北米のRVパーク (モーターホームでアメリカを走る 2)

 
北米のRVパーク

 キャンピングカーの宿泊施設で、日本にはないものがアメリカにはある。
 「RV PARK(RVパーク)」と呼ばれるキャンピングカー専用のキャンプ場だ。 
  ※ ↑ これは2008年当時の状況を伝えたもので、現在は日本にもある

 もちろんアメリカにも「CAMP GROUND」と呼ばれるキャンプ場があり、テントキャンパーを受け付けているが、キャンピングカーの普及しているアメリカでは、RVパークの方が目立つ。

 目立つのは道理で、これらのRVパークはほとんど幹線道路上にあるため、走っていれば自然に目に入ってくるからだ。
 つまり、日本のキャンプ場のように、その場所を探して山の中の小道をたどっていくということがない。
 「そろそろ疲れた … どこかに泊まろう」
 と思って走っていれば、向こうから目の中に飛び込んで来る。

 今回のモーターホームによる「グランドサークルの旅」では、四つのRVパークに宿泊したが、それ以外にも時間があるときは、モーターホームを止めて視察に寄った。
 千差万別。あるいは玉石混合。
 「こりゃ、立派なリゾートホテルじゃないか!」
 と思えるものもあれば、
 「どこがRVパークなの? ただの空き地じゃない…」
 というのもある。

 ただし、“空き地” ではあっても、RVパークと名づけられている限りは、ほとんどフックアップ機能だけは持っていた。
 電気、水道、そしてトイレ汚水や生活雑排水を投棄する排水溝だけは、だいたいどのRVパークにも設置されている。

 北米系モーターホームを使用されている方々はよくご存知のはずだが、北米製のキャンピングカーの場合は、「モーターホーム」と名づけられている限り、家屋と同じライフラインが完備している。
 そのうちガスは、搭載しているプロパンボンベでまかなうようになっているが、電気と水道、そしてトイレなどは、RVパークのフックアップ設備に接続すれば、家の中にいるのと変らない状態で利用できる。
 
 

▲ フックアップの状態。黒いジャバラの管が、トイレ用のブラックタンクと、生活雑排水用のグレータンクが流れ出る管。白い細い管は、モーターホーム内に水道水を取り込むシティウォーター。
 キャンピングカーの普及というのは、インフラの整備があってこそ可能になるものだが、RVパークの存在は、アメリカのキャンピングカー人口を増やす大きな要因となっている。
 
 
 旅の初日、ラスベガスの「サーカスサーカス・ホテル」に投宿した私と小林さんは、ホテル裏にある「サーカスサーカス KOAキャンプグランド・マナーRVパーク」を視察に行った。


▲ サーカスサーカスホテルに隣接する「KOAキャンプグランド・マナーRVパーク」の看板
 
 「ひゃぁー!」という声が思わず漏れるほど、広い。
 でっかいモーターホームが軒並み並んでいるのだが、遠くのサイトにあるモーターホームは豆粒のように小さく見える。
 延々と連なるモーターホームの彼方には、ネオンまたたく高層ビル。
 都会のビルを遠望するキャンプ場というのは、日本ではなかなか見られない。

 街のど真ん中に “キャンプ場” があるということ自体、キャンピングカーの宿泊場所に対する考え方が、日本とは違うのだ。
 日本のキャンプ場は、そこで「キャンプをする」ことを目的とするものが多いが、アメリカでは「旅の通過点」と割り切ったRVパークが多い。
 「KOA・マナーRVパーク」はまさにそういう宿泊施設のひとつだった。

 だから、表現は悪いが、「でっかい駐車場」という雰囲気もなきにしもあらず。
 植栽もほとんどなく、地面がほとんどコンクリートで固められているので「風情」というものは感じられない。

 それでもいいのである。
 ここは、アメリカの自然を求めて旅している人たちが、
 「たまには都市の雰囲気と便利さを味わってみたい」
 というときに訪れる場所なのだから。

 だから、このラスベガスのRVパークに宿泊している人々は、みな夜はタクシーを拾って、あるいはシャトルバスやモノレールを利用して、あるいは(トレーラーの人たちは)ヘッドを利用してカジノまで遊びに行き、明け方帰ってきたりする。

 このサーカスサーカスのRVパークは、夜と翌日の朝、2回ほど見に行ったが、夜の方が静かだった。
 たぶん、みなここにクルマを止めて、町の中心街まで遊びに行ってしまうからだろう。

 もちろん、こういう都市型RVパークだけが主流ではない。グランドキャニオンやモニュメントバレー、ザイオンなどの観光地にあるRVパークは、素晴らしいロケーションと豊かな自然環境に満ちている。アメリカのRVパークは、ほんとうにさまざまなバリエーションを誇っている。

▲ キャンピングカートレーラーで旅する典型的な老夫婦。ハトにエサを撒きながら、静かなお昼時を過ごしている。 
 アメリカではよく見る光景のひとつ。
 
 

▲ 管理棟。中では清涼飲料水やらサンドイッチなどの食品のほか、日用品、簡単なRVパーツ、お土産品などが売られている。管理棟横には、プールとドッグランコースがある。
 
 

▲ ジョージアから来たというクレイさん。40フィートの「モナコ」というクラスAの持ち主。
 写真を撮っていると、「ハロー」と呼び止められる。
 「ここに泊まっているのかい?」と聞かれたので、「ここではなく、ホテルに泊まっているが、興味があるので見学している」と答える。
 「カジノに行ったのかい?」
 「行った。1ドルすった」
 「ハハハハ」

▼ クレイさんの乗っているモナコ。40フィートということは12m。軽自動車を3台並べても、まだ余る。

 
 

▼  場内ではフィフスホイールトレーラーが目立った。
 この後に泊まったRVパークでも感じたことだが、やたらフィフスホイールトレーラーが多い。それをダッジやフォードのピックアップトラックでけん引するというのがアメリカ流。
 フィフスホイールは、日本では定置式のパークトレーラーとして利用されるというイメージが強いが、アメリカでは、このフィフスがあたかも普通免許でけん引できる750㎏クラスのキャンピングトレーラーのように普及している。
 

 
 
▼  日本でも人気のある「Tグローブ」の原型となったカシータ。
 
 

▼ これは珍しいエッグフォルムのピックアップキャビン「AVARON」。エアストリームを半分に切って載せたようだ。
 

 
     
モーターホームでアメリカを走る 3 右側通行を初体験
 
モーターホームでアメリカを走る 1 ラスベガスの夜
  
  

カテゴリー: 旅&キャンプ   パーマリンク

北米のRVパーク (モーターホームでアメリカを走る 2) への2件のコメント

  1. 木挽町 より:

    最高にかっこいいです。

    日本のキャンプ場は、そこで「キャンプをする」ことを目的とするものが多いが、アメリカでは「旅の通過点」と割り切ったRVパークが多い。

    ですよね。そこが圧倒的に違うのでしょう。その日の気分や天気によって目的地を決めてフレキシブルに気ままに動けるってところが最高ですね。なにがなんでも設備の整った目的地を目指さなくていいってところがうらやましいですね。

    • 町田 より:

      >木挽町さん、ようこそ
      この記事を書いた頃は、まだ日本にもRVパークのようなものが普及していなくて、合法化された宿泊施設としてはキャンプ場しかなかったという状況でした。
      もちろん道の駅やサービスエリアなどで泊る人は多かったのですが、そういう施設は「宿泊してもよい」とは明記されていなかったので、そこで泊ることは、いわば、“暗黙の了承”という形で黙認されていたに過ぎないというのが正確なところです。

      しかし、現在は日本にもRVパークというものが普及し始めており、ようやくインフラ整備が着手されてきたという感じです。
      現在は、50~60ヶ所ぐらいですが、これが全国で100ヶ所を超えるぐらいになると、だいぶキャンピングカー旅行も楽になりますね。
      なにしろ、電源が取れるというのは、とてもありがたいことで、そこが道の駅やサービスエリアで仮眠することと大きく違うところだと思います。

      そうなれば、木挽町さんのおっしゃるように、その日の気分や天気によって目的地をフレキシブルに決められるというキャンピングカー本来の機能がより効果的に発揮されるようになるでしょうね。

      個人的には、もっと都市型のRVパークが日本にも増えるといいと思っています。やっぱり街の繁華街にキャンピングカーを置いて、近くの居酒屋なんかにくり出すのは最高に楽しいです。

      もちろん、自然に親しむならキャンプ場に行く。
      そういう使い分けができるようになったら、今よりもっとキャンピングカーも普及するでしょうね。
       

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">