デュエットT-2

お勧めキャンカー17DuettoT-2

 「魔法の小箱」
 そんな言葉がすんなり浮かんでくるトレーラーだ。

 何が “魔法” なのか?
 外と中が大違い。
 広さのことである。

 この「デュエットT-2」というトレーラーは、外から見ると実に小さい。ドローバー部分を入れても全長4.8mだから、かなりコンパクトにまとまっているといえよう。
 第一印象では、
 「まぁ、可愛い!」
 という言葉がすぐ浮かんできそうだ。


▲ 洗練されたモダンテイストを持ちながら、愛くるしい愛嬌もあり、「カッコいい!」 と 「可愛い!」 が両立した稀有なデザイン

 ところが、中に入るととてつもなく広い!
 

 視覚のマジックなのだが、キャンピングカーの場合、実測値の広さよりも、視覚的な広さの方がはるかに「心のゆとり」が得られる場合が多い。
 デュエットT-2ならば、夫婦2人で使う限り、どんなに室内に長くこもっていても、「室内が狭い」などという不満が出ることは、まずないだろう。
 
 「広さ」 を感じさせる最大の秘密は、迫力あるパノラマ感を演出しているフロントウィンドウ。
 横幅ぎりぎりまでに広げられたグラスエリアが、車内をサンルームのような明るさで満たしてくれる。
 
 左右のウィンドウや、リヤウィンドウも、キャブコンナ並みの大きさが与えられており、採光効果は抜群。これだけの窓面積の比率の高いトレーラーも、ちょっと見当たらない。
 晴れた日のキャンプ場の芝生サイトなどに止めておけば、フロントウィンドウには青空が広がり、サイドウィンドウには芝生のグリーンが映えて、さぞや気持ちいいだろう。

 このトレーラー
 果たしてどういう経緯で開発されたのだろうか?
 
 製作しているのはグローバルさんだ。
 エクステリアの特徴から、すぐそれを見抜かれた方も多かろう。
 ボディ側面には、断熱材を封入しやすいパネル工法が生かされ、それをアールを持たせたコーナーを使ってデザイン的に処理している。キングやユーロスターなどのキャブコンを思わせるスタイルだ。 そのグローバル社の技術を生かし、「あかひら」の赤平好美社長が、ご自分の構想を導入してまとめあげたのが、このデュエットT-2。
 狙いは、ずばりトレーラー版「ふたりのくるま旅」。

 トレーラー利用者は、ファミリーの比率が多い。
 それも、子供が大きくなるにつれ、牽引免許対応型の大型トレーラーに移行するケースが目立ってくる。

 しかし、子供が成人してキャンプに着いてこなくなると、トレーラーから卒業してしまうユーザーも多い。高齢になると、重量級トレーラーを大型ヘッドで振り回すことを面倒だと感じる人も出てくるからだ。
 それよりも、取り回しがよく、維持費も安い小型の自走式を買って、「気楽に旅したい」と思うのは人情。
 軽キャンカーに注目が集まっているのも、そういうシニアの志向を反映している部分がある。
 「しかし、それではつまらなかろう」
 と、赤平さんは言う。

 定年退職をするぐらいの年齢になれば、あり余るくらいの時間を持てるようになる。
 土日しか利用できない現役時代から解放され、気に入った場所にじっくり腰を落ち着ける旅ができるようになるのだ。
 ましてや、旅行者の旅先における滞在時間を、国を挙げて増やそうとしているようなご時世。
 連泊サービスやシニアサービスのある安いキャンプ場などに腰を落ち着けるような旅では、ヘッドを自由に使って観光地めぐりができるトレーラーが絶対に有利……なのだが、肝心のシニアがなかなかそれに気づかない。

 彼らを振り向かせるには、体力・気力の減退を自覚したシニアでも気楽に取り回せる小型トレーラーを開発す
るしかない。
 赤平さんがこのデュエットT-2でやりたかったことは、それだ。

 デュエットのような軽量コンパクトなライトトレーラーなら、大げさなヘッドも要らないし、連結状態での取り回しも楽。
 プロトタイプの重量は約700kgだが、装備や家具の見直しによって、量産タイプでは650~680kgぐらいまでのスリム化が図れるという。

 シニアユースを意識して、レイアウトも “お座敷風” 。
 二の字のソファで構成される洋風対面ダイネットが通常の使い方だが、赤平さんのご推奨は、フラットなフルベッド状態であぐらをかき、テーブルを “ちゃぶ台” として使う和風スタイル。
 これだと、疲れたときはそのままゴロンと横になれる。
 キャンピングカーの中に靴を脱いで入る日本人にとって、この「やぁ食ったぁ…ゴロン」感覚は、一番のくつろぎになる。

 「今後は、そのものズバリの畳仕様も検討中」
 とか。
 どのような仕様も思いのままであることが、国産トレーラーのメリット。
 トレーラーの世界に、新しいムーブメントが生まれるかもしれない。 
  
 

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デュエットT-2 への2件のコメント

  1. 津田佳三 より:

    畳敷き大賛成!腰掛ける必要なし、ちゃぶだいは工夫されたし。冷蔵庫必要なし。青森で冬庭に置いて一晩寝てみて考えて欲しい、四隅の窓から熱は逃げる、二重窓は必須とか、ヒーター無しで大丈夫かとか・・。お茶と熱かんぐらいは欲しい、その程度で良いので、どこでも手に入るカセットボンベの方がよい(ボンベの充填は最近難しくなっている)、トイレはどっちみちカセットだが、女性を配慮して囲いは必須(暗い時は外に出ないほうが賢明)。上代150万円で益が出るようにコストを見直して欲しい、500~600kgと軽くすることも大事。北海道~九州・本州をキャンピングカーで遊んだ人間の結論です、一号車がほしいぐらい。

  2. 町田 より:

    >津田佳三さん、ようこそ。
    トレーラーの開発に対する貴重なコメント、どうもありがとうございます。
    おっしゃるように、個々の指摘に関しては、キャンピングカーのヘビーユーザーでいらっしゃる津田さんの経験を生かした深い洞察が表れているように感じます。
    キャンピングカーは室内空間が限定されてしまう乗物であり、さらにこのようなライトトレーラーの場合は、より実質有効空間が狭いので、搭載機器に関するプライオリティーとその機能的な見直しはぜひ必要になりますね。
    津田さんのご指摘が、日本のトレーラー文化を高める上で実りある成果を上げることをお祈り申しあげます。
     

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