パリ、テキサス

 
 伝説のロードムービー、ヴィム・ヴェンダースの 『パリ、テキサス』をついに手に入れた。
 土曜日の夜のことだ。
 カミさんが、駅前のTUTAYAまで、韓流ドラマのDVDを借りに行くから、ガードマンを務めろ、という。
 奴隷としては、女主人のこういう命令に逆らうと、後が怖い。
 
 渋々もう一度着替えて、自転車でDVDを借りに行く女主人の後ろを伴送した。
 しかし、収穫はあった!
 何気なく覗いた中古DVDコーナーに、ずっと探していた 『パリ、テキサス』が、ポツンと、さりげなく棚に刺さっていたのである。
 
 
 
 3,990円。
 アマゾンで買った方が安いかな…とも思ったが、迷わずレジに直行。
 
 『パリ、テキサス』
 映画としては、初めて見るのだが、映画マニアの人からは散々その評判は聞いていたし、何よりもサウンド・トラックだけは、もう10年以上前から、聞き続けている。
 なにせ、音楽を大好きなライ・クーダーが担当している。
 特に、この 『パリ、テキサス』 のサントラはことのほかお気に入りで、もう耳タコになるほど聞き込んでいる。
 
 今日は 1中見続けた。
 1回スルーで見て、後はお気に入りのシーンをチョイスして飽きるまで。
 美しい映像だ。
 アメリカ中西部の空っぽの風景。
 地平線ムービーだ。
 
 自分がなぜ、このようなアメリカ中西部の空っぽの風景に惹かれるのか、自分でもよく分からない。
 映画のストーリーは、すでにいろいろなレビューで紹介されているので、ここでは詳しく書かない。
 深読みしようと思えば、いくらでも突っ込んだ批評ができる映画だが、自分にとって大事なのは、あくまでも、
 「荒野を貫く淡々とした一本道」
 「朽ち果てたようなドライブイン」
 「華やかで、寂しいモーテルのネオン」
 「ハイウェイのかなたに広がる夕暮れの光」
 
 それだけを堪能して、ひたすら感激。
 
 映像が、どれも、これまた大好きなエドワード・ホッパーの絵のようだ。
 さすが、アメリカを舞台にした映画だと思わせるのは、何気なく撮られた映像の隅に、モーターホームやトレーラーが必ず出てくる。
 何気なく出てくる … というところが、すごい。
 
 ライ・クーダーのけだるいギターを聞いて、美しい映像を見ているだけで、今日1日、幸せな気分だった。
 「この映画、退屈ね。あなた寝てんじゃない?」
 という、外野席からのカミさんの声さえなければ。
 
 

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パリ、テキサス への2件のコメント

  1. TJ より:

    切ない内容の映画でしたね。ナスターシャ・キンスキーも綺麗なだけにけだるさも似合っていたような演技。どこまでも続く道と砂漠とライ・クーダーのギターが景色と合っていて臭いまで漂ってきそうな映像でしたよね。
    これも20年くらい前の映画でしたよね!?クルマもランチェロを使うのが荒地に似合っていました!!

  2. 町田 より:

    切ない映画でした。
    ナスターシャ・キンスキー演じるお母さんと、ハンター坊やが抱き合うシーン泣けますね。
    でも、トラヴィスお父さんは、なぜ3人で一緒に暮らそうとしないのか。謎の残る映画です。
    トラヴィスお父さんの傷ついて乾いた心象風景を、どこまでも続く道と砂漠の風景が代弁していて、見事な映像となっていたように思います。
    そんななかで、ハイウェイをよたよた走るランチェロの頼りない走りが、なぜかほのぼのとした気分にさせてくれましたね。

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