犬と作家 (スタインベックとチャーリー)

 
 世界で一番最初に、犬と一緒にキャンピングカーで旅した作家は誰でしょう?
 たぶん、ジョン・スタインベックだと思います。
 『チャーリーとの旅』 は、スタインベックが、老プードルの愛犬チャーリーと全米を旅した時の記録です。

 スタインベックが、この旅を思いついたのは1960年。今から46年も前の話です。
 「アメリカの作家として、アメリカについて書きながら、自分はこの国について何もしらないことに気がついた」
 彼は、58歳のときにそう思い、自分の目でアメリカ大陸をすべて見てやろうと決意します。
 
 そこで彼はトラックの荷台の上に「家」のようなものを作ることを思いつき、今でいうキャンピングカーをトラック会社に作ってもらいます。
 
 この荷台に乗せたキャビンには、ベッド、冷蔵庫、トイレ、ヒーター、クローゼットなども付いていたといいますから、きっと今のキャンピングカーとほとんど同じ構造だったんですね。
 
 当時スタインベックはすでに高名な作家でしたから、大きなホテルなどに投宿したら、さぞや支配人や従業者たちから大歓迎されたことでしょう。
 しかし、彼は無名の旅行者になりすまし、ある日は川原で、次の日は林の中で寝泊まりしながら旅を続けます。

 そういう旅では、話し相手が欲しくなっても、まったく未知の人と話す時にはきっかけがつかめないことがあります。
 そんなときはチャーリーが大活躍。
 庭先でバーベキューを楽しんでいる家族のところに、わざとチャーリーを解き放ち、
 「私の犬がご迷惑をかけていませんか?」
 と話しかけて、話の糸口をつかんだり…
 
 彼はそうやって、アメリカの普通の庶民が、何を楽しみ、何を憎み、何を求めているのか、机の前で考えているだけでは解らないことを、たくさん勉強していきます。
 
 スタインベックがキャンピングカーで過ごした月日は4ヶ月。
 全米38州を見て回る16,000㎞の旅でした。
 
 キャンピングカーだからこそ味わえる人や自然と密着した旅。
「チャーリーとの旅」は、キャンピングカー文学の原点です。
 
 ちなみに下の犬は、チャーリーとは何の関係もありません。
 

 
  
 

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犬と作家 (スタインベックとチャーリー) への2件のコメント

  1. 匿名希望 より:

    チャーリーとの旅、来年復刊されますよ。
    ポプラ社から新訳が出ます

  2. 町田 より:

    匿名希望さん 貴重な情報ありがとうございます。
    この本は気に入っていた本でした。
    スタインベックがキャンピングカーの中で過ごしていたとき、外に怪しい物音がして、思わずライフルを引き寄せた…などという記述があったりして、「ほぉ、日本のキャンピングカーの旅とはずいぶん違うものだなぁ」と考え込んだこともありました。
    新訳が楽しみです。

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