた!
 「パピーノ」 というスペインの漬け物があるんですよ。
 これはね、ホールトマトをつぶして、塩、ローリエ、ガーリック、レモンとで味付けする。
 タバスコ入れてもいいかもしれないですね
 そこに、キュウリを縦に4分の1ほどに切ったもの…1口サイズですね。それを漬け込むわけですね。
 さらにセロリやビーンズなどを加えてもいいし、要は 「漬け物」 ですから、自分の好みで何でも。
 酒が進みますよぉ!
パピーノ
 ▲ パピーノ
【町田】 いやぁ、楽しそうだなぁ。
【木村】 キャンプっていろいろな楽しみ方がありますけど、やっぱり料理というのは、作っているときからすでに面白いし、夜は作ったものを味わいながら酒が飲める。
 今度一緒にキャンプに行きましょうよ。
【町田】 いいですねぇ! いつ?
【木村】 町田さんの都合に合わせます。
【町田】 ではでは、ぜひ近日中に。
 …というわけで、今日の 『楽しい外ごはん』 は、東京キャンピングカーランドの木村店長をお迎えして、お話をうかがいました。
 それではまた来週!
【木村】 本当に、来週もやるんですか?
【町田】 いいのいいの。ただのノリで書いているだけだから。

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木村流スープ術 への2件のコメント

  1. ミペット1号@試作品 より:

     スープストック作ってると良いですよね。ハーブを入れなければ何にでも応用効きますし。
     ハーブのシーズニングでは、クレージーソルトが有名ですが、カリス成城が出しているシーズニングソルト ハーブミックス。なんかあまりにも直球な名前だけど・・・結構おすすめなんです。
     ガーリックとペッパー、塩をベースにしたもので、バジル、レモン、チリテーストの3種類で。値段も高くなくて、色々な用途で使える優れものです。
     

  2. 町田 より:

    ミペット1号@試作品さん、ようこそ。
    いやぁ、ミペットさんのスパイスやハーブの知識も相当なものですね。また意外な一面を見せてもらいました。
    今回ご登場いただいた東京キャンピングカーランドの木村さんも、ミペットさんのハーブソルトの情報を読んで、「たいへんうれしかった」 という感想を述べられています。
    また、いろいろ教えてください。

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